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中国リポート

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 9月17日、中国卓球協会の訓練基地(トレーニングセンター)および青少年培訓基地(青少年育成トレーニングセンター)が、山東省威海市の南海新区オリンピックセンター内に誕生した。オープニングセレモニーには中国卓球協会の劉国梁会長をはじめ、国家チームのコーチ陣や選手が揃って出席した。

 オリンピックも開催できる規格のメインホールにトレーニングセンター、ジュニア選手用のトレーニングセンターとホテルが一体となったこの訓練基地。このような卓球専門の訓練基地は中国全土にあり、第1号である湖北省黄石市の訓練基地(1987年完成)をはじめ、河北省石家荘市正定県、黒龍江省大慶市、広東省仙頭市、福建省厦門市、浙江省寧波市、江蘇省通州市、四川省成都市など枚挙にいとまがない。国際大会は沿岸部の海洋性気候の都市で行われることが多いため、中国でも海沿いの都市に建設されることが多い。

 オープニングセレモニーに出席した国家チームの選手たちは、そのまま訓練基地での集合訓練に入る。以前の中国リポートでは、10月まで海南省で集合訓練を続けるとお伝えしていたが、この威海の訓練基地に移動し、現地で行われる11月8〜10日の女子ワールドカップ、11月13〜15日の男子ワールドカップに備えるという。都市の中心部ではなく、沿岸部の新興開発区にある訓練基地なら、出場選手や関係者が外部の人間と接触しない「バブル」での大会開催もよりスムーズになる。残念ながらメディアの取材はNGだ。

 海外選手は中国への入国後に1週間の隔離期間が設けられるなど、出場に際して様々な障害を乗り越えなければならない。一方、中国選手は集合訓練を行いながら悠々と大会を迎えることができる。公平とはいえない状況だが、中国でなければワールドカップクラスの国際大会を実施するのは難しいというのも、また事実だろう。
  • 新たな訓練基地を「世界的に見ても最高水準のトレーニングセンター」と評した劉国梁会長