濁音の規則2

東北弁の濁音についてさらに規則を見つけた。ドラマ制作者は参考にしてほしい(読んでいないかそんな人)。

日本語の濁音は「が行」「ざ行」「だ行」「ば行」「ぎゃ行」「じゃ行」「びゃ行」だが、これらのうち、東北弁として出てくる濁音は「が行」「だ行」に限られることが、書いてみてわかった。「が行」と「だ行」の10音はすべて使われる。例を示そう。

が行: 聞ない、聞ます、聞、聞、聞

だ行: 書い、み(道)、な(夏)、書い、俺

他の規則として

・名詞の頭の音は濁らない。例:影を「げ」とは絶対に言わない。例外:なんてごど言うんだ

・直前の音が「っ」のときは濁らない。例:雨だっ とは言わない。

・直前の音が「ん」のときは濁らない。例:本当を「ほんう」とは言わない。

・直前の音が無声音の場合には濁らない。例:ちい(近い)とは言わない。「ち」が無声音だから。「聞かない」の場合は、標準語では無声音である「き」を有声音にした上で「が」と濁る。

・西洋からの外来語は濁らない。例:ラケットをラットとは言わない。

・歴史が浅い単語は濁らない。例:携帯電話を「けいいでんわ」とは言わない。しかし自転車は「じんしゃ」と言う。

・漢語よりは和語の方が濁ることが多い。漢字で言えば、音読みよりは訓読みの単語の方が濁る場合が多いような気がする。例:「わる」とは言うが「りいする」とは言わない。

今、あまちゃんを見ていたら「緊張感」を「きんちょうん」と言っていた。有り得ない。こういうちょっと堅い単語や専門用語は濁らない。でもまあ、わからないよなあこんなの。自分でも、自分の中の何がこうも確信をもって濁音の有無を断定できるのかわからないんだから。まあちょっとした標準語と東北弁のバイリンガルの風情である。

濁音の規則2” への 2 件のコメント

  1. 勉強になります。間違った認識ばっかりのようです(反省です)。
    話が別になりそうですが、母方の実家では語尾が気になりました。
    ~してけらい ~だっちゃ ~でがんす ・・とか。
    たまにしか帰らなかったので、全てが外国語みたいでした。
    そう、今夜は子供と英語の副詞にとりかかったのですが、半ばにして
    時間切れ。肩の力を抜いて、自分からどんどん入っていかなきゃあ・・みたいに偉そうに言ったのですが。(*_*)その前に理解しようという勇気がなかった私・・いつか謝るときが来ますね、これは。m(__)m

    1. お役に立てたようで嬉しいです。「けらい」「でがんす」は丁寧語で「ください」「でございます」と同じです。「だっちゃ」は東北弁の中でもかなり狭い範囲のもので、宮城県仙台近郊だけの方言です。意味は関東の「じゃん」のようなもので、目上の人に対してや格式ばった場では使いません。
      「だっちゃ」に加えて仙台の方言はかなり音程の上下が激しく尻上がりの発音多く、子供の頃、仙台の親戚がこう話すのを聞いて「なんておかしな話し方をするんだろう」と思っていたものです。自分を差し置いてですが(笑)。

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