卓球王国 グッズWEB 2022年 5月17日発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
グッズweb

国際卓球・狐崎さん「食わず嫌いは良くないですね。実はオメガの4と5はかなり良いラバーです」

 

国際卓球・町田店の狐崎店長

 

 

バランスの良い『オメガIV(4)』と

弧線の強い中上級者向けの『オメガV(5)』

 

国際卓球の町田店の狐崎(きつねざき)吉輝店長はラバーの目利きである。入社して22年のベテランで、過去に卓球王国別冊『卓球グッズ』には卓球ソムリエとして登場したこともある。

他のラバーとの性能差の話を交えながら、丁寧にXIOMの『オメガIV(4)』と『オメガV(5)』の違いを語ってくれた。

 

オメガ4

 

卓球市場で異彩を放つブラックスポンジはXIOMラバーのアイコンだ

 

 

●ー『オメガIV(4)』と『オメガV(5)』の違いはのちほど聞くとしても、まずは『オメガIV(4)』とはどういうラバーでしょう。

狐崎  『オメガIV(4)』はとにかくバランスが良いラバーなんです。何かに特別に秀でているわけではないけれど、それぞれが平均点以上のラバーです。お店としてはオススメしやすいラバーなんです。このラバーを使っている人は満足度が高いと思います。

『オメガVII(7)』や『オメガVII ツアー i』ではハイスペックすぎて使うのが大変という人に勧めたいですね。中学生でも入門ラバーとして『ヴェガ イントロ』で卓球を始めた人の次の次くらいの3枚目のラバーに『オメガⅣ』は良いですね。

 

●ー税込み5280円ですが、どのへんがライバルになるのでしょうか?

狐崎   『ファスタークG-1』(ニッタク/税込6600円)や『ラクザ7』(ヤサカ/税込5500円)、『エボリューションMX-S』(ティバー/税込6600円)などです。そういった商品と比べても、性能的にも遜色はないですね。ほぼ同等のレベルなので、あとは好みの問題でしょう。ただ、それらのラバーよりは少しお安めです。

 

●ー『オメガIV』にも4種類ありますね。

狐崎    ハードヒッターの人は『オメガIV』の『プロ』(スポンジ硬度47.5)、『アジア』(スポンジ硬度47.5)は少し硬めで、『ヴェガ ヨーロッパ』の打球感を好む人は『オメガIV ヨーロ』(スポンジ硬度42.5)を勧めたいし、レディースの人には『オメガIV エリート』(スポンジ硬度40.0)がおすすめです。つまり、さほど筋力がなくても扱いやすいラバーのほうが良いですね。

 

●ー『ヴェガ』を使っていた人たちがそのまま『オメガIV』に移行するんでしょうか?

狐崎 いいえ。あまり中高校生の男子は、ブランドにこだわるというよりも、商品そのものの知名度やトップ選手が使っているから、という理由に引っ張られていきますね。また、最近の中学生はYoutubeの試打動画の影響を受ける感じがします。

 

●ー『オメガV(5)』はどうでしょうか。

狐崎  『オメガIV(4)』よりもシートが厚めで、回転性能に優れ、回転量、弧線を求める人には『オメガV』がオススメで、プラスチックボールに対応したラバーと言われています。

『オメガV ツアー DF』(スポンジ硬度47.5)はシートもスポンジも硬めで、強い回転力を得ることができます。男子のような力のある選手に向いているラバーですね。『オメガV プロ』(スポンジ硬度47.5)は『ツアー』よりもシートは少し軟らか目で、食い込む感じで、スピード感があるラバーです。『オメガV アジア DF』(スポンジ硬度50)はさらに硬めのハードヒッター用で、『オメガV ヨーロ DF』(スポンジ硬度45.0)は中間硬度で、使う人を選ばない、扱いやすいラバーです。『オメガV』は、ラバー市場では『ラクザX』(ヤサカ/税込5720円)や『V>15』(VICTAS/税込6600円)が競争相手になるラバーですね。

 

●ー税込5280円の『オメガIV(4)』と5720円の『オメガV(5)』の違いはソムリエとしてはどう説明しますか?

狐崎  『オメガIV(4)』は『ヴェガ』にやや似た感じで、中級者としての中学生に向いているように思います。『オメガV(5)』は高校生や一般の方で中上級者向けと言えるかもしれません。バランスの良い『オメガIV(4)』と、弧線が強めの『オメガV(5)』という違いでしょうか。

 

●ーこの『オメガIV(4)』と『オメガV(5)』は卓球市場ではボリュームゾーンに向けたものですが、意外と知られていませんね。

狐崎  そうなんです。XIOMは『ヴェガ』は説明するまでもなく有名ですが、『オメガIV(4)』と『オメガV(5)』は、『ヴェガ』と『オメガVII(7)』の橋渡しのような存在でもあるし、単体でも十分にプレーに満足できるラバーです。お店の立場で言えば、価格的にも手に取りやすいし、コストパフォーマンスが高いラバーです。選んで間違いのないラバーですね。
食わず嫌いは良くないですね。XIOMでは『ヴェガ』と『オメガVII(7)』が目立っていますが、実は『オメガIV』と『オメガV』は「使ってみたら良かった」と思えるラバーだと思います。

 

オメガ5のパッケージ