私なりの試合に対する心構え

(今回は長文注意です)

 

ペルー人の旦那レンソがラテンアメリカ大会マスターズの部に出場してきました。

会場はチリの首都サンティアゴ。私はペルーでお留守番です。

各国から集まった218名の参加者の内、チリ人参加者は150名。他ラテンアメリカ国からの参加者は68名。実に、4分の3がチリ人(泣)!

チリは物価が高く、大会参加費もいつもの2倍を徴収。「こんなにお金がかかるなら出ない」と参加を断念する人も多かったそうです。

旦那のレンソは各国に友達が沢山おり、マスターズ大会には友達に会うためにほぼ毎年参加しています。

団体戦、ダブルス、ミックスダブルス、個人戦があります。

レンソはペルー人の友達と団体戦とダブルスに出場する予定でしたが、大会の一週間前に友達が仕事の都合でまさかのドタキャン。

しばらく途方に暮れていた旦那でしたが、それでも現地でダブルスパートナーとなってくれるチリ人の友達を見つけ男子ダブルスに出場。

0‐3で負けた相手が優勝し、ミックスダブルスでも2-3で敗れた相手が優勝したそうです。

2年前の同じ大会でレンソは見事優勝しており、「今回も頑張ってね!」と励ますと

「チリ人のレベルが高すぎる……もしかしたら予選リーグで負けて、決勝トーナメントまで進めないかもしれないし……足首も何だかすごく痛むし……あんまりやる気が起きない……イズミに会いたい……もう、ペルーに帰りたい……」と泣きごとを言うので電話越しに

「何だとコノヤロウ、テメー! 甘ったれた事言ってんじゃねぇーよ! せっかくチリにまで行って、高い交通費と高い参加費と高いホテル代まで払ってるんだから、ごちゃごちゃ言ってないで試合に向けてアップでもしてろってんだよえエェ~?」

と暴言を吐かずにグッと堪えました。

何故ならそんな事を言った瞬間に拗ねるか、もっと駄々をこねるか、怒るか、いかに私の聞き訳が悪いかを説くか、もしくは言い訳を並べていかに自分が不憫な状況かを説明するに決まっているんですもの。

「心配しないで。やるだけの事をやればいいんだからね。一生懸命試合して、100パーセントの力を出して、それで負けたらしょうがないじゃない。あんまり気負わずにさ、久しぶりに各国の友達に会えて嬉しいでしょ? もう、それだけで良いじゃん」と励ますと、

「うん、わかった。それじゃあ、今からユニフォームに着替えてくるね。バイバイ」と言われ、電話が切れました。

私はすぐにレンソにメールを送りました。

 

1、試合に集中する事

2、ミスをしない事

3、「自分は出来る」と思うこと

4、試合中に自分がどうやって点数を取っているのか、どうやって点数を失っているのかを理解する事

5、自信を持って!

6、愛しているわ

 

以上が私なりの試合に対する心構えです。 ※6 を除く

ちまたでは水谷準選手や張本智和選手、平野早矢香選手、近藤欽司監督の本やDVDなどが発売されていますので、ちゃんとされた方はそちらをご参考になさって下さい。

今から紹介する「私なりの試合に対する心構え」を真似されたブログ読者の方から「オメーのやつ真似してから全然勝てなくなったんだけど、どうしてくれんの? 責任とってくれる? 損害賠償金請求するよ?」と言われるのが怖い(泣)。私、怖いの。

 

1、試合に集中する事

もうね、当たり前の事なんですけど、意外と出来ていない人が多い。試合を何だと思ってるんでしょうか? 集中力が切れた瞬間、「すでに負けた」ようなもんなんです。だって、試合は殺し合いみたいなもんですからね、大げさに言ったら。

生きるか、死ぬか。殺(や)るか殺(や)られるか。でしょ?

例えば武士ですよ。集中力のある武士と、集中力のない武士が戦ったら、どちらが勝つと思います?

「やっべー、今日、俺が大好きな加奈ちゃんが見に来てくれてるじゃん! 良い所見せてやっぞ~!」なんて言っている隙に刀でズバッですよ。

他に例えるとしたら氷河時代のヒトとサーベルタイガーの戦いでしょうか。

「なんか今日も寒いなぁ。手足も動かしづらいし、昨日あんまり眠れなくて寝不足だし。こういう日って何にもヤル気起きないんだよね~」とか言っていると、サーベルタイガーと出くわします。

「ヤッベッ! ちょっと待ってよ! サーベルさん……もう、分かったよ! 戦うよ! 戦いますよ! でもちょっと待って、ちゃんとウォーミングアップしてなかったから身体がまだ温まってないんだよね。っていうか、今日は何だかお腹(もしくは頭)が痛いから無理。今日は集中出来ない日っ!」

などと言い訳を言う前にバクッですよ。もしくはガッ!

または遠い未来、宇宙戦争で異星人との戦いのシーン。

「やっべー、今戦っているアウタカパイム星人に勝ったら、次の対戦相手はナゲマスオイオッツ星人とじゃん! あいつの連続チョップ、すげーんだよな~」とか言っている間にアウタカパイム星人にショッって一瞬で溶かされますよ。

いかに集中力が大事か、皆さんお分かりいただけましたでしょうか? 試合中に必要な集中力は、もやは「生きるか、死ぬか」のレベルなんです(泣)。

 

2、ミスをしない事

これも本当に当たり前なんですけど、ミスしたら点数が相手に入ります。ルール上。今のところ。だから、ミスはしたらダメなんです(泣)。それなのに、どうして無理に強く打ってミスして、そしてまた無理に強く打ってミスするの?

時に無理は必要だよ? 強く打つのも別に構わないよ?

