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速報・現地リポート

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アジア選手権2015速報

試合結果

●男子団体
優勝:中国
準優勝:日本
3位:チャイニーズタイペイ、韓国

●女子団体
優勝:中国
準優勝:日本
3位:韓国、香港

●男子シングルス
優勝:樊振東(中国)
準優勝:許シン(中国)
3位:荘智淵(チャイニーズタイペイ)、黄鎮廷(香港)

●女子シングルス
優勝;朱雨玲(中国)
準優勝:陳夢(中国)
3位:木子(中国)、馮天薇(シンガポール)

●男子ダブルス
優勝:樊振東/許シン(中国)
準優勝:鄭栄植/李尚洙(韓国)
3位:丹羽孝希/吉村真晴(日本)、森薗政崇/大島祐哉(日本)

●女子ダブルス
優勝:キム・ヘソン/リ・ミギョン(北朝鮮)
準優勝:平野美宇/伊藤美誠(日本)
3位:姜華君/帖雅娜(香港)、陳夢/朱雨玲(中国)

●混合ダブルス
優勝:樊振東/陳夢(中国)
準優勝:ヤン・ツー/ユ・モンユ(シンガポール)
3位:大島祐哉/若宮三紗子(日本)、チョ・イル/リ・ミギョン(北朝鮮)

日本は前回大会の5つを越える、計6つのメダルを手にした。中でも銀メダルを獲得した平野/伊藤の活躍は目を見張るものがあり、世界選手権でも十分メダルが取れるペアだろう。
日本男子のシングルスは最高が大島のベスト16という少々残念な結果だったが、この敗戦を糧にして、もっと大きな舞台への飛躍にしてほしい。全部の試合に勝てる選手などいない。負けを受け入れてからのさらなる努力が大きな成功へつながっていく。

今大会の報道記事は卓球王国12月号(10月21日発売)に掲載予定です。
選手の迫力のある写真満載でお届けいたします。
●女子ダブルス決勝
キム・ヘソン/リ・ミギョン(北朝鮮) 3、10、5、7 平野/伊藤

無念。残念ながら平野/伊藤のダブルスは銀メダルに終わった。
相手は相当にミウミマを研究しているように見えた。左利きのリ・ミギョンのシュートドライブとバックドライブが日本ペアのフォアサイドを鋭角にえぐる。
今までの相手はバックに詰めてきてくれたので、日本ペアのフィールドで勝負できたが、バックを攻めてからのフォア攻め、そして小さいふたりが届かない角度への強烈なボールで北朝鮮ペアが一気に畳みかけた。

「なにもできずというか、相手のペースですぐに終わって悔しい」(平野)
「左利きの選手とは混合ダブルスもやっていたけど、あんなに打ってくる選手じゃなかった。ラリーになってもいろんなコースに打たれて対応できなかった。とにかく前についてプレーしよう、台上から崩そうとしたけど、あれだけ思い切りやられたらきつい」(伊藤)

ペースを握ろうとレシーブから仕掛けた日本ペアだったが、ストップミスなど細かな点数を相手に与えてしまった。
しかし、負けても仕方がないと言えるほどキム・ヘソン/リ・ミギョンの出来が良かったと言える。
次の大会こそ、金メダルを手にしたい。その可能性、実力をふたりは持っているはずだ。
  • 日本ペアはフォアを詰められた

  • 強烈なリ・ミギョンのフォアのシュートドライブ

  • 決勝に最高の調子を合わせてきた北朝鮮が金メダル

  • 今回は銀メダル。次は金メダルを獲りたい

●男子シングルス決勝
樊振東(中国) 10、2、10、-7、-8、-11、9 許シン(中国)

最後は得意技のチキータで打ち込んで勝利を決めた樊振東。
先輩許シンを下して、見事にアジアチャンピオンに輝いた。昨年のアジア競技大会の決勝のリベンジを果たした。

序盤は樊振東が得意の速攻でペースを握り、許シンのプレーを封じていく。
許シンはフォアで打ちたいが、その生命線であるフォアの調子が悪く、何度もラバーを見つめ「なぜ入らないんだ」という表情。
ストップやフリックでいくら点数を稼いでもフォアが入らないと許シンの良さが出てこない。
一気に樊振東が3−0とリードした。

