チリの年末年始

2014年もいよいよ残すところ2日となりました。真夏のサンチャゴ市は猛暑です。既に学校も12月中旬から約3ヶ月間の夏休みに入っています。チリ人の会社勤めの人達も家族と休暇を楽しむため、職場同僚との話し合いでローテーションを組んで長期休暇を楽しみます。

名物の花火も楽しみです。年末から元旦の午前0時には、各地で一斉に花火が打ち上げられます。サンチャゴ市内でも毎年打ち上げ場所が決まっていて、特に市内の大統領府(モネダ宮殿)付近は大勢の見物者が出ます。この時ばかりは集まった人々はシャンペンなどのアルコール飲料で乾杯し、チリでは珍しくゴミをそのまま放置します。沢山の人出で賑わい帰宅するのも注意が必要ですよ!と注意を受けています。

1日の新年を迎えると早々と普段の生活が始まります。元々この期間をゆっくり過ごす習慣が付いている卓球選手。強くなりたい気持ちとは裏腹に、十分な休養を取ってしまいます。上位を目指すには「継続する努力が大切」と教え続ける以外ありません。

今年初めの1月~3月にも南部で巡回指導をしました。パタゴニア地方は年中寒い地域の為、唯一この時期に積極的な活動が行なわれます。気温が上昇し活動するのに絶好な気候だからです。勿論、この時期の活動は地域に依っても様々ですが、南部・パタゴニア地方では唯一この時期での練習を待ち望んでいます。

来年1月はコジャイケ(Coyhaique)で10日間。2月にプエルト・モン(Puerto Montt) とチロエ島 (Chiloe) で2週間の巡回指導(合宿)を行います。この期間しっかり練習する南部の選手が、結果的に将来のナショナルチーム代表選手として活躍する人が多く出ます。これらの巡回指導で有望な選手を見つけ将来に繋がる指導をしたいものです。

チリのリーガナショナル

今年10月に国内で初めてクラブチームのリーグ戦が開始され、12月14日に決勝が行われました。試合方式は1番女子、2、3、4番男子シングルス(S)、5番ダブルス(W) の順番です。 12月13日(土)予選を勝ち抜いた8チームで決勝トーナメント1回戦を行いベスト4を決めました。 翌日14日は1位~8位の順位決定戦を行い上位6位まで賞金が出ました。

1位 (San Bernardo-Aチーム)には、海外からの助っ人でアルゼンチンのガストン・アルト選手が初優勝に貢献し、US$2,000の賞金が贈られました。 2位 (Talca チーム)はスペインからヘスス・カンテロ選手が。5位 (San Miguer チーム)にはアルゼンチンからアグスティーナ・岩佐選手も招待され参戦しました。

チリ卓球が低迷する中、試行錯誤で行われた賞金付き大会でしたが、価値ある大会として評価出来ます。   更に改善する為には様々な課題も見つかりました。 クラブチーム運営面では「選手確保と資金面の充実」。 大会運営を効果的にするには「広報活動と協賛を得る資金集めの活動」が不可欠です。 更に「チーム力の均等化」で選手強化の一環として、例えば1番女子S、2~3番男子S、4番混合W、5番が男子又は女子S等の方法も考えられます。    チームは男女で構成され「男子、女子選手それぞれの強化」と「ダブルス強化」にも繋がるからです。

以前アルゼンチンでもクラブ対抗の男女別大会が行われ、その時コメントしましたのを思い出しました。チーム内の選手構成は年令、実力が違う選手で構成されていました。 年令、実力に関係なく誰とでも対戦できる方式でした。 年令が低い選手がナショナルチーム代表選手と対戦する事も可能です。 中南米では年令別(11,13,15,18才)大会が大切で、そのカテゴリー内で勝つことだけを考えた練習しかしません。 周知の通り、国際的には年令が低くても一般の大会で勝てる選手を育て、結果的に大人に勝つ選手が出ています。

