創業から114年。世界屈指のスポーツメーカー、ミズノ。
「商売というもんは、品物に対する信用や。お客さんのほうでも、あいつは値引きせんけど、ええ品物くれよる、結局は得、ということで、ひいきにしてもらいました」。これは『スポーツは陸から海から大空へ』の中での一文、ミズノ創業者、水野利八の言葉だ。
創業者の口癖は「ええもん作んなはれや」。今回、ミズノの取材で新商品の開発の話を聞き、その根底には創業者の精神が脈々と流れていることがわかった。
「卓球選手に対し、求めやすい価格で高品質のモノを提供したい」。12月に『Q1』と『Qクオリティー』(Q Quality=QQ)はミズノのQシリーズの戦略のひとつとして発売される。『Q3』『Q4』『Q5』で独自の研究・開発でトップ選手に向けてラバーを送り出したミズノが、今回、幅広く中・上級者のために求めやすい価格で『Q1』『QQ』を同時発売する。
ドイツ製の『GF』が2007年に発売し、「反撃開始」とキャッチフレーズで品切れになるまで売れたミズノのラバー。その後、独自に開発に着手し、トップ選手が使えるラバーを作ったのが『Q3』『Q4』『Q5』というQシリーズで、アドバイザリースタッフの大島祐哉(木下グループ)が使えるまでになった。
そして、ラバーの硬さ、値段、耐久性を再考し、改良しつつ、より幅広い選手が使えるラバーを目指そうと生まれたのが『Q1』と『QQ』だ。卓球用具開発担当者の樋口直矢氏に聞いてみた。
──『Q1』『QQ』の開発のスタートは?
樋口 粒の形状や、ユーザーの間口を広げたいという意味での開発は『Q5』の開発のあと、すぐにスタートしています。5年前に『Q3』を開発している時から狙っているターゲットはぶれていないし、コストパフォーマンスや耐久性については高い目標を目指してやっています。
──今までのQシリーズとの最大の違いは?
樋口 一定期間使用時にラバーが破損するといった耐久面において格段に向上しています。全日本選手権に出るかどうかというレベルの選手が使用した場合、今までの倍以上の耐久性があることは確認できています。ラケットをかぶせながらも上方向に飛び出し、回転性能にすぐれている点では、『Q3』『Q5』も今回の『Q1』と『QQ』も変わってはいない。ラバーの進化の方向では同じです。
──スポンジ硬度は、『Q1』は44度、『QQ』が46度。ちなみに『Q5』は47度です。
樋口 この『QQ』の46度は決して軟らかくはない。『Q1』『QQ』は、『Q5』よりもスポンジを少し軟らかめにして使いやすいものにしています。量産体制、生産工程の背景を見直すことで、さらに値段を極力抑え幅広く使ってもらえます。同じ価格帯の他のラバーよりもエネルギー効率も良い。値段と比べるとパフォーマンスはかなり自信があります。
──ミズノならではの商品への思いとは何でしょうか?
樋口 創業者の「ええもん作んなはれや」という言葉通りで、ユーザーにとって価格以上のレベルの商品を開発していくのがミズノの考え方で、『Q1』と『QQ』はそれを実現させました。
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『Q1』はQシリーズの入り口としてのラバーであり、『QQ』は総合力に長けていて、操作性が良く、広いレベルの層にマッチできる性能だと言う。『Q5』はトップ選手向けだったが、『QQ』はより幅広い選手が使える高性能ラバーとして、あえて数字ではなく、軽量化、耐久性という課題にも応える本命ラバーとして『Qクオリティー』というネーミングにした。
高額な一部のトップ層でしか使えないラバーは、中・上級者が使用するとコントロールが利かず、最大のパフォーマンスは発揮できない。地区大会の上位や全国大会を狙う中・上級者の選手が能力を発揮でき、操作しやすいラバーが『QQ』だ。
「高いラバーほど良いラバーで、勝ちやすい」という迷信が幅を利かす卓球界に挑むのが今回の『Q1』と『QQ』と言えるだろう。
¥5,830(本体¥5,300)
ラバーカラー:09ブラック 62レッド
スポンジ厚さ:2.1/1.9/1.7㎜
素材:天然ゴム。合成ゴム
スポンジ硬度:46
83JRT299 MADE IN JAPAN
¥4,620(本体¥4,200)
ラバーカラー:09ブラック 62レッド
スポンジ厚さ:2.1/1.9/1.7㎜
素材:天然ゴム。合成ゴム
スポンジ硬度:44
83JRT291 MADE IN JAPAN
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