<卓球王国2007年8月号より>
Penholder Never Dies.
Vol.5
まずカットマンとして対戦する立場で言えば、威力ある攻撃を持っているペンホルダーと対戦するのは非常に嫌なものだ。中国スタイルでは、馬琳や王皓のように裏面を使うスタイルもあるが、やはりフォアハンドが攻撃の起点であり、ラリーでもフォアハンドが攻撃の主体となる。
ただ、ペンホルダーに対するもうひとつの見方がある。それは鋭い攻撃力の反対の部分には守りの弱さが見える点だ。つまり守りの強いシェークハンド選手よりもペンホルダーのほうが、こちらが攻撃の糸口を見つけることができれば得点はしやすい。
世界のトップクラスの比較で言えば、馬琳、王皓、柳承敏は、シェークのボル、王励勤、サムソノフよりも守りが弱い。さらにシェークハンドには相手にミスをさせるテクニックもある。
今まで数え切れないほどのペンホルダーの選手と対戦したが、歴代の選手で強烈な印象を受けたのは、まず劉南奎、金擇洙の二人の韓国選手。とにかく圧倒的なフォアハンドのボールの威力を持っていた。現役では柳承敏の強烈なフォアハンドも脅威だ。
そしてもうひとりは日本でもプレーした経験を持っている陳龍燦。表ソフト速攻型だったが、何でもできるオールラウンドタイプだった。サービスも非常に切れているし、ストップもよく止まるし、ドライブもある、スマッシュも打てる、守備も強いというように、どの技術もレベルが高かった。ペン速攻型の双璧だった江加良には、それほどのすごさはなかったが、陳龍燦は本当に強い選手だった。
ツイート