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速報・現地リポート

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世界選手権ドルトムント大会(団体戦)

〈男子〉
優勝:中国
準優勝:ドイツ
3位:日本、韓国
5位:オーストリア
6位:スウェーデン
7位:チャイニーズタイペイ
8位:シンガポール

〈女子〉
優勝:中国
準優勝:シンガポール
3位:香港、韓国
5位:日本
6位:オランダ
7位:ドイツ
8位:ポーランド

女子決勝の詳報のアップが遅くなり、申し訳ありません。
ホテルのインターネットサービスが突然使えなくなり、
フロントのオジサンは「理由はわからない」と繰り返すばかり。
4月2日の朝になって、ようやく復旧できました。

今回はメディアシート(記者席)の無線LANもつながりにくく、
速報が送れずにやきもきする日々でした。
次回は必ず改善したいと思います。

卓球王国の速報サイトをご覧くださり、ありがとうございました。
ブンデスリーガをそのまま巨大化したような、徹底してショーアップされた大会だったドルトムント大会。
日本人の常識では考えられない大会の様子、紙一重の差で勝負が分かれた熱戦の模様を
4月21日発売の『卓球王国6月号』で詳しくお伝えします。

ただいまドルトムントは4月2日の午前8時です。あと一時間半ほどでデュッセルドルフへ出発します。
それでは皆様、誌面でまたお会いしましょう。サヨナラ、サヨナラ。
 〈中国 3-0 シンガポール〉
○丁寧 12、-8、4、3 馮天薇
○李暁霞 9、-11、10、5 王越古
○郭躍 8、6、9 リ・ジャウェイ

 中国女子が2大会ぶりに王座に返り咲いた。08年広州大会まで8連覇していたことを考えれば、定位置に戻ったと言ってもいいところだが、決勝に出場した3選手のプレーは決して万全ではなかった。
 前回大会の決勝トップで逆転負けを喫し、中国に流れを引き寄せられなかった丁寧、団体決勝では初の起用となる李暁霞、06年大会決勝で帖雅娜(香港)、08年大会決勝でリ・ジャウェイ(シンガポール)に金星を献上している郭躍。紛れもなく世界トップクラスの選手たちだが、大黒柱となる選手がいない。

 トップ丁寧は、馮天薇と激しい両ハンドのラリー戦を展開した。台からやや距離を取る丁寧に対し、前陣を死守して両ハンドでコースを突き、チャンスには強打で得点を狙う馮天薇。これまでの不調がウソのように積極的なプレーは、前回大会のリプレイのようだった。
 第1ゲーム、2回のゲームポイントをしのいだ丁寧だが、このゲームを落としていたら、試合の流れはわからなかった。しかし、試合の中盤から、中陣から放つ丁寧の横回転の入る両ハンドドライブに、馮天薇の空振りが目立つようになる。第3ゲームはなんと丁寧が10-0でゲームポイント。丁寧、ここはフォアサービスをミスして相手に1点献上したが、11-4で奪取。このまま勝利を飾った。

 2番の李暁霞対王越古は、王越古のバックブロックと連続フォアスマッシュが炸裂。現在、シェークの攻撃型でこれほどスマッシュが打てる選手は少ないし、ラリー戦での集中力も高い。まともに打ち合っては不利になると、李暁霞がフォアドライブの前後の緩急を使って勝利したが、王越古はいまだに対中国の強さではトップクラスだろう。

 3番は郭躍対リ・ジャウェイ。郭躍、久々の檜舞台。フットワークを生かして、フォアドライブの連打を浴びせ、フォアのスマッシュもドライブで打ち返す郭躍に、リ・ジャウェイは勝機を見出せず。

 優勝を決めた瞬間、ラケットを天高く投げ上げた郭躍。ラケットをキャッチすることも忘れるほど、自ら決めた優勝の味は最高だったのだろう。ただし、すぐにラケットを拾うようにと、先輩の郭炎に注意されていた。

下写真左:小さくてわかりにくいですが、左上にチラリと写っている赤いものが郭躍のラケット(クリックで拡大)
下写真中央:トップで起用された丁寧と、活躍の場を与えられなかった劉詩ウェン。両者の明暗ははっきりとわかれた。劉詩ウェンが昨年の世界選手権で優勝していたら、立場は逆だったかもしれない
下写真右:表彰式での中国女子
 〈中国 3-0 ドイツ〉
○張継科 10、6、-9、-10、6 ボル
○馬龍 3、9、11 オフチャロフ
○王皓 -8、5、5、10 バウム