前半の樊振東にはひらめきがあった。3ゲーム目は先にゲームポイントを握られていたが、そこから逆転で取り返した。フォア前のショートサービスに対し、バックでストップし、許シンが再びフォア前につないできたダブルストップをバックの強烈な台上ドライブで打ち込んだ。本来ならば、バック面でフォア前をレシーブしたら樊振東のバックはがら空きのため、すぐに戻らなければならない。しかし、どうせ取られるゲームなら確実に点を取れる、プレッシャーを与えられるプレーをする。賭けになるプレーだが、そこをものにする樊振東はさすがだ。ゲームカウントを3−0にし、優勝に王手をかけた。

許シンは調子が悪いながらも徐々にペースをあげて、フォアのボールを増やしていく。中陣からのドライブがだめならば、前陣で一発のスタイルに切り替えればよい。回り込みの強烈な一発ドライブの数を増やしていった。

樊振東は守りに入ったのか、許シンの勢いにおされて勝負は最終ゲームへ。
3−0と樊振東がリードするも、3−2とおいつかれタイムアウト。
取って取られの一進一退の攻防で6−6、8−8と進んでいく。
そしてチャンピオンシップポイントを握った10ー8。許シンが1本返して10ー9となるが、最後はフォア前を強気にチキータで打ち込んだ。

アジアの王に輝いた樊振東。またひとつ彼の経歴にプラスされていく。
世界チャンピオンまで秒読み段階に入っているのか。
団体、シングルス、ダブルス、混合ダブルスの4冠王、まさにアジア選手権は樊振東の大会だったと言えよう。
  • 驚異的な安定感だった樊振東。負けなしで今大会を終えた

  • 許シンは序盤のフォアの不調さえなければわからなかったか

  • ラスト、優勝を決めて吠えた!

  • 観客に応える新チャンピオン

●女子ダブルス準決勝
平野/伊藤 6、7、9、7 姜華君/帖雅娜(香港)

なんという中学3年だろう。
好ゲームが期待されたが、いい意味での期待の裏切りだった。
前陣の天才・姜華君/帖雅娜を相手のフィールドで手玉にとって見せた。

台上の細かい勝負やラリーでも日本ペアが常に主導権を握り、相手の強烈なドライブにも粘り強くブロックで対応した。平野/伊藤は、ダブルスで重要とされるツッツキとストップのコース、精度が非常に高い。そしてふたりとも打球点の早いバックドライブをストレートへ打てるのが強みだ。どちらかがストレートへ打ち込み、チャンスボールを確実に決めていった。
右利き同士のペアだがフットワークが早いので、バックの二度突きをされても前陣ではじき返せるのも強さの秘密だろう。まるで交互にシングルスをやっているかのような素早い位置の入れ替えで、ラリーになっても台から離されず、常に前陣でボールを処理できている。

もうひとつの準決勝は陳夢怪我により中国ペアが棄権となった。これにより、平野/伊藤の決勝の相手はキム・ヘソン/リミギョン(北朝鮮)に決定した。
サイドを突くように広角に攻めてくる北朝鮮ペアは脅威だが、今のふたりには怖い者はないだろう。

さあ、金メダルを決めてくれ!
  • バックドライブで相手のフォアを厳しく攻めた

  • 試合巧者のふたりも自身のプレーができず

  • 金メダルまであとひとつ。ラストスパートだ!

●男子シングルス準決勝
許シン(中国) 7、2、10、-10、10 黄鎮廷(香港)

お互いにショートサービスとフォア前へのストップで台上の粘り合いから、浮かしたらフォアハンドを叩き込む勝負だった。
序盤は裏面打法で先手を取りにいった黄鎮廷だが、展開が良くない。昨日の張禹珍とは違い、裏面のチキータを全く苦にしない許シンにとっては狙い球だ。
ストップとフリック、ペンホルダーらしい台上の攻防は、許シンのほうが一段勝っていた。

