KM東京がまさかの完敗。琉球が勝ち点4をゲット！

神奈川県川崎市の「カルッツかわさき」でTリーグ初開催となった、男子の木下マイスター東京vs琉球アスティーダ。現在、11勝5敗でトップを独走中の木下に対して、琉球は8勝8敗の3位。2位のT.T彩たま（9勝7敗）を抜いてプレーオフ進出を目指す琉球としては、ここで勝利して勝ち越したいところ。

前年王者の木下は、東京五輪代表内定の張本、丹羽、水谷、そして全日本チャンピオンの宇田をダブルスで起用というベストメンバーの布陣。しかしながら1月26日の琉球戦では五輪トリオを擁しながらまさかの敗戦を喫しており、今日も油断はならないだろう。

トップのダブルスは、今シーズン6戦全勝と負けなしの田添健汰／宇田幸矢ペアが登場。対する琉球は前々節の木下戦で水谷隼／大島祐哉を下している吉村真晴／木造勇人。第1ゲームは宇田のチキータを軸に得点を重ねた木下ペアが先制するも、第2ゲームからはダブルスのスペシャリスト、吉村が巧みなプレーを見せる。台上ではフォアフリックで相手の逆をつき、ラリーでは相手の打球を読み切ってカウンタードライブ。第3ゲームは8－8からの3本連取で、無敗の木下ペアを琉球ペアが下した。

「第1ゲームは宇田選手のチキータに対して自分が意識しすぎて、凡ミスが出てしまった。第2ゲーム以降は田添選手のボールに対して自分から攻めることができたし、前半からパターンを作って、完璧な内容でゲームを取ることができた。第3ゲームも、宇田のチキータに対してしっかり待つ。打たせて、そこからのラリーで仕掛けていくことができたのが良かった」と吉村。

勝利を決めて、安心した木造はこの表情

大事なダブルスを落とした木下マイスターだが、2番は大黒柱の水谷隼。先週のワールドツアー・ドイツオープンでは久しぶりにキレのあるプレーを見せてベスト8入り。今回の有延大夢との一戦も、第1ゲームでいきなり9本連取という驚異のスタートダッシュを披露した。このまま水谷ペースで進むかと思われたが、第1ゲームの完敗で開き直ったのか、当たり出したら止まらない男・有延が猛攻で追撃。第2ゲーム開始から積極的にフォアを振っていき、得点をして豪快にガッツポーズ。序盤では苦しんだ水谷のナックルプッシュも回り込んでフォアで狙い打ち、一気に流れを引き寄せた。第3ゲームも、5－1、8－4と水谷がリードするも終盤で有延が逆転。そのまま第4ゲームも8－2とリードを広げた有延が、水谷を振り切った。

戦術マスターの水谷をもってしても有延の豪打は封じれず

0－2と崖っぷちに立たされた木下マイスター。3番の張本智和で巻き返したいが、若きエースも悪い流れに飲み込まれていく。

