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120年を超える世界卓球史で初の「六角形ラケット」が誕生

 

スウェーデンのモーレゴードが使用する

「六角形ラケット」が

『サイバーシェイプ』

 

六角形の『サイバーシェイプ』でWTTコンテンダー優勝のトゥルルス・モーレゴード(スウェーデン)

 

「ちょっと打たせてくれ」と練習場での依頼が殺到している

 

 

何だこの形は。

おもちゃのセルロイドボールを打ち合い、羊皮が貼られた中空のラケットで、ボールを打って「ピン」、台にバウンドして「ポン」という音がして、「ピンポン」がイングランドのが1900年。1902年には世界中がピンポンブームで沸いた。

この古い世界の卓球史の中で、なんとも画期的でユニークなラケットが登場した。

卓球のラケットと言えば、誰もが丸形や楕円形だと想像できる。しかし、スウェーデン生まれの『サイバーシェイプ』は六角形なのだ。

丸形や楕円形のほうが全方位的に卓球の技術がやりやすいと誰もが思っていたので、120年間、卓球メーカーはこの形のラケットを作り続けてきた。

この『サイバーシェイプ』を製造したのはスウェーデンのスティガ(STIGA・創業1944年)社だ。現存する卓球のラケット製造会社としては世界で最も古いメーカーだ。もともと北欧のスタイリッシュなラケットを製造していたメーカーだが、伝統のある卓球メーカーでありながら、今回は革新的な商品を世に送り出した。

スティガ社は説明の中で、「この独特な形状によって、より卓球台に近いところで打球できるので、台上での技術がやりやすい」「ラケットの打球エリアというのは上部のほうが多いが、この形状によって、打球エリアは11%大きくなった」「この形状によって、従来のラケットよりもスイートスポットが大きくなった(社内比)」などの利点をあげている。

実際にスティガ社の契約選手で、スウェーデン期待の若手、19歳のトゥルルス・モーレゴード(世界ランキング76位)は開発段階から試打を含めて関わり、このラケットでWTTコンテンダー(ブタペスト)の優勝を飾っている。

スティガ社のプロダクト・マネジャーのフィリップ・ヴィストロム氏はこう説明する。

「2、3年前から新しい形のラケットを作ろうという動きがあって、トップ選手と開発チームのコラボレーション(共同作業)が行われていた。今まで卓球メーカーというのはラケットのマテリアル(素材)ばかりに目を奪われ、どういうカーボンを使おうかなどと考えていた。また、ラケットの形は楕円形のものしか考えてなかった。今回、いろいろな形に挑戦し、六角形でも角をもっと鋭くしてみたり、丸くしてみたりと、100種類以上の試作品を作った」

試打段階、またすでに使用している選手からの評判はどうだろう。

「サービスやレシーブがやりやすくなっているという点、台上処理の時にも細かい微調整がしやすく、いろんなボールに対応しやすいという評判を聞いている。攻撃選手に向いている」(ヴィストロム)

すでに11月からヨーロッパで発売され、評判は上々だと言う。日本では12月上旬に発売される予定で、「すでに多くの注文が入り、現在、本社に追加発注をしている。発売前の追加発注に本社も驚いている」とスティガジャパンの早川徹代表。

モーレゴード選手も試合会場で多くのトップ選手から「ちょっと打たせてくれ」と依頼が殺到。ひょっとしたら世界の卓球界で「六角形(ヘキサゴン)ラケット」ブームが来るかもしれない。

 

スティガジャパン HP

https://stigasports.jp/