ラリーになってしまえば、黄鎮廷の前陣裏面打法は許シンよりも技術力がある。許シンのフォアサイドへ飛ばして大きく動かし、ラリーを優位に進める。
3ゲーム目は10-6、5ゲーム目は10-8とリードしていた黄鎮廷だが、取りたい気持ちが先行したか、置きに行くプレーがあった。3ゲーム目のジュースではロビング打ちをミス。1本、2本と許シンにチャンスを与えてしまったのが惜しい。

最強のペンドラの称号はまだ許シンにあるようだ。
  • 惜しいミスが続いた黄鎮廷

  • ロビングでチャンスを拾った許シン。この粘りが怖い

●男子シングルス準決勝
樊振東(中国) 7、-7、10、-9、7、7 荘智淵(チャイニーズタイペイ)

両者に流れが行き来し、お互いに主導権を握れない展開だ。
それでも前半は荘智淵が前陣の早い仕掛けで樊振東を崩し、バック対バックでも押していた。
ブロックになりがちだった樊振東は劣勢だったが、お互い1ゲームずつ取り合った3ゲーム目を逆転で取り返す。10-8と荘智淵がゲームポイントを握っていたが、4点連取で3ゲーム目をもぎ取った。もし荘智淵に取れられていたら、前半〜中盤への流れは完全に荘智淵が握っていただろう。荘智淵もなんとかリードしたい一心でタイムアウトを取るが実らなかった。

いいラリーはしている。だが、1本、2本のミスが重く荘智淵の首を絞めていく。
5ゲーム目も6−6までは互角だった。しかし、そこから樊振東が一気に引き離していく。9−7から2本のサービスエースで勝負をつけた。
また、終盤はチキータに変化をつけて、荘智淵のバックドライブのミスを誘う。上回転だけではなく、横回転、下回転のチキータに荘智淵のバックハンドはネットを揺らした。

点数的には追い詰めたが、金星は遠い。
  • 多様な球種を持ちながら、弾速もある樊振東のバックハンド

  • 気迫のプレーで2ゲームを奪うが、勝利はならず

大会最終日は男子シングルスと女子ダブルスの優勝者が決定する。
競技の時間は以下のとおり(日本時間)

15時〜 男子シングルス準決勝
荘智淵(チャイニーズタイペイ)vs.樊振東(中国)

16時〜 男子シングルス準決勝
黄鎮廷(香港)vs.許シン(中国)

17時〜 女子ダブルス準決勝
平野/伊藤vs.姜華君/帖雅娜(香港)

18時〜 女子ダブルス準決勝
キム・ヘソン/リ・ミギョン(北朝鮮)vs.陳夢/朱雨玲(中国)

19時〜 男子シングルス決勝
20時〜 女子ダブルス決勝

日本のミラクル中学生、平野/伊藤が準決勝へ挑む。相手は世界で2度銅メダルを獲得している実績のある香港の名コンビだが、帖雅娜は明らかに力が落ちているため、十分に勝機はあるだろう。
また、中国の陳夢/朱雨玲はまだ公式発表はないが、昨日の怪我の影響で恐らく棄権になる。
●女子シングルス決勝
朱雨玲(中国) 10、8、-6 キケン(3-1) 陳夢(中国)

なんという結末だろう。
4ゲーム目の2-1、両ハンドの激しいラリーを展開していた両者。朱雨玲のバックvs陳夢の両ハンドの攻防の末、フォアに激しく飛ばしたボールに飛びついた陳夢。
体勢を崩して打った返球はコートを外れ、朱雨玲にポイント。レベルの高い攻防に勝利した朱雨玲が「よー!」とガッツポーズの声をあげた。

立ち上がる陳夢だが、様子がおかしい。足を引きづり、ストレッチを始めるも、うまく立つことができなかった。タイムアウトを要求し、チームマッサーの治療を受けた。
場所は腰の左あたりの骨盤だろうか。原因は飛びついた際の衝撃。硬い床の今大会のコートは強く踏み込むと衝撃が体にもろに伝わる。心配になってコートに現れた孔令輝監督も「床の硬さ」を指摘していた。

