アメリカの巨大スーパーである、ウォルマートでは、食品の値段表示がなかなか面白い。普通の値段の他に、内容物の重さ(オンス)当たりの値段が表示されているのだ。だから、大きいサイズの袋を買うと割安になるということが数字で分かる。これは便利な表示だ。
こういうところは厳密なくせに、カロリー表示になるととんでもない欺瞞がまかり通る。それぞれの袋にカロリーが書いてるのだが、それは袋全体のカロリーではなくてserving当たり、つまり「1食分」のカロリーなのだ。そして困ったことにこの1食分というのは特に明確な規定がなく、食品ごとに勝手に決めてよい量なのだ。たとえば、バカでかいポテトチップスの袋に150カロリーと表示してある。よくみるとこれは1食分が150カロリーということであり、別の段にポテトチップス15枚で1食分と書いてある。そして、この袋は全部で11食分であることも書いてある。つまり本当はこの袋は全部で150カロリー×11食=1650カロリーなのだ。すべての飲食物のカロリー表示がこの調子で、一見すくないカロリー表示がされていて、全体のカロリーは計算しないとわからないようになっているのだから、まったく油断も隙もない。
これら、重さ当たりの表示、少なめのカロリー表示は、とにかく客に多く買わせたいという共通した目標に貫かれている。