 3番バウム、昨日の岸川戦での気負いすぎたプレーとは一転、前陣で積極的にカウンタードライブを狙い、王皓に迫った。第4ゲーム3-7から10-9と逆転し、観衆に期待を抱かせたが、王皓は下回転を入れた変化の激しい裏面フリック、そして一発で決まるフォアのパワードライブで突き放した。各選手とも見せ場は作ったが、勝利には届かず。

 中国男子、2001年大阪大会から続く連覇の記録を「6」に伸ばした。世界選手権の男子団体での6連覇は、第1~5回大会のハンガリー、第21~25回大会の日本の5連覇を上回る大会新記録。女子と同じく18大会目の優勝だ。
 馬龍、張継科という若手が今大会で十分な経験を積み、決勝でも見事なプレーを披露した。次回の東京大会でも、地元優勝を目指す日本の前に大きく立ちはだかることは間違いない。
 〈中国 2-0 ドイツ〉
○張継科 10、6、-9、-10、6 ボル
○馬龍 3、9、11 オフチャロフ
 王皓 バウム
 ボル 馬龍
 張継科 オフチャロフ

 「ディーマ!」「ディーマ!」の大歓声の中で、2番のコートに立ったオフチャロフ。ディマはディミトリ・オフチャロフの愛称。ドイツ、ここを落とすと後がなくなる。

 オフチャロフは非常に回転量の多い台上バックドライブ、中陣からの両ハンドドライブを随所に決めたが、技の多彩さでは馬龍が上。豪快なイメージのある馬龍だが、バックブロックは鉄壁といえるほど堅い。フォアハンドでも、回り込んでの一発の強打だけでなく、第1ゲームから回転量の多いループドライブを効果的に使い、オフチャロフのプレーを崩していった。

 オフチャロフは第2ゲーム9-5のリードから、6点連取を喫して逆転されたのが痛かった。第3ゲーム7-10から11-10と逆転して会場を沸かせたが、逆転はならなかった。
 
 現在も会場は無線LANが非常につながりにくい状況。画像のアップは難しいですが、まずはテキストでお送りします。
 〈中国 1-0 ドイツ〉
○張継科 10、6、-9、-10、6 ボル
 馬龍 オフチャロフ
 王皓 バウム
 ボル 馬龍
 張継科 オフチャロフ

 中国対ドイツの男子決勝は、トップ張継科がボルをゲームオールで破り、中国に大きな先制点をもたらした!

 張継科の台上バックドライブ、回り込んで放つシュートドライブに守勢に回り、2ゲームを落としたボル。ストップからの展開では優位に立てないと、3ゲーム目からフォアフリックを多用し、レシーブから積極的な攻めに出る。2ゲームを挽回して、場内の興奮も最高潮に。しかし、最終ゲームの出足でまたプレーが慎重になり、張継科の両ハンドドライブの前に0-6。この差を最後まで詰められなかった。台上の攻撃力、フットワークを生かしたフォアハンドの手数の多さで張継科が上回った。
 〈中国 vs. ドイツ〉
 張継科 vs. ボル
 馬龍 vs. オフチャロフ
 王皓 vs. バウム
 馬龍 vs. ボル
 張継科 vs. オフチャロフ

 1万人入るヴェストファーレンハーレンが超満員! 観客全員がスタンディング!
 試合開始前の選手紹介で、場内の興奮は早くも最高潮。ボルの紹介の時は雷鳴のような拍手とどよめき。YMCAの音楽に合わせて、会場を何周もウェーブが巻いた!
★順位決定戦を戦い抜いた福原愛のコメント

「気持ちを持って行くのが難しかった。今日の試合はやりにくかった。順位決定戦は緊張します。相手は向かってくるので、良い経験になりました。
 順位だけ見たら今大会は悔しいけど、中身のある内容がたくさんあった。カット打ちをたくさん練習してきて、金璟娥に勝った。オリンピックまで絶対死ぬ気で頑張るという気持ちになれたので、いい薬になったと思います。負けることは嫌だけど、悪い負けはないと思うので、次に生かしたい。