でもね、ミスするのはダメだよ。

「じゃあ全てのボールを強打せずにフワフワと相手コートに返せば良いの?」と言い返してくるひねくれた選手や誰かの旦那(ペルー人)もいますが、相手コートにフワフワ返してたら強打されて失点するのは分ってるんでしょ? そんなのダメに決まってんじゃん。

いや別に、フワフワで相手がミスしてくれれば良いんですけどね。

自分が打つボールのスピードの強弱やコート配分、回転の変化の駆け引きが必要。そして、ここで言う「駆け引き」と言うのは「自分がミスしないで打てて、さらに相手はそれに対してミスしてくれるかどうか?」という、さじ加減です。

 

3、「自分は出来る」と思うこと

「作戦を立てる事が出来て、それを実行できる技術があり、自分はそれが出来ると信じる」こと。

コートに立ったらねぇ、「出来るか、出来ないか」じゃないんですよ。「やるか、やらないか」なんですよ。いや、「やるしかない」んですよ。

「でも、私はこの技術は練習した事無いし、出来ません。やれません」と試合中に言ったらコーチもしばらく黙ってしまって「……うむ……出来ないのであればしょうがないな。だがな、だったら出来る範囲で勝つために何かやれ!」とゲンコツの一つでも喰らうに違いない。

緊張のあまり、大事なところで精神的に逃げてしまうタイプの方にも「自分は出来る」と思って頂きたい。

例えば、「この場面ではストレートに速いサービスを出して相手の意表をつくことが出来るけれどもサーブミスしても怖いし、ここは慎重に短い下回転サービスでも出しておこう」と精神的に逃げたとしても、そういう時はサービスも甘くなり、相手からレシーブスマッシュを喰らうんです。大体そうなんです(泣)。

「今はこの作戦と技術が必要だ」と判断したら自分は出来ると信じて実行してほしい。もしそこで一点を失ったとしても「逃げたくなる場面でも、私、出来たよ!」という自信にもつながり、その一点で負けたとしても「やる事はやって負けたからしょうがない」とすっきりした顔で相手と握手が出来るに違いない。

 

4、試合中に自分がどうやって点数を取っているのか、どうやって点数を失っているのかを理解する事

例えば「この人に勝つためにはフォア側を狙おう。たまにミスもするし、バックの技術は上手いからなぁ。

相手のサービスはなるべくツッツキで返さないようにしなきゃ。もしミスせずにツッツキでレシーブ出来たとしても、確実に3球目攻撃されて、それに対して私はミスばかりしているからね。

自分のサービスの時は短い下回転と長い下回転を織り交ぜ、たまにアップ系の横回転サービスを出し、3球目はストレートに回転をかけるかクロスにスピードスマッシュを打ってから5球目はフォア側に集める作戦にしよう」

私がこのような作戦を持っていても、相手も黙ってはいません。

相手の考えはこうです。「やつのバック側にネチネチと回転の多いドライブを粘って打ってやろう。フォアに打つとたまにカウンターされてこちらがミスするからね。もしチャンスがあればスピードドライブで両サイドに鋭く打つ。バック側へ粘り過ぎたら相手が回り込んできてフォアのカウンターを喰らうからね。

レシーブをツッツキで返さないようにしているのはお見通しなんだよ。ハーフロングギリギリの低いブチ切れの下回転サービスと、たまにナックル系のサービスを出してやる」と言ったように、台を挟んでこのような「作戦」が繰り広げられます。

「心理戦」もしかりです。高いレベルになるとこの「心理戦」が面白いんですよね。だから卓球っていうスポーツは面白いんですよ。 (←知ったような風)

「ここでは相手は思いきり打っては来るまい」と思っていたら、思いっきりガンガン打って来られた時の衝撃とか、相手は派手に攻撃してこないけれど、一点一点確実に点数を取られてしまう「こちらの焦り」と、あちらの「信念」が見受けられた時の恐怖

「この場面では絶対に安定したプレーをしなければならないから変化を付けたブロックで粘り、絶対にミスをしないようにしよう。浮いてきたボールはこちらがチャンスだと思って打ってミスしたのが2回もあったから、次にチャンスボールが来ても強めに打たずに逆コースを突いてやる。絶っ対に落ち着け」とか。

「相手はそろそろ長いアップ系のサービスをバック側に出してくる頃だな。よし、準備しておこう」と準備しているのになかなか出してこないので油断したらまさにその時に出されて「チクショー!」と自分に腹を立てそうになるのを冷静な自分がなだめ

「カッカしたら余計にダメでしょ? ここは落ち着いて。相手には『このサービスは実は待っていたんだよ』とちゃんとアピールして、相手に『おっ、さすがに奴はそろそろこのサービスを警戒している様子なので出すのを控えよう』と誘導しよう。これも心理作戦だ!」とか。

……書いていて何だか良く分からなくなってしまいましたが、つまり、そういう事です(泣)。

 

5、自信を持って!

つまり、腹をくくれということですよ。言い訳を探さない。

もう、コートに立ってるんだからさ、戦うしかないじゃん?

試合で負けたって、死にはしないんだし。あれだけ一生懸命に練習してきたんでしょ?

え? ちゃんと練習してこなかったですって? そりゃ自信無いに決まってるわ! そんなんで自信持たれても困りますわ(←急に関西弁)! 今すぐこの神聖なコートから出て行け!

この「腹をくくる」感じが「勝つ人のオーラ」なんだと思います。そしてそれが「絶対的な自信」に見えるんです。

 

あなたは何らかの決勝戦で「腹をくくらずに、負けたようなオーラを放ちながら、絶対的な自信が無い選手」が勝つシーンを、今までに見た事がありますか?

どのスポーツでも構いませんぞ。

……そうですか。そうですよね。無いですよね。しかし、私はあります。

1984年(私が生まれた年!)の映画「カラテ・キッド」もしくは「ベスト・キッド」のダニエルさんが空手の決勝戦でオドオドし、プルプルと震えながら戦って優勝したシーンはどうしても納得がいかないんです。

ねぇダニエルさん、あんた優勝するんだからさ、オドオドせずにもっと自信を持って戦ってくれません? ミスター・ミヤギも、ちゃんとそういうところまで指導をして欲しいんですけど。あなたの教え子、ずっとプルプル震えながら試合してるんですけど。良いの? 見ていて見苦しくありません?

これに共感出来る方、是非コメント下さい。

 

夜、レンソから電話がかかってきました。

「予選リーグ、二位で通過したよ! ただ、負けた相手に、本当は負けないはずだったんだよね……。本当は勝てたんだけどさ、昨夜チリ人の友達たちと2時位までビール飲んじゃったから、絶対にそれで負けちゃったんだよ……

なんでビール飲んじゃったんだろう?

