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中国リポート

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 10月20日、中国共産党中央軍事委員会・訓練管理部に属する軍事体育訓練センターは、「調整改革動員部署大会」を北京市で挙行。人民解放軍に属するプロスポーツチーム「八一体育工作大隊」を全面的に改革し、軍事色の強い幾つかのスポーツを除く、バスケットボール、バレーボール、バドミントン、体操、そして卓球などの競技スポーツチームを解散させることを宣言した。

 人民解放軍の建軍記念日である「八一(8月1日)」を冠した「八一体育工作大隊」は1951年9月に創設され、数多くの競技スポーツで世界チャンピオンを輩出。「金メダリストの揺籃」とも言われてきた。

 現在、卓球の人民解放軍チーム(正式名称は「解放軍八一体育工作大隊・ピンパン球中隊」)には、男子の樊振東・周雨・周愷・徐晨皓・薛飛、女子の陳可・劉㬢らが所属。王皓(09年世界チャンピオン)や王涛(96年五輪銀メダリスト)らが指導陣に名を連ね、中国卓球協会の劉国梁会長も解放軍チームの出身だ。さらに歴史をたどれば、男子の李振恃・范長茂・施之皓、女子の童玲・戴麗麗・沈剣萍・孫晋など、数多くの名選手を輩出している。

 CBA(中国プロバスケットボールリーグ男子)の創設から6シーズン連続優勝を果たした名門・八一ロケッツをはじめ、解放軍チームは中国国内のプロリーグから相次いで脱退。卓球のスーパーリーグでも、2018-2019シーズン男子3位・女子4位の八一南昌(名称は参戦当時)がリーグを脱退することは決定的だ。そもそもスーパーリーグが、2シーズン続けて休止状態に陥っているのだが……。

 中国のスポーツ界にとって、ひとつの転換点になるであろう解放軍チームの改革。10月上旬に行われた全中国選手権で、解放軍所属の選手たちがすべて個人登録で出場していたのも、今回の一件が背景にあったようだ。樊振東をはじめとする所属選手たちの、今後の所属先はどうなるのか。続報があれば、またお伝えします。
  • 09年全中国運動会・男子団体優勝の解放軍チーム。中央に王皓、左端に山東省から一時移籍の張継科がいる

  • 14年ユース五輪表彰、男子シングルス優勝の樊振東の初々しい敬礼