血液型性格判断の話だ。血液型と性格に関係がないことはこれまでにも何回か書いた。どれほど関係があるように思えたとしても、これは科学的には認められていない典型的なエセ科学なのだ。当たっていると思えるのは占いと同じで、「誰にでも当てはまることを言う」「当たっている部分だけを意識する」というだけのことだ。
血液型性格判断について医者をやっている知人が言ったことで印象に残っていることがある。「血液型と性格が関係あるかもしれないなんてことは誰でもすぐに思いつくことでしょ。そんなもん犬でも飛びつくって。でも調べても何も関係がないから関係がないって言ってるんだよ。」ということだ。調べてもそんな事実はないという簡単明快なことなのに、未だに血液型性格判断の本には「科学者の間でタブーになっていて認めようとしない」などと寝言を書く。
現代日本人は現代医療の世話になってそれなりに医者を信頼しているくせに、こと血液型と性格についてはなぜだか専門家の言うことよりも、自分の思い込みやら与太話のような雑誌記事やテレビを信じるのだから、その方が不思議である。雑誌記事にしてもテレビにしても、私のようなライターが毎回頭をひねりながら何の根拠もなしにデタラメを書いているのに。
いつだったか、知人の女性に「私、A型なんだけどいつもB型に間違われるんです」と言われたときはあまりにも可笑しくて大笑いしてしまった。医者に血液型を間違われたら死ぬぞ!などと思ったら可笑しくてたまらなかった。その女性は自分の話がウケたと思って喜んでいて、それもまた可笑しさに輪をかけたのだった。