……ところで明日は夕方の5時から試合だから時間もかなりあるし、今から(夜の10時)また友達とビール飲みに行っても良い?」

「は? ダメに決まってんじゃん」

 

決勝トーナメント当日、レンソから電話がかかってきました。

しばらく話していましたが、なんだかハキハキした感じだったので「もしかして……、トーナメント一回戦、勝ったの?」と聞いたら「いや、負けたよ。負けたけど、良い試合だった。もっと簡単に負けるかと思ったけど、1-3で負けたよ。9-11とかだった。相手も少しビビってたみたいだし。今年はこれで終わりっ!」

嗚呼、良かった。旦那レンソは一生懸命に闘ったんだ。前日にビールも飲まなかったし、「やる事をやって負けたんだからしょうがない」とすっきりした顔で相手と握手したに違いない。

海外での防犯方法

日本のニュース(NHK)で「中米で二人の女性が襲われ、一人が死亡、もう一人も重傷を負った」と知りました。「中米の何処の国だろう?」

まさかのグアテマラでした。私が4年間住んでいた国。今でもJICAボランティアの方が活動されています。

被害に遭われた「エホバの証人」の普及活動をされていた二人の女性は本当にお気の毒で、心からお悔やみ申し上げます。

 

私がグアテマラで活動していた当時、「エホバの証人」に出会ったことがありました。二人組の女性でした。

「この国には貧しい家庭が沢山ある。藁で作ったような家に住み、今日食べる物も無い。兄弟も多く、生まれてきた赤ちゃんが亡くなってしまうのも私たちは目にしてきた。

この地域の貧しい人たちのお手伝いをしているんです。神様の教えを伝えながら。あなたもこの聖書、読んでみてください。スペイン語版しかないけど……」 (←地味に勧誘してくる)

旅費や生活費はどうしているのか聞くと「日本でアルバイトをしてお金を溜めて、旅費とこっちでの生活費に充てています。それを繰り返しています」と教えてくれました。

「それを繰り返しています」って。……なんか、もう、凄いですよね。自分で稼いだお金を、全て人の為に使っているんですよ。 そして、信じる宗教の普及の為に。あれ? あなたはもしや、マザー・テレサですか?

彼女らはとてもパワフルで明るく「なんか、すげぇなこの人達……」と圧巻されたのを覚えています。

そんな彼女らのシスターがグアテマラで殺害、襲われたと知って本当にショックを受け、悲しくなりました。っていうか、何でそんな人たちが襲われなきゃいけないの? 犯人、地獄行き決定。

 

ペルーのニュースで二人組の男が強盗をする瞬間の防犯カメラの映像が放送されました。

防犯カメラって、「犯罪」を「防ぐ」と書いて「防犯」なんですよね?

なのにどうして「まさに今犯罪中」の出来事をボケーっと映しているの? 防いでみなさいよ、あなた「防犯カメラ」なんでしょ?

防犯カメラに映っていたのは、黒い服を着た二人組の男。

一人が胸に十字架を書いて神様に祈る仕草をした後、そこに通りかかった一般人に襲い掛かりました。あれ? ちょっと待って?

今、胸に十字架を書きましたよね? 教会で信者がよくやる「アーメン」っていう仕草。

あなた、強盗でしょ? 人から物を盗む前に、「おお神よ、無事に強盗が成功いたしますように……アーメン」って祈ったの? で、神様は何て言った?

「迷える子羊よ、お主の願いを叶えてやろう」とでも言いました? 絶対に言いませんよね?

それとも「おお神よ。今から私は強盗を図りますが、わたしたちに負債のある者をゆるしましたように、わたしたちの負債をもおゆるしください」とでも祈ったのでしょうか? それって、神様許してくれるの?

 

JICAボランティアの2ヶ月間の研修中、「安全対策」という授業がありました。「発展途上国は犯罪、交通事故や自然災害等も多いです。被害を受けないよう、しっかりと学んでください」

授業が終わると講師の先生から「パプアニューギニアとグアテマラへ行かれる隊員の皆さんはこちらに来て下さい」とマイクで呼ばれました。

「この二国は年間殺人人口が世界で1位と2位なんです(当時)。あなた達には特別に個別アドバイスしますね」と直々ご指導受けました。

 

「良い服装を身に付けないこと。わざとみすぼらしい格好をする。靴もサンダルとかがベスト。カバンもスーパーで貰えるビニール袋を使うこと。変な人がいたら逃げる。もし強盗に遭ったら絶対に抵抗しない事。殺されるからね

 

チビリ上がった私は先生の教えを「家訓」のように徹底しました。グアテマラでの生活は常にサンダル、ビニール袋をぶら下げて、時にはノースリーブで町を闊歩し、金目の物は持ち歩かない。

この国では絶対に目立ってはいけないんです。「こいつを襲ってもメリットなんて一つもねーよ」と思わせる事が肝心。

「こいつ……、空手出来そうだな」と思わせてもイケない。なぜなら相手を身構えさせてしまうから。ていうか、空手なんて出来ませんし。組手を組まれたら一瞬で気絶する自信がありますよ。

一番良いのは人畜無害。他に何の影響も及ぼさないような、平凡で取り柄のない人になること。

そうは言ってもここは中米グアテマラの小さな町。アジア人女性がノースリーブで町をウロウロするだけで目立ってしまいます。

「ニーハオ!」「アニョハセヨ!」「カラテ!」という言葉を投げかけられ、いつも「カラテ!」だけにニコリと笑って反応するので「コイツは空手家かな? 空手家の子かな?」と思わせてしまったかもしれません。そしてこのムキムキな二の腕。

町の人はこのアジア人をまさか卓球のコーチだとは夢にも思わなかったはず。

当時のJICA調整員のお兄さんにも言われました。「西田さんすごく太った時期があったやんか? その時に西田さんノースリーブ着とったから目の行き場所に困ったわ(笑)」

 

どうして目立っちゃうかな。目立っちゃダメなのにな……(泣)

 

 

しかし生物学上、そして戸籍上は一応「女」です。男性が変な気を起こさないように日々厳重に注意をしなくても全然大丈夫な顔立ちと身体つきですが、世の中には「変なのが好き」という変わり者が存在するらしく、グアテマラ在住中何度かそんな事も起きかけました。