今大会と同じ時期、タイで行われたITTF世界プロツアー最終大会(2014 ITTF World Tour Grand Finals:ワールドツアー・グランドファイナル)では、日本の14才ダブルスペアーが史上初で女子ダブルスに優勝し優勝賞金US$40,000を獲得しました。

卓球連盟の計画一つで高い目標、高い技術の習得は十分可能性があります。  環境を整備し、指導方針を充実させ、目指す目標が高ければ(年齢にこだわらず高い指導を目指せば)、中南米でも「年令が低いから勝てない」と言った考えを改める事が出来ますが、、、。

 

クラブチーム

1993年から21年連続ベスト4(内9回優勝)の「サザンクロス」チーム

日本の卓球が大発展してきた背景には、我々の諸先輩が努力に努力を重ね築きあげられ、その礎に立って現在も卓球協会を中心に卓球に関わる全ての方々が協力し続けている賜物でしょう。

今回、何故日本の卓球界が発展し続けられるかを再確認する意味で、各種大会の歴史をみました。「日本の卓球の歴史」を物語る様々な大会の成績が「日本卓球ハンドブック」の “優勝記録”の項から(日本卓球協会ホームページで紹介から)確認出来ました。

数ある大会の中で昭和11年から現在も継続している最も権威のある大会「全日本選手権」は燦然と輝いています。 大会や成績は自分が関わった時代しか思い出せないですが、この歴史ある各種大会を振り返ると、色々な改善・改良をして「日本の卓球界」を盛り上げているのが理解できます。

最近の少年スポーツ団、小学、中学、高校、大学チーム、実業団、クラブチーム等々数多くのチーム・団体が世界を目指しチャンピオンコースで活動しています。 一方、クラブチームで健康を優先した家庭婦人や高齢者層の団体も数多く活躍しています。

この度日本に帰り自分のクラブチームの成績を聞いて驚きました。 卓球界の活動人口も高齢化が進み、高齢者の卓球愛好家が増え続けています。日本卓球界が嬉しい事に発展し続ける影には、この方達の活動も少なからず影響していると感じます。 何故なら「大会会場への応援、各種大会への参加、卓球用品の購入、子供たちの付き添い」等 です。

卓球協会では地域の学校・クラブチームへのねぎらいの賞として、例えば「頑張ったで賞」、「継続しているで賞」、「他のチームに刺激を与えているで賞」等 様々な賞を提供している事は素晴らしく、今後も是非続けて頂きたいものです。

健康診断一時帰国

JICA・ボランティア活動のシニア海外ボランティアは40才から69才が対象で、一次試験の応募時に健康診断書と会社での職歴並びに要請国の活動案件に対する経歴(卓球では指導歴、競技歴等の経歴)をセットで評価します。

JICAが国民の税金を使って要請国にシニア及びジュニア(39才以下)のボランティアを派遣するに当たっては、健康な身体と要請内容に適応する人材でなければなりません。1次、2次試験を合格し任地でボランティア活動を行いますが、同時に健康管理も重要な課題です。この健康診断一時帰国では、多くの検査項目をクリアーしなければなりません。

高齢者が多いシニアにとっては、ボランティア活動の派遣期間中に健康チェックを実施するJICAの仕組みは大変有り難いと感じています。長い間の生活習慣、違った国での食生活、ストレスや体調不良でボランティア活動が上手く出来なければ、ボランティア本人は勿論の事、派遣元のJICA更には要請国に迷惑が掛かる事から、日頃の健康管理がいかに大切かが思い知らされます。

今回も健康診断の合否判定が出るまでの間は心配でした。食事制限や健康管理の結果がどうであったかの判定が下されるわけです。幸いにも合格判定を受け再赴任しましたが、日本滞在中は日頃応援して頂いている関係者との交流で、またたく間に滞在期間が過ぎてしまいました。

残りの期間を健全な心身で活動できる判定を受け、今度は現地に対する満足度に邁進したいと思います。

”智久会”と”荻村さんの夢”