 08年の広州大会の時に韓国に勝って、北京五輪で決定戦で負けてメダルを逃しているので、今度は逆に今回負けたからオリンピックで勝ちたい。メダルを獲れなかったのは悔しいし、順位決定戦で試合をするのも嫌だった。すごく悔しい気持ちで試合をすることができたので、忘れられない大会になって、練習にも身が入ると思います」
 〈日本 3-0 オランダ〉
○石川 7、7、-10、10 エールランド
○福原 9、-9、10、9 クリーマーズ
○平野 10、3、3 ティミナ

 日本女子チームは5・6位決定戦で、オランダに3-0で勝利した。村上恭和監督が「選手たちの身体はもう悲鳴を上げている」と語るとおり、トップ石川、2番福原ともにさすがに本来の身体のキレはなく、若手のエールランドとクリーマーズのアグレッシブなプレーに押されたが、地力の差を見せた。3番では平野が元ロシア代表のベテラン・ティミナを得意のカット打ちで下した。日本女子チームの最終成績は5位。
 ブンデスリーガ仕込みの大会のショーアップが随所に光る今大会。観客のノリも良い。手拍子や歓声はメインアリーナを揺るがせるほどだが、度が過ぎているという感じではない。ドイツ選手のネットインでは大きな拍手は起こらないし、ちゃんと観戦のマナーをわきまえている。

 円形の会場を取り巻く通路部分には、ホットドッグやピザ、フライドポテトなど様々なスナックの売店が並ぶ。試合の合間にホットドッグをかじりながら、ビール片手に語り合っている観客の姿も多い。スタンドでビールを飲んでいる人はあまり見かけなかったが、日本の野球場のような雰囲気。ビールやコーラが外の2倍くらいの値段なのもよく似ている。

 昨日の日本男子対ドイツ戦では、まずセンスの良い音楽とともに、マスコットのラッケディーノに先導されて選手たちが入場。ドイツ男子チームの選手紹介の時には、チアリーダーたちが宙を舞い、2機の小型飛行船が飛び、場内は割れんばかりの大歓声。驚くべき卓球空間が出現した。しかも試合の合間には、後ろで次に戦う選手たちが練習している中、ボルやオフチャロフにミニインタビューまでしてしまうのだ。

 「これが世界選手権なの?」と思ってしまうくらい、時に興業色が強いが、観客が見て面白いのはどちらなのか。全身で卓球を楽しむ観客たちの前で、ドイツチームにホームのプレッシャーなど微塵も感じられない。今日の男子決勝はどれくらい盛り上がるのか、今から楽しみ。
4月1日のおもなタイムテーブル

☆女子5~6位決定戦 9:30~(日本時間16:30~)
日本 vs. オランダ

★男子決勝 13:30~(日本時間20:30~)
ドイツ vs. 中国

☆女子決勝 16 :00~(日本時間23:00~)
シンガポール vs. 中国

 ついにチャンピオンシップディビジョンも残り2試合となった。今大会の決勝は珍しく男子が先に行われる。

 男子決勝は、前回のモスクワ大会に続いて中国対ドイツ。5連覇中の中国男子だが、会場の雰囲気は地元ドイツの応援一色になるだろう。欧州では抜群の実力を誇るドイツといえども、まともにぶつかっては勝ち目は薄い。トップで先制点を挙げて、この大声援をバックに中国選手のプレーを崩していきたい。2番手のオフチャロフのプレーがカギを握っている。
 もしドイツ男子が優勝したら、この会場は一体どのような雰囲気になるのか、想像しただけでも鳥肌が立つ。

 女子決勝は中国女子がシンガポールへのリベンジを期す一戦。前回のような好試合を期待したいところだが、今大会のシンガポール勢のプレーはあまり良くない。対照的に、現世界女王の丁寧はモスクワの時とは見違えるほど強くなり、ウイークポイントのない攻撃的な両ハンドスタイルを確立させつつある。劉詩ウェンに再び決勝を戦うチャンスが与えられるかは微妙だ。

 日本とヨーロッパとの時差に加え、無線LANが回線の混雑でつながりにくく、遅い速報になってしまってスミマセン。最終日、最後の力を振り絞ります。下写真は会場で試合の合間に行われたアトラクション。パンツ一丁のマッチョなおニイさんふたりの、椅子とテーブルを使ったナゾの力技に、疲れてハイになっていた速報担当、爆笑。