マッサーの治療を受けていたが、時間が経つにつれてさらに痛みが増してきたか、陳夢は全く動くことができず、その場に横たわった。
賢明な治療も状況は変わらず、目に涙を溜めて、棄権を受け入れた。そのまま治療のため担架で運ばれていった。

表彰式では精一杯の笑顔を見せた朱雨玲。
陳夢が治療を受けていた時も心配し、側でずっと声をかけていた。
十分に強い朱雨玲を見せ、アジアチャンピオンに輝いたが、手放しでは喜べない。

明日の女子ダブルスも恐らく棄権となるだろう。
  • 朱雨玲は一流のラリー能力を見せつけた

  • 朱雨玲を崩そうと無理に動きすぎたか陳夢

  • 心配して孔令輝監督(右端)と朱雨玲も声をかける

  • 痛みが増して立ち上がることができなかった

  • 担架で運ばれ、治療へ向かった

  • 2位不在の表彰式になった

●男子ダブルス決勝
樊振東/許シン(中国) 8、7、7、7  鄭栄植/李尚洙(韓国)

徹底して韓国ペアのバックを攻めた。
攻撃力のあるペア同士のため、打ち合いが予想されたが、勝負は台上とコース取りで決まった。
樊振東のツッツキ、そしてフォアの押し込むようなフリックが、韓国ペアのバックを襲った。フォアで打ちたい鄭栄植/李尚洙は、フォア前のストップを警戒して、なかなか回り込めない。準決勝で日本ペアを破った時はフォアの打ち合いに持って行き、逆転をした韓国ペアだが、中国には打ち合いにすら持ち込めなかった。

3ゲーム目は序盤で中国ペアのミスが続き韓国ペアがリードしていた。中盤から終盤に向かう6−4の大事な場面。ここで樊振東が魅せる。
李尚洙のフォアに強烈チキータでエースを取って6−5。それまで見せていないコースと速さだった。そして次のレシーブも同じコースにまたもチキータでエース。しかもさらにサイドを切る厳しいコースへぶち込んだ。勝負どころでの強気の選択、まさに中国の勝負強さを印象づけるような2本だった。これで完全に中国が主導権を握り、韓国は流れを手放した。

最後も樊振東がレシーブからチキータでエースを取り、優勝を決めた。
前陣の樊振東、中陣の許シンという役割分担がしっかりし、試合巧者ぶりを見せつけた。
見事アジアチャンピオンに輝いた。
  • 勝負を決めた樊振東のチキータ

  • バックで対応せざるを得なかった韓国ペア

  • 6−4の場面。ここから樊振東が

  • 一気に李尚洙のフォアをぶち抜いた

  • 無敵のコンビネーションでアジアを制した

  • 日本の2ペアも銅メダルを授与

●男子シングルス準々決勝
許シン(中国) 4、-5、-7、6、7、4 鄭栄植(韓国)

一時はリードした鄭栄植。バックのカウンターで許シンのバック、ミドルを狙い、フォアで繋がせて、次球をオープニングのフォアへ叩き込む。鄭栄植のバックの打球点は早い。いくら許シンの足を持ってしても、オールフォアで動ききることは難しい。

そしてなんといっても、鄭栄植はフォア前の処理がうまかった。
バックのチキータはもちろんだが、フォアフリックで積極的に打ち、許シンをどんどん下がらせていく。
それでも許シンは必死に動いて、自分の展開を作っていき、食らいついていった。互角の展開だが、鄭栄植がおしている試合だった。

しかし、4ゲーム目からなぜか鄭栄植がフォアフリックを打たなくなる。あれだけ効いていたフォアフリックを打たず、大事にストップで対応する。中国相手にリードするとメンタル的に守りに入るのだろうか。それまでの積極性がなくなり、強気に点数を取りにいけない。

それを許シンが見逃すわけがない。ここぞとばかりにフォア前に集め、一発ドライブに結びつけていった。

あのままフォアフリックの作戦でいっていたらどうなっていたのかわからないが、フォア前に勝機アリ。対中国の可能性、中国のわずかな隙を示した一戦だった。
  • ラリーに強い許シンを崩すには台上の早い攻めだろう

  • なぜだ鄭栄植。フォアフリック作戦を途中で変更