今年12月7日(日)20回目の”智久会” が東京のITS三鷹で開催されます。

故荻村伊智朗さんの”智”と、荻村さんの卓球人生を武蔵野卓球場から支えられた上原久枝さんの”久”を掛け合わせて命名された”智久会:ちきゅう会”ですが、今年の20回を区切りに終了するとの事です。
今回偶然にも健康診断で一時帰国している時に、主催者から最終回の話を聞くことができました。 参加できないのが非常に残念ですが、お二人を慕って集まる今までの智久会を思い出します。

既に、お二人の人生については、ご存知の書物「「ピンポンさん(和文)」と「OGI(英文)」で発行され、卓球に関わってきたご両人の人生が詳しく描かれた内容です。
特に、日本が誇る卓球選手・指導者(日本強化対策本部長・スエーデン他)そして国際卓球連盟会長(平和促進)として、全ての分野で頂点を極められた荻村伊智朗さんの生きざまとその活躍を陰で支えられ、現在もお元気な「おばさん」こと上原久枝さんのご苦労も描かれています。我々卓球人に取って誇り高い日本人であると同時に、日本の卓球の歴史として世界の卓球仲間にも伝えたい内容です。

何度か参加した”智久会”。JICAボランティア活動でアルゼンチンに出かける前の年、司会者から「荻村さんとの関係は?」と質問が向けられたことがありました。

最初の出会いは、当時年末に開催されていた全日本選手権終了後に発表される「御殿場合宿」の参加選手に選ばれ指導を受けた事。その後日本チームとして各国の国際大会で大会に臨んでいた時。サウジアラビアのコーチの依頼を受けた時。又、荻村さんがスエーデンを指導され中国を破って世界を制し、欧州のレベルアップを図りました。その世界チャンピオンのスエーデン選手や欧州トップクラスの選手が荻村さんを頼って日本に修行することが多い時代に沢山交流できた頃、ITS三鷹(青卓会クラブ)での練習の後選手全員がおばさんに連れられ懇親会での交流があった等 数有る思い出話をしたことがありました。

今回の智久会(最終回)と、荻村伊智朗没後20年記念イベント「荻村さんの夢」展が12月4日~7日開催されます。 ブログを通して下記に応援メッセ-ジとして紹介します。 是非この機会に荻村さんの業績に触れてみてはいかがでしょうか。
◇◇荻村伊智朗没後20年記念イベント「荻村さんの夢」展◇◇

期  日  : 12月4日(木)~12月7日(日)
会  場  : ITS三鷹 2F Do ステージ
入場料   : 無 料(昼食会、智久会は有料)

15:00   開幕 小岩井孝さん(*1)「わが友 荻村伊智朗」
15:30~16:00 映画上映「日本の卓球」(*2)
17:00~17:45 「知ってるつもり」(1995年7月放映・日本テレビ)
18:00~19:00 トーク 波岡 實さん(コモンズ会長)(*3)
「世界の卓球のイメージを変えた荻村さん」

10:30~11:00 遊澤亮vsWade Townsend エキシビションゲーム
12:00~13:00 昼食会(参加費2000円 20名)

13:00~13:45「1971年世界卓球選手権名古屋大会」〈記録映画〉上映
14:00~15:00 トーク木村興治さん(日本卓球協会副会長)(*4)          「荻村さんの魅力」

15:00~15:30 遊澤亮vsKane Townsend(*5)エキシビションゲーム16:00~20:00 智久会(*9)(参加費3000円出席希望は予約必須)         — トーク —
17:00「ピンポンさん」城島充さん(*6)
18:00「荻村伊智朗さんのアート」浅葉克己さん(*7)
19:00「おばさん」斎藤智明さん(*8)
20:00「青春・卓球・武蔵野卓球場」上原久枝さん

