最後の最後に大物がTリーグ入りを決めた。これから2019年12月までは世界ランキングが関係してくるワールドツアーが石川佳純選手にとって最も重要な試合となる。そして、2020年1月発表の国際卓球連盟(ITTF)の世界ランキングで日本人の上位2名に入れば、東京五輪のシングルス枠に入ることがほぼ確定する。
日本女子は10月現在、4位の石川、8位の伊藤美誠、9位の平野美宇が僅差の状態。その下には14位の佐藤瞳もいる。これからの1年3カ月間が重要で、ツアーでのシード権を維持することもコンスタントにツアーで上位に入るためには大切だ。
卓球王国としてはTリーグ参戦を前提にすでに写真撮影と取材を行っていたが、正式発表まで待っていた。
取材の際に「Tリーグでの私の仕事は高いレベルのプレーを観客にお見せすることです。さらに、一般の人も卓球の試合、Tリーグの試合を気軽に観に行こうと思ってもらえるようなアピールをしたいですね。私自身はプロ選手として持っている力を最大限発揮して、『卓球が面白い!』という熱気を伝えられたらうれしいですね。もちろん、1年目は全力で優勝を狙います」と石川はコメントをしている。
石川のTリーグでのフル参戦はないだろうが、彼女の中にはTリーグに参戦しないでワールドツアーだけに専念する選択肢もあったはずだ。だが、そこで日本のエースはあえて決断した。
「自分がリーグ参戦を決断したのは、自分のレベルアップにつながること、また日本でプレーできるので、卓球ファンにも、また卓球を見たことがない人にも,卓球を生で観てもらう良い機会になると思ったからです」(石川)
準備不足が否めないTリーグに対して懐疑的な目を向ける関係者は多い。しかし、「何もやらない人が松下(チェアマン)やリーグを批判することで何が生まれるのだろう」という声もある。
日本のエース、石川佳純は「自身が強くなるために」、そして「日本の卓球界」のために「T参戦」の行動に移した。
(卓球王国編集長・今野)
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