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 10月29日からスウェーデン・ストックホルムで行われている伝統のITTFワールドツアー・スウェーデンオープン。女子シングルスで伊藤美誠が恐るべき快進撃を見せ、今日4日に行われる決勝へ駒を進めた。

 決勝トーナメント1回戦から出場し、初戦で右ペンドライブ型の張薔(中国)に4ー1で完勝。2回戦で馮天薇(シンガポール)をゲームオール11ー9という激戦の末に下し、準々決勝に勝ち上がった伊藤は、世界ランキング6位の劉詩ウェン(中国)と激突した。
 マッチポイントを奪われながら逆転勝ちした5月の世界選手権・団体決勝以来の対戦となったが、ゲームカウント1ー3の5ゲーム目に9ー10でマッチポイントを奪われながら、徹底的に劉詩ウェンのミドルへボールを集めて、またも逆転勝利を収めた。

 そして圧巻は準決勝の丁寧戦。丁寧の球足が長く伸びのあるフォアドライブに押され、ゲームカウント0ー2の第3ゲームも0ー5、さらに6ー10と圧倒された。しかし、ここからバック表ソフトの緩急とナックルショート、クロス・ストレートへ思い切り良く叩くフォアスマッシュのコンビネーションが冴え渡り、怒涛の4ゲーム連取で勝利した。

 伊藤の決勝の相手は朱雨玲(中国)。丁寧戦後、ITTFのインタビューに対し、「試合の出足は思うようなプレーができず、とにかく1本ずつしっかりプレーするだけでした。準々決勝と準決勝は本当に出足が良くなかったので、決勝では良いスタートが切れるようにしたい」と語った伊藤は、まだまだ満足していない。

 18年1月の世界ランキングのシステム変更により、世界ランキングの高い中国選手を何人破ろうとも、ランキングポイントはすべて大会の成績によって加算されるようになった。しかもITTFワールドツアーのレギュラーイベントであるスウェーデンオープンは、来週行われるオーストリアオープン(プラチナイベント)の半分のランキングポイントしかつかない。

 しかし、おそらく2020年東京五輪も経験重視の選手選考をするであろう中国にとって、劉詩ウェンと丁寧が敗れたことへの衝撃は相当大きい。中国チームに長年帯同するCCTV(中国中央電視台)の李武軍氏は、「東京五輪に向け、伊藤美誠が中国女子の最も研究すべき相手であることに疑いの余地はない」と警鐘を鳴らした。

 女子シングルス決勝、伊藤美誠対朱雨玲の一戦は日本時間の19時20分に試合開始。鉄壁のバックハンドを誇る朱雨玲が、中国女子の最後の砦だ。
  • 緩急が抜群に冴えている伊藤。頂点まであとひとつ!

  • 劉詩ウェンにまたも逆転勝利(写真はともにITTF提供)