*1 小岩井孝さん 荻村さんの日大芸術学部の先輩
*2 「日本の卓球」(日大芸術学部制作)荻村さんが監修
イタリア映画祭銀賞受賞作品
*3 波岡實さん 卓球の新しいイメージを作った
「日本卓球活性化プロジェクト」座長
*4 木村興治さん 選手,コーチ,日卓協,ITTFを荻村さんと共に歩んだ     無二の球友
*5 Townsend Wade、Kaneともに2014年世界東京大会               オーストラリア代表

*6 城島充さん 「ピンポンさん」(講談社・角川文庫)著者
*7 浅葉克己さん アートディレクター 桑沢学園10代目所長 卓球6段
*8 斎藤智明さん 青卓会 会長
*9 智久会  1995年から荻村さんの命日に近い毎年12月第一週目の日曜日に開催している武蔵野卓球場の仲間たちを中心とした会食会。

◇◇◇ 智久会 ◇◇◇
日 時:平成26年12月7日(日) 16:00~20:00展示会場
会 場:アイテーエス三鷹2F Do ステージ「荻村さんの夢」
三鷹市上連雀2-4-3 コートインターナショナル
TEL:0422-49-8629 FAX:0422-47-9432
参加費:3,000円(学生2,000円・中学生以下1,000円・未就学児無料)
16:00~20:00の間に自由にお越し下さい。

出欠は以下の方法でご連絡ください:
FAX: 0422-47-9432(ITS)または
E-mail: 織部 (oribe@its-mitaka.co.jp) 携帯:織部(090 3777 5105)
E-mail: 榎並(ete@yj9.so-net.ne.jp) 携帯:榎並(090 6959 8233)

卓球教室

チリに来て丁度1年が経過し、10月10日初めてチリ日本人学校で「卓球教室」を行いました。日本人学校に行って毎回思うことは生徒達のマナーが良い事です。 勿論、先生方の指導も素晴らしいのですが、その教えをしっかり守れることに感銘を受けます。
 
中南米で同じ年頃の子供達を指導しているとつい日本の子供達と比較してしまいます。 国が違えば言葉も考え方もましてや教育そのものが違うし、歴史的背景や習慣も大きく違うので簡単に比較することの方が間違っているかもしれません。

一方、日本に指導要請の多い「柔道・剣道・空手 等の武道で礼儀作法を学ぶ」ことが主になりがちですが、日本の伝統的スポーツ「卓球」、「紳士のスポーツ卓球」でも、この日本の素晴らしい「礼儀とマナー」を伝える事が出来ます。日本人として当然の活動と思い地道に行っています。

思い起こせば数人の生徒しか居なかったナイジェリアの首都ラゴス日本人学校、50人以上いただろうか?アラブ首長国連邦のデュバイ日本人学校、それに中南米のパナマ、アルゼンチン、コスタリカ日本人学校等では20~30人前後の生徒達との交流も有りました。初めてラケットを握る子供達に短い時間で「卓球」を伝えるのは非常に難しい事ですが、生徒達とボールを打ち合える幸せを味わえる最高のひと時です。

今回も日本から遠く離れた外地で、日本の子供達と過ごし「日本人のとしてのマナーの素晴らしさ」に触れ、心の底から気持ち良い一日となりました。

チリのゴールデンウィーク

歴史的に困難な時代をつい最近まで経験した国民だけに、9月18日(木)独立記念日、9月19日(金)陸軍記念日のナショナルデーには国を挙げて一大行事を盛り上げました。
ナショナルデーの独立記念日、陸軍記念日には、チリ国旗をマンション等の集合住宅に1ヶ所、一戸建ての家にもそれぞれ国旗を掲げる法律が有り、掲揚しないと罰金を取られます。 メインの大通りにも20~30m間隔で国旗を掲揚し、この期間至る所に国旗が掲げられます。 国を挙げて自国を思いやる国旗掲揚の指導に、見事なまでに対応出来ることに日本との違いをみました。

海外にいると日本の国旗や国歌の重みを痛感します。特にオリンピックや大きな国際大会だと上位入賞の国旗が掲げられ、国家が流れると身震いするほど感動します。国を愛する気持ちと日本人としての誇りがそうさせるのでしょうね!

ところでこの独立記念日・陸軍記念日に土曜・日曜が重なり、更に休日前後を使って長い休暇を取る人が多くいました。ナショナルデーにはモールやスーパーマーケットが完全に閉まることから、連休に入る数日前からフェリア(青空市場)やスーパー等がごった返します。

ナショナルデーに入ると大きな公園でフォンダ(FONDA)と呼ばれるお祭りが開催されます。日本の夜店に似た色々な屋台が出ます。子供むけのコーナーも多く、どの屋台も焼き鳥風の牛肉・豚肉を大きく切った串ざしの食べ物と、そして“テレモト(地震)”と呼ばれるアルコール度数の強いお酒が売られます。更に度数の強い“津波(マレモト)”もありますが、この名称には驚きました。

初めて経験する行事を自宅と近場の公園で行われたFondaを地元の人に交じって楽しみました。又、この時、踊っていたリズムは「クエカ」と呼ばれ、伝統的な民族舞踊でした(日本の盆踊りの様なものです?)。

国旗掲揚

フェリア(青空市場)

民族舞踊「クエカ」

プロツアー・アルゼンチンオープン2014

ITTFが運営するメインの国際大会は、オリンピックと世界選手権です。 数年前 “ITTFの冠” を付けた「ラテンアメリカ選手権」も開発プログラムに含まれました。 卓球後進国(南北アメリカ、アフリカ、オセアニア地域)のプログラムには、プロツアーとジュニア・サーキットも世界展開され、ジュニア・サーキットでは中南米の殆どの国が運営出来る様に成り大会も定着してきました。

一方、中南米でのプロツアー開催が難しい中、今回初めてアルゼンチンで開催されました。 目的は「世界トップクラスの参加を推奨」「技術レベル向上」「賞金付大会」「世界ランキングポイント獲得」等です。 又、運営側に対し「大会運営レベルの向上」を指導します。 プロツアーを開催するには、賞金、宿泊・食事、会場施設では床のゴムシート使用、試合の世界同時配信、交通、参加数、観客動員 等 様々な条件をクリアーする必要があります。

今回のアルゼンチン開催は、卓球連盟の運営力並びに環境整備以外に選手の競技力向上の実績(ブラジルと肩を並べるレベル)が認められたことも大きな要因です。大会を盛り上げた背景には、初めて中南米の大会に中国選手団が参加したことが挙げられます。17才以下の選手8名(男女各4名)、コーチ2名、通訳1名、総務1名の総勢12名の参加です。日本からは自主参加でしたが男子は㈱シチズンチームから2名、女子はミキハウスチームから3名でした。 日本からの参加も意義深く価値ある大会になり、会長始め仲間だったナショナルコーチ達からも感謝の言葉を頂きました。

大会前日チリから到着したその足で会場に向かいました。そこで知ったのですがシチズンの後輩が海外の大会に初参戦していて、練習会場で声を掛けられたのにはびっくりしました。試合結果は全種目中国選手が優勝しました。日本勢では後輩の森田選手とミキハウスの酒井選手、それに21才以下で松本選手が3位でした。

遠い日本から中南米の大会に参加してくれることは、現地の人達にとって世界の標準とはどのようなモノなのかを肌で感じて貰える非常に良い機会でした。中南米には卓球の青年ボランティア(39才迄)も大勢活動していますが、現地の活動の中で伝えにくい日本の文化、礼儀、日本人の発想の原点を知って貰うにもいい機会でした。

日本選手達には駆け足でも良いからブエノス・アイレスの観光名所を案内したかったのですが、時間がなかったことに加え、既に次の転戦地ブラジル・サントスへの準備に心が傾いていました。これを機会に日本からの参戦を心待ちしています。

因みに、2018年第3回ユースオリンピックはアルゼンチンで開催されます。第1回2012年8月シンガポール大会、第2回2014年8月南京大会共にラテンアメリカから代表権3名のうち、アルゼンチン選手も参加しました。

シチズン選手と日本で訓練を受けたアルゼンチン・アグスティーナ選手

インターネット

世にPC(Personal Computer)が出回りインターネットでの情報入手が早くなりました。物凄い勢いで発展し続ける中、高齢の僕にはついていくのが大変です。
この変化の早さとは別ですが、情報発信の道具としてブログを作成するのもやっとの思いで「月2回のペース」をいつまで守り続けることができるか?時間の問題と考えてしまうほどです。 そんな中ブログ作成も情報発信し続けると役に立つことがありました。

チリに引っ越す駐在員家族の中に、卓球がやりたくてうずうずする子供がいました。 PCで情報を検索し僕のブログを見つけ、卓球王国の関係者に僕とのコンタクトを依頼し「チリで卓球できる場所があるか?」の確認でした。
その子供と今月会う事ができ僕の指導時間帯に参加することを了解しました。練習場が確保でき地元サンティアゴの大会にも参加し、しばらく練習していなかったとのことでしたが15才以下のカテゴリーで3位入賞しました。
思いがけないブログの出会いから好きな卓球ができる事になり、これはインターネット情報の成果でした。

アルゼンチン指導時代からの指導方法の一つとしてインターネット・現地卓球連盟ホームページを活用しています。
巡回指導や国際大会での課題、反省点等 “スペイン語に翻訳した報告書”を全国の卓球関係者(選手、指導者)に発信することです。
直接指導できない人達、または既に指導した関係者にも「卓球」は奥が深く、間違った指導をしない様に(勝つ事も必要だが、技術だけが全てでないことの伝達)文章で正しく伝えながら、そして大好きな卓球を汚さないために神経を使って情報発信します。
紳士のスポーツ「卓球」に携わっている指導者・選手には、耳にタコが出来るほど“他のスポーツの模範となること、選手として人間性(品格、マナーが守れるスポーツマン)の向上、技術面、体力面、そして知識面での努力が必要”と情報発信します。
幸いチリ卓球連盟のホームページにも、僕の特別コーナーを設け情報発信しています。

http://www.fechiteme.cl/

インターネットの活用でアルゼンチン時代に発信した資料(日本語・スペイン語併記)について、アルゼンチンの後コスタリカでの指導時に、現地友人達からスペイン語版での本の製作を勧められ「チャンピオンへの道(副題:良い事は良い、悪い事は悪い)」が出来ました。

日進月歩改良されるPCの世界だが、今後もインターネットを有効に活用したいと思います。

チクラヨ(ペルー)大会

ペルーの首都リマから北に飛行機で1時間のチクラヨ(Chiclayo)で11才・13才の南米大会がありました。 低年齢のチームに同行した初めての大会でした。  日頃、あまり関わりない子供たちとのチーム編成だったが、帯同する親やクラブのコーチとの情報交換を中心に、大会期間中の子守役をお願いしながら病気や怪我もなく無事サンティアゴに戻りました。

“地球の歩き方”に依れば、このチクラヨ市は人口50万人の都市で、ペルー国内で消費される砂糖と米は殆どここから産出されているとのことです。  確かにホテルから会場までの30分の道のりはのんびりしたものでした。 町から少し離れると大々的に新しい道路拡張工事が行われ、まともに走行できない段差のある道路を数ヶ所横切りながらの移動です。

この町へ急に観光客が訪れるきっかけになったの、「1987年シバン王墳墓から無数の黄金が現れエジプトのツタンカーメン以来の大発見といわれるほどの金が見つかった」時からで、観光客への対応としての道路工事でした。

いつもの様に、大会が終わると即刻帰国の途に就きますが、今回は飛行機の便の都合で、遺跡見学する事が出来ました。
どこの国に行っても名所旧跡等見学するチャンスがない中で、今回は空き時間を有効に使い、ピラミッドの多い史跡見学では疲れましたが、子供たちと共に有意義で楽しい時間を過ごす事が出来ました。