しかし、ここは二の腕の西田泉。もし突然男性に押し倒されても「この二の腕が黙っちゃいないゼ!」と言うかと思いきやこの二の腕、全て見せかけですから(泣)。全然役に立ちませんから(泣)。

幸い、何事もなく今もこの通り無事に生きています。良かった。本当に良かった。男性の皆さんが変な気を起こさない顔立ちで。身体つきもグラマーでなくて。

お父さん、お母さん、お陰で私は無事です。

もちろんサンダル、ビニール袋、ノースリーブ姿も一役買っていたと確信しています。

 

皆さま、外国は本当に危険なところです。悪い人も沢山います。もし海外旅行などへ出掛ける際にはサンダル、ビニール袋、ノースリーブは必需品となりますので、くれぐれもお忘れのないよう。

教え子のカップケーキ

コーチを辞めてしばらくしたある日曜日。教え子だったお母さんから突然電話がかかって来ました。

「ゴホッ……もじもじ、イズミコーチでずが? ゴホッ。〇〇の母でず。突然でずが、ゴホッ、今がらお宅に伺ってもよろじいでずが? ゴホンッ!」

お母さん、風邪でしょう? 大丈夫ですか? すっごい鼻声ですけど。

家に来ても良いですけど、その風邪、うつさないで下さいね?

 

ザ・風邪引きのお母さんと教え子の女の子14歳、そのお父さんまでが家に来ました。

あのー、お母さん。家で寝ていた方が良いと思うんですけど。目とか鼻とか真っ赤ですよ?

「ゴホッ、イズミコーチ、元気でしたか? コーチを辞めたと伺いましたので……ゴホゴホ」

「えぇ、まぁ、この通り生きてますよ。わざわざ様子を見に来て下さりありがとうございます」

「いえいえ、こちらこそ、ゴホ、うちの娘がコーチには大変お世話になりまして、今日はそのお礼に参りました。ゴホ、ほらっ、むすめっ」

「あっ……イズミコーチ……今まで色々教えて下さりありがとうございました」

教え子が私のために焼いたというカップケーキを渡してきました。

私がコーチを辞めてからの練習状況や、心配事、これからの事など色々と1時間ほど話しをしていると、こんな話になりました。

「彼女の頭がとても良い」ということ。噂では聞いていました。

去年の成績は学級1番。今年はパンアメリカ大会18歳の部や南米大会15歳の部で学校を何週間も休んだのに、2番か3番をキープしているという。

お父さんもお母さんも「私たちは普通なのに、この子は一体、誰に似たんでしょう? こんなに頭が良くて……」と、何故か心配気味でした。

あのー、自慢じゃないですけどね、私が14歳の頃なんて「どうしてアンタは……アンタって子は……。一体誰に似たんでしょう? それとも、私たちの育て方が悪かったのかしら?」と心配された事なんて数えきれないほどありましたよ。っていうかですよ? 娘3人もいりゃあ、一人くらい欠陥があってもおかしくないでしょう? 長女は何事も初めてだから両親も慎重になりますわな。私が一番かわいかったであろう3歳の時に生まれた末っ子。親は年を取るとなんでもかわいく見えるのでしょうか? 小さいくせに要領も良いので、なんでも「かわいい、かわいい」と育てられ、「お姉ちゃんたちのお下がりなんか古臭くて着たくない! なんか汚いし、破れてるし。だから、新しいの買って!」というわがままでさえかわいいと思わせる小悪魔ぶり。服を汚したり破いたのはおそらく次女である私の仕業なのでしょうが、子供の服っていうのは汚したり、破けたりするもんじゃないの?

それにしても、教え子の頭の良さ……本当かなぁ? (←教え子を疑ってみる)

っていうか、そんな事って、許されるの?

成績優秀。卓球も弱くない。顔もなかなか可愛い。弟想いで優しいお姉ちゃん。控えめな性格でおしとやか。礼儀正しい。時間がある時は英語の小説を読んでいます。

欠点なんて無いんじゃないのかしら? 探してみましたら、「ラケットのグリップが異様に臭い」くらいしか見つかりませんでした。

この子、14歳のくせにもう大学の事を考えていて、ペルーの国立大学(日本でいう東京大学)に入学したいのだという。もしくはアメリカのハーバード大学。

夢は「宇宙飛行士もしくはその関係性のある仕事」だそうです。スケールが……デカすぎる(泣)。

そんな女の子に私は今まで何だか偉そうに卓球の指導をしていたけれど、……罰は当たらないよね?

「それでは、イズミコーチ、御身体に気を付けて」

「○○ちゃん、これからも卓球頑張ってね! あと、勉強の方も」

「さようなら、さようなら~」

 

バタン (←ドアが閉まる音)

 

「レンソ~、レンソ~、お菓子貰ったよ~」

「わーい」

寝室でテレビを観ていたレンソが飛んで出てきました。

「美味しそうだねぇ~」

早速カップケーキを一人2個づつたいらげました。

ほんのりとトウモロコシの甘い味がする。とっても美味しいな。嬉しいな。優しい味がするよ。これを食べた事で、あの子の頭の良さ、少しはあやかれるかな?

翌日、レンソが起きる前に、残りのカップケーキを一人で全てたいらげました。

無心になってモシャモシャ、モシャモシャ……

 

ハッと我に返った瞬間、びっくり仰天!

 

あれっ? ここにあったカップケーキが無い!

 

一体、誰が食べたんだろう? ヒドイ! 私が味わって食べようと楽しみにしていたのにー!

……あれっ? このカップケーキを食べたのは私かな? 口の周りにケーキのくずが付いているよ?

2018 ITTF ワールドカデットチャレンジ in 鳥取

鳥取県の皆さん、盛り上がってますか~?

現在、鳥取県はコカ・コーラボトラーズジャパンスポーツパーク県民体育館(鳥取県民体育館)で2018 ITTF ワールドカデットチャレンジが行なわれていますね。

期間は2018年10月23日(火)~2018年10月31日(水)

ラテンアメリカ代表、ペルー人の選手「カルロス・フェルナンデス君」14歳も参加していますよ。左のシェークです。

愛称で「ナノ」君と呼ばれており、ペルーではもちろんのこと、中南米でも大スターです。

南米大会(エクアドル~ブラジル)、中南米大会(メキシコ~ブラジル)では各年代でほぼ優勝。シングルスはもちろん、団体戦、ダブルス、ミックスダブルスでもほぼ優勝をかっさらっています。

天才的なボール捌き、勝者が持っている勝負強さと集中力、スター性を感じさせるキャラクター。

そんなナノ君が日本は鳥取県で2018 ITTF ワールドカデットチャレンジに出場しています!

もしナノ君に会うことがあれば「コンニチワ、マタアシタ、スシ、オイシイ」と話しかけてあげてください。きっと喜ぶと思います。

残念ながらシングルスでは予選リーグで3位となり決勝トーナメントには進めませんでした。

ナノ君に中南米大会で勝ち、見事優勝したパナマのハコボ君もかなり強いんですけど。中国で練習してるっていうし。それなのに、予選リーグ全て0‐3で負けて4位。

あれ? どうしたのかな? 日本食が合わなかったのかな? 怪我してるとか? 時差ボケが治らないとか? う~ん。

ブラジル女子のジュディアちゃんも中南米ではブイブイいわせていますが(かなり強いという意味)、彼女も予選リーグ3位で決勝トーナメント進出ならず。

それなのに、日本代表の子達ときたら! 男女8人全員が決勝トーナメントに進んでいるではありませんか(泣)! レベルが違い過ぎる(泣)。さすが。

みんな、頑張って下さい! 西田泉は2018 ITTF ワールドカデットチャレンジを応援しています!

平成30年度全日本卓球選手権大会(マスターズの部)

平成30年度全日本卓球選手権大会(マスターズの部)が、静岡県はエコパアリーナで開催されていますね。

去年はちょうど日本に帰国していたので、マスターズ大会を観に行きました。

友人、知り合い、お世話になった人、初めてお会いした人など、とても楽しい時間を過ごさせて頂きました。

 

残念だったのは、ペルー人の旦那レンソをその大会に連れて行けなかった事。

日本入国ビザを申請する時、手違いがありまして日本への入国は一回きり。

レンソのお兄さんが住んでいるオーストラリアに行くため一度日本を出国したので、二度目の日本入国が出来なかったのです。

彼、こういう日本の卓球大会に興味がありまして、もし行けたとするならば会場をずっとスキップしながら(あまりにも嬉し過ぎて)隅々まで徘徊していたことでしょう。

今度帰国する事があれば、この様な大会にレンソを連れて行きたいと思います。

その時は皆様、お相手よろしくお願い致します。

 

土曜日の朝、自称「卓球の花」、原(旧姓岡崎)千春ちゃんからメッセンジャーで電話がありました。

「西田さん、今、マスターズ大会中ですよ! あれからもう一年が経ったんですねぇ。今年は静岡県ですよ。あ、今からある人に電話代わりますね」

「もしも~し」

「はい、もしもし?」

「いっちゃん? 私、誰だか分かる?」

「わかんない」

「あははは! わかんない、だって~!」

「あっ、分かりました! 笑いの神、もとい、渡辺(旧姓佐藤)理江さんですね!」

「正解~♪ 明日、最終日で8決定に出るよ~」

「おっ! 頑張って下さい!」

しばし世間話をした後「また電話するね!」と電話を切られましたが、あれから一度も電話がかかって来ません。

 

先ほどネットで平成30年度全日本卓球選手権大会(マスターズの部)のページを開いたところ、すでに各年代別の優勝者のお名前と写真がズラリ。

男子60代以上の部では坂本憲一さん(日産自動車追浜)が優勝。

坂本さんは私と同い年の坂本沙織ちゃんのお父様。坂本家も西田家同様三姉妹でございます。あの有名な岸田卓球場のお嬢たちも三姉妹ですね。

三姉妹は三姉妹でも、「美人三姉妹」ですからね。羨ましい。

 

男子70代以上の部ではミスター・イサオ・ナカンダカレ(サザンクロス)が優勝!

ミスターは長年南米で卓球を指導しており、ボリビアで日系の国際試合があった時には大変お世話になりました。ミスターの教え子のチリの男の子とミックスダブルスを組み、見事優勝したのは今では懐かしい思い出です。

 

女子85歳以上の部で優勝されたのは、私のアイドル土佐昭子さん(浜卓会)。

私の「愛ちゃん愛」は皆様に伝わったと自負しておりますが、「土佐さん愛」も負けてはいません。

お時間のある方は、去年の2017年11月に書いたブログ「私の永遠のアイドル、土佐昭子さん 御年85歳」をお読みください。

去年準決勝で土佐さんと戦ったReiko Miyagawaさん、今年はいかがでしたでしょうか?

マスターズに出場されている皆さん、最後の一球まで諦めず、頑張って下さい! ペルーで応援しています!

福原愛ちゃん

愛ちゃんを初めて見たのはテレビでだったか、全国大会の試合会場でだったか全く覚えていませんが、当時「泣き虫愛ちゃん」として皆から親しまれ、誰もが彼女の親戚の叔父さんまたは叔母さんのように感じていた頃、4歳年上だった私ももれなく「親戚の子」くらいの感覚で「彼女を身近に感じていた」のを昨日の事の様に思い出します。

愛ちゃんが小さかった頃、我が卓球クラブ「リトルキングス」へ親善試合に来てくれたことがありました。恐らく試合をしたと思いますが、勝ったのか負けたのか全然覚えていません。ただ、愛ちゃんの為に藤沢市長が挨拶に来て、なぜかミニーマウスの大きなぬいぐるみをプレゼントしていた事だけは覚えています。

クイズ! 福原愛ちゃんとミニーちゃんと、西田泉は何処でしょう?

 

さて、全国ホープスの部で、ランクに入れなかった私は観覧席で呑気に表彰式を見ていたら愛ちゃんのお母さんが表彰式にいる愛ちゃんの写真を撮っていました。

「愛ちゃんのお母さん、こんにちは! 愛ちゃん、優勝おめでとうございます!」

「あら、西田さん。ありがとうね」

「すごいですね、愛ちゃん」

「ありがとう」

「あ、私、写真撮りますよ! 愛ちゃんのお母さんはしっかりとその目で愛ちゃんの表彰式を見てください」

「あら、そう? ありがとうね」

なんと気の利いた娘なんでしょう。パチパチと愛ちゃんの写真を撮る小学生のわ・た・し!

 

4歳違いとはいえ、何度か遠征や合宿、試合会場で顔を合わせる事があり、その度に「愛ちゃん、愛ちゃん」と馴れ馴れしく話しかける私に対し、嫌な顔一つせずに「西田さん、西田さん」と相手をしてくれていた愛ちゃんはやっぱり凄い人でした。

 

私が青森山田高校、愛ちゃんは青森山田中学校に在籍していた頃は何度か同じ練習場で練習する事もありました。彼女の練習相手は専用の中国人コーチ。

当時からものすごい量の練習時間をこなしていて、私たちはため息しか出ませんでした。

練習の休憩時間に、私はいつものようにひょうきんな事をして部員を笑わせていましたが、その時は愛ちゃんと愛ちゃんのお母さんもいました。

「おサルのポーズ」両手を頭のてっぺんに持って行き「ウッキー」ってするやつ、イメージできますでしょうか?

それを皆の前で披露して笑いを取っていると、それを愛ちゃんのお母さんに写真で撮られ、とある卓球雑誌の「福原愛ちゃんのコーナー」の一角に載せられていました。

「青森山田高校のひょうきんな西田泉さん」みたいな感じで紹介されていました。

 

……これはアレかな、死ねばいいのかな?

 

ある日、何故か愛ちゃんのお母さんに「西田さん、一緒に焼肉食べに行きましょう」と誘って頂き、愛ちゃんと愛ちゃんのお母さんと焼肉にも食べに行ったこともありました。

愛ちゃんのご両親に試合会場で会えばもちろんご挨拶します。

「あら、西田さん。これ、あげるわ」とおにぎりを貰ったりもしました。

高校時代と、大学時代に全日本卓球選手権大会で愛ちゃんと対戦して速攻負け、「まぁ、あれだけ毎日練習してりゃあ強くなるよ」と負けた言い訳をし「でも、あれだけの練習量をこなしてる愛ちゃんはやっぱり本当にマジですげぇや!!!」と舌を巻くのでした。

 

私が社会人になり、「私が青森山田高校生の時、福原愛ちゃんが中学生で後輩だったんですよ~」という話しになると、親戚面をしたオジサンやオバサンが口を揃えてこう言うんです。

「へぇー! 凄いじゃん! ……愛ちゃんって、やっぱり泣き虫なの? っていうか、最近愛ちゃん勝てないんでしょ? もうダメになったんじゃない? (←完全なる知ったかぶり)」

 

ううおおおぇぇぉううえいいいをををををぃぅうううおーーーーー!!!!

 

「全然だめになっていませんから! 少なくともあなたよりは! 愛ちゃん、毎日すっごい練習してるんですよ! 努力に努力を重ねて、更にまた重ねて……(中略) プレッシャーとも戦い……(中略) だから、『愛ちゃんもう勝てないんじゃない?』なんて今後一切言わないで下さいっ!」と唾を飛ばしながら説教すると「どうもすみませんでした」と言うので「謝るのは私にじゃなくて、福原愛ちゃんにでしょう!」とさらに唾を飛ばすのでした。

私の悪口は言って良い。だがな、愛ちゃんの悪口だけは絶対に言わせまい。なぜなら、彼女の頑張る姿をこの目で見ていたんですもの。あの子は本当に凄い子なんです! ……あのコレ、本当の話しですからね。

 

それにしても、子供の頃の愛ちゃんのビデオは、涙なしには観られませんね。

お母さんと練習中、愛ちゃんが泣きながら「練習止めないで、止めないで~」と号泣する場面なんて、気付いたらこちらも一緒に号泣してるんですよね。本当に、いつみても何回観ても号泣できます。

 

マスコミや周囲からのプレッシャーで大変な思いをしたでしょうに、それでもオリンピックにも出場し「皆さんのお陰で頑張れました」と言える愛ちゃんはやっぱり本当にマジですげぇ!!!

日本ならず、世界的にもその名を知らしめ、卓球界にフィーバーを巻き起こした福原愛ちゃん。

感動をありがとう。そして、選手生活大変お疲れ様でした。

手作り納豆、再チャレンジなるか? ~機転の利いた母のアシスト~

お待たせ致しました。

私は手作り納豆を食べて、お腹を壊したでしょうか? それとも大丈夫だったでしょうか? の答えです。

答えは、お腹は壊さなかったでした。正解された皆さま、大変おめでとうございました。100ポイント獲得です。

それと同時にDorgaluaさん、Dorgaluaさん派の期待を裏切ってしまい、どうもすみませんでした。ここでお腹を壊したらネタとしては大爆笑だったでしょうが、今回はお預けです。またの機会を心待ちにしていて下さいね。

それにしても納豆を食べるだけで、どうしてこんなに怖い思いをしなければならないのでしょうか。納得がいきません。でも「じゃあ食べなければ良い」で終わらせてもつまらないでしょ?  納豆は食べたいんです。

手作り納豆に関しては安心・安全が第一ですよね。

 

「市販の納豆パックから納豆菌を使うと、雑菌も増えてしまうのであまりお勧めできない。納豆菌粉末を使えばあら簡単!」という情報をインターネットで見つけ、早速日本にいる母親に納豆菌を頼みました。

分かりやすいように、わざわざその納豆菌を通信販売しているリンクを貼り付け、「これを買って欲しい」とお願いしたんです。

 

数日後。

母 「サプリメントがあった。インターネットで! 注文したよ」

 

けっ? (←スペイン語で ¿Qué? 「何?」という意味)

 

 

ちょっ(泣)!!!

 

お、お母さん……。なんで……。どうして……。(←両手両膝を地面に着け、首を垂れて泣いてみた)

 

え? サプリメント?

 

インターネットで?

 

注文したの?

 

っていうかなにこの「インターネットで!」の「!」は。

 

なんか、仕事をやり遂げた感あるよね。誇らしげというか、「やったよ! やってやったよ!」といった感じ。

 

……ところで、納豆のサプリメントで手作り納豆って出来るの?

やってみようか? ブログのネタとして!

「納豆のサプリメントで手作り納豆作ってみた」っていう企画を!

卓球王国さんのブログで!!!

 

それこそ読者の皆様からお叱りのコメントが来るに違いない(泣)。

ちっ、違うんです! 私が悪いんじゃないんです!

納豆菌粉末が欲しいって頼んだのに、何故かサプリメントをインターネットで注文したあの人が悪いんですっ!

まったく、子供の顔を見てみたいわ。一体どんな顔をしてるんでしょうねっ!

手作り納豆に挑戦

思い立ったが吉日。インターネットを駆使し「手作り納豆 作り方」で検索、レシピを調達。

レシピっていうのは「誰が調理しても失敗の無いように」という思いやりの塊なんです。

レシピ通りに事を進めれば、私にだってちゃんと出来る様になっているんです。

完全忠実をモットーに事を進めていきましたので、もちろん間違いや失敗などが起きるはずがないのに、どうして私はいつもこうなるのでしょうか?

先ずは蒸した大豆が硬い。レシピに書いてある時間通り蒸したはずなのに。

蒸す時間を長くしてみたら、ふっくら仕上がるはずの豆がことごとく割れた。

しかも、まだ硬いっていう(泣)。

あなた。まさかこれで「納豆」を名乗ろうなんて言わないでちょうだいね? 笑わせないで。ふざけないで、ちゃんとやって?

これから納豆菌を混ぜて、45度の環境で24時間発酵させなきゃいけないんですけど? クリア出来るかしらね、こんな硬くてひび割れた大豆の分際で!

3パック750円で調達した貴重な納豆半パックを使い、納豆菌を大豆に混ぜます。

ここで雑菌が入ると「ただの腐った大豆」になるそうなので、レシピ通り熱湯消毒したスプーンで慎重に混ぜ合わせました。

フー、ここまでの工程は割と簡単

 

私が一番心配だったのは45度の環境で24時間発酵させること。

あの~……それって、どうやってやるの(泣)?

レシピには湯たんぽやお湯を入れたペットボトルで密封とか、夏の日向に置くとか、コタツに入れるとか、オーブンに入れるとか色々ありましたけど。どれも無理。

湯たんぽは1つしか持っていませんし、ペルーのペットボトルはお湯を入れた瞬間溶け出しそうで信用ならないし、現在のペルーは春になったばかりで日向はそこまで暑くならないし、コタツなんてないし、オーブンに入れたら器ごと焼けちゃうんじゃないの? オーブンって、そういうものじゃないの(泣)? 

頭を捻りに捻って閃いたのが、大きいお鍋にお湯を張り、その中に大豆を入れた炊飯器の釜を浮かせる、というもの。その大きいお鍋の周りにバスタオルを巻き、温度が落ちないように工夫します。お鍋の温度が下がったら鍋ごと火にかけて温めれば簡単楽ちん。

う~ん、我ながら素晴らしいアイディア。

なんか、すみませんね。ドジだの、間抜けだのというキャラとはかけ離れた「出来る人」的な感じ。こういうギャップって大事だと思うんですよね。「こいつ、ダメそうだな」と思わせてからの「こいつ、意外とやるかも」っていうね。

起きている間は鍋の温度を気にして何度も火にかけました。しかし、睡眠時間を8時間だとしても、夜寝る前から朝起き上がるまでの前後の合計1時間くらいは面倒くさくてグダグダしていたので鍋は放ったらかし。

9時間程放置プレイしていたらお湯は完全に水となり、嫌な予感が全身を駆け廻りました。

 

「発酵中の納豆は温度を下げてしまうと雑菌が繁殖しやすくなる

 

「雑菌」って……。

熱湯消毒したスプーンで触ってみたら、全然糸を引いていない。糸が引かない納豆は失敗の可能性があるらしい。

しかも、発酵が上手く行っている場合の豆の表面には薄っすらと白い膜が張り、それがまさしく納豆菌なのだそうですが、私の豆にはそれが無い。

糸を引かない。そして、白い膜が無い。つまり……、それは……。

理想の発酵時間は24時間ということですが、私はもうちょっと時間を伸ばしてみました。ほんのちょっとだけ、18時間程。

発酵時間、合計42時間。

それを冷蔵庫で1日寝かして出来上がり。

ダメだ。やっぱり白い膜なんてない。泣けてくる。私がやる事は大体いつもうまく行かないんだ。身体に害を与える雑菌が増えたものを「腐敗」、有利なものを「発酵」と言うそうです。

これはあれかな、「腐敗」かな?

それでも熱湯消毒したスプーンですくってみたらなんと糸を引いた!

オーマイゴット! オーマイゴット! 私の大豆が糸を引いているっ!

小粒のかわいらしい豆が納豆菌のために使った市販の納豆で、デカくてふてぶてしい不格好なのは私が蒸したやつです。同じ豆なのに、どうしてこんなに違いがあるの?

 

少し混ぜてみたのがコチラ!

あれ? これは……これはもしかしたら納豆? 是非とも食べてみよう! 糸が引いているという事は「発酵」の証拠なんでしょう? でも、お腹痛くならないかなぁ。心配だなぁ。イヤだなぁ。食べたくないなぁ。そもそも、食材が糸を引くって、どうなの? 腐ってるんじゃないの? 気持ち悪いなぁ。なんだか納豆の様な、そうでないような臭いもするし……。

ん~、やっぱり無理っ! 食べたくないっ! 怖いっ! お母さんっ! 助けてーっ!

身体に悪いと腐敗、身体に良いと発酵などと言っていますが、食べてもいないこの時点で害を与えられているんですけど。

私の納豆は恐怖の塊と化し、作った本人でさえ「まじで食べたくない」と思わせる悪のネバネバ野郎となって私の前に立ちはだかったのでした。

「捨てたら勿体無いお化けが出てくるよ!」という私の脅しと、「恐怖に打ち勝つのだ!」という私の励ましによって、ついに意を決して食べてみました。

普段納豆を食べる時は、納豆が「もう勘弁してください!」と悲鳴を上げるまで混ぜるのですが、今回もいつも通りに混ぜ混ぜ~。

美味しそうに見えますよね? でも、味なんて味わっている余裕などありませんでした。

「どうか、お腹が痛くなりませんように……」それだけを願って手作り納豆50グラムをなんとか完食。

 

ここで皆様に問題です。私は手作り納豆を食べて、お腹を壊したでしょうか? それとも大丈夫だったでしょうか?

納豆、3パックで幾ら?

「卓球に関するブログを書こう」と意気込んでるくせに、早速卓球とは無関係な話題で本当にごめんなさい。だって、ブログっていうのは「ウェブサイトにて自分の意見や感想を日記風に記すこと」なんですよ!

みなさん、知ってました? 私は知りませんでした。

 

食欲の秋という事ですが、ペルーにいる私の所にもそれがやって来ましたよ。

食欲が増したことで食に感心が高まり、ある感情がついに爆発しました。

 

「どうしても納豆が食べたいっ!」

 

今まで全く見向きもしませんでした。ペルーの日系スーパーで納豆が売られていることを。しかしある日、どうしても納豆が食べたいと私が駄々をこねるので、一緒に納豆を買いにスーパーへ行くとビックリして腰が抜けました。

 

納豆3パック入り、750円ナ~リ~。

 

ヘナヘナと床に腰を下ろし、しばらく体育座りしていると、次第に笑いが込み上げてきました。あははー! あははははー!

日本だったら安い時なら(多分)88円位で売ってるんですけどー(爆笑)!!!

あー笑っちゃう! あははー、あははー! なんでこんなに高いんですか(笑)

あの、ただの納豆ですよね、これ。

じゃあなんで750円もするの?

 

っていうか、買ってられますかっ、こんなに高い納豆っ(怒)!

もし私がお金持ちだとしても、納豆3パックに750円も払えますか払えないでしょうよ。

ちくしょー! ちくしょー! ちくしょー! ……これ、ください(泣)。買います、買いますよ。だって、買わなかったら食べられないんだもん。

 

食欲よ……。さすが、人間の三大欲求にカウントされているだけある。

早速家に帰り、はやる気持ちを抑え、厳(おごそ)かに椅子に腰かけ、納豆のパックをゆっくりと開けます。目を閉じてしばらくその匂いを楽しみ、混ぜます。食べます。その場に崩れ落ち、泣き叫びます。

 

「美味し過ぎるー! っく~!!!」

 

旦那レンソは糸の引く、くさいニオイを放つ謎の豆に「なんだこの腐った豆は!?」としつこく連発。それを美味しそうに食べる私に対しても明らかに嫌な顔を向けてきました。

「あなたねぇ……、そんな事言ってるけど、日本に行った時、うちの実家で納豆食べたの覚えてるでしょ?」

 

「全然美味しくなかった」

 

こんなに美味しい納豆ですが、ペルーで買うのは高すぎるので「手作り納豆」に挑戦する事にしました。美味しい手作り納豆、作るぞー!

コーチは全てペルー人にする。外国人コーチは雇わない byペルー卓球協会

ペルー卓球協会で3年間(2015年9月~2018年9月)ナショナルコーチとして働いてきましたが、「一時休職」することになりました。

しかし、再就職させてくれるか分からないので、「休職」というより「辞めた」と言った方が正解でしょう。

何故コーチを辞めたのか、それは追々説明させてもらうことにします。

皆さん、餅ついて下さい。(落ち着いて下さい)

 

変圧器と変換器を間違えて、わざわざ日本から持って来た掃除機と炊飯器を一瞬にして壊したとか、ペルー人の旦那レンソが500円もする串焼きを3串食べたとか、両替所のお兄さんに「I need you」と言ってしまったとか、髪を切ってレズビアンにされたとか、河童を探しに旅に出たとか、そういう卓球に全く関係ない話は今後一切無しにして、卓球一本に絞ってブログを書いていきたいところですが、まぁ当然無理でしょうね。

ちょくちょく卓球とは無関係な話題も出てくるとは思いますが、そこはご了承下さい。

 

ブログを更新しなかった間に、ペルー卓球協会に変化がありました。

2年ごとに卓球協会会長を決める選挙があり、それに伴い会長が替わりました。

噂によると、新しい会長は「コーチは全てペルー人にする。外国人コーチは雇わない」と言っており、「そうか、私は日本人だから解雇されるんだな」と案じ、一緒に働いていたポルトガル人のコーチも母国へ帰る準備をするのかと思うと、なんだか切なくなりました。

そんな新しい会長はキューバ人の女性40代後半。キューバ人かよっ! (←強めのツッコミ)

ペルー人男性と結婚し、キューバとペルーの二重国籍になりました。

彼女はカットマンで、現役時代はペルー代表としてアトランタオリンピックにも出た事があるツワモノ。

今でもたまにオープン戦に出ていますが、まぁ攻撃のしないこと!

どんなに高くチャンスボールが来たとしても、頑固として攻撃しません。

彼女曰く、「私、攻撃できないのよね」

オリンピックに出た事があるくせに、今の彼女の卓球のレベルは目を覆いたくなる程。

それなのに去年の年末に行なわれた8名のナショナルチームメンバーを決める選考会に出場し(上位推薦4名を除く)見事に2位通過。ペルーのレベルの低さが垣間見えますね。っていうか卓球協会の会長になる40代後半のおばちゃんがナショナルチーム参考会に出て、しかも通過しちゃうんですかっ(泣)!

そんな彼女とずっと仲が悪かったポルトガル人コーチは解雇され、新しく4コーチが追加。私ともう一人のペルー人コーチと合わせて6名で成人の部、18歳以下、15歳以下の男女をコーチする事になりました。

 

あれ? 私は解雇されないの? 日本人なのに? ……ペルー人じゃないのに?

 

新しく入ってきたコーチの四人中二人はキューバ人

二人の新しいスパーリングコーチの一人はキューバ人、もう一人はスペイン人。

あれ? コーチ陣は全員ペルー人にするんじゃなかったっけ?

……嗚呼、分かった。「全員ペルー人にする! (※キューバ人、日本人、スペイン人はそれに含まれる事にする。ただし、ポルトガル人は含まれない)」

あの二人、ずっと仲が悪かったしなぁ。挨拶もしてなかったし。

 

「しかし俺にはコーチ契約が2020年まである!」というポルトガルコーチは解雇に納得がいかず、弁護士と一緒に協会を訴えるという噂です。

ポルトガルコーチの運命や一体。今後も目が離せません。