やっぱり注文をしてしまった。ビートルズのリマスター版CDボックスセットだ。ビートルズの音楽にとって音質は重要ではない、騙されてはいけないと思いつつ、ネットではやたらと盛り上がっているし宮根さんはもう注文したと言うし、どうせいつかは買うんだからと思い注文してしまった。
どこかのネットには「知らない人もこの機会にビートルズを聴いてみては」と書いてあったが、こういうのはなんだか居心地が悪い。何も無理に聞く必要はないのだ。ビートルズなどもう40年も前の音楽だ。彼らに影響を受けた優れた音楽家がいくらでも優れた音楽を作っている。卓球で言えば、ビートルズなど荘則棟や李富栄と同じ時代の音楽なのだ。当然、現代の卓球から見るべきものはない。彼らの卓球はとっくの昔に後進によって乗り越えられたものだからだ。
しかし音楽はスポーツと違って客観的な比較ができない。メロディの美しさを競うわけには行かないし、まさかギターの速弾きを競うわけにもいかない。ビートルズが現代の音楽に比べて優れているのかどうかの答えなど出しようがない。頭ではそう解っているのだが、私にはビートルズの音楽はやはり特別に思える。
しかし、そう思えない人が教養のつもりで無理に聴いてもがっかりするだけだし、そんな必要はない。それぞれの時代の人がそれぞれのビートルズを持っていればそれで十分なのだ。
音楽業界の物書きでなくてよかった。こんなことはまさか書けないからな。買う必要はないなんて。