昨日の朝、更衣室でヘイステンという人が、足の指が分かれている靴下を履いているのを見た。ヘイステンはこれをtoe socksと言った。toeといえばつま先だとばかり思っていたら、そうではなくて足の指のことだという。
英語では手の指はfingerだが、足の指はtoeであり、fingerとは言わないのを初めて知った。日本語では同じ単語を使うのに英語では別の単語があるというのは他にもあるだろう。
その逆もある。たとえば兄、弟だ。英語では兄はolder brother(年長の兄弟)という説明的な熟語が必要であり、兄を一言で表す言葉はない。年功序列がない文化だから兄と弟を区別する必要がないのだろう。また、日本では水と湯があるが、英語ではどちらもwaterであり、温度の違いを表すためにはhotとかcoldとつけるしかない。
カブトムシは英語でbeetleだが、beetleを辞書で引くと、クワガタだろうがカナブンだろうがああいうのを全部ひっくるめてbeetleなのだからがっかりする。たぶん、マニア以外は昆虫にあまり興味がないのだろう。もっとも日本人だって、もしカブトムシやクワガタといった魅力的な虫がいなくて、カナブンやゲンゴロウばかりだったら、区別する名前をつけずに「甲虫」ですましていたかもしれない。