<2011年9月号より>
あなたの潜在力は眠っている
Mika Hoshino
自分の現役時代を振り返った時に、大きく「変えた」ことが2回ある。1回目は、高校(前橋東高)1年から2年にかけてのことだ。
私は中学から高校1年まで万年2位の選手だった。2年の全中、アジア選手権ジュニアの部、高校1年のインターハイ、高校1年の全日本選手権ジュニアと4回決勝に出て全部負けていた。
4回目の全日本ジュニアで自分の実力が発揮できずに負けて、この敗戦で一念発起した。その敗戦はショックだったし、卓球部の松井慎二先生が落ち込んだ表情を見るのがつらかった。優勝できるだけの実力があったはずなのに優勝できなかったことが悔しかった。ある有名な指導者が松井先生に言った「この子は優勝できない星の下に生まれている」という言葉にもショックを受けた。
自分自身の悔しさはもちろんあったけれど、それ以上に松井先生のために頑張ろうと思った。そこで変えたのは、練習と生活。すべてに負荷をかけてやり抜こうと決意したのだ。全国大会の決勝で緊張したり、重圧がかかって自分の力が半分しか発揮できなくても、それでも勝てるレベルまで実力をつけようと考えた。そのために自分自身に対して、練習においても生活においても、かけられる負荷をすべてかけようと思った。
自分に負荷をかけ、追い込むことで最後には自分に自信が持てる。その自信をたずさえて、高校2年のインターハイに臨もうと思った。これが選手生活の中での1回目のチェンジであり、その結果、高校2年のインターハイで優勝することができ、ようやく「万年2位」の呪縛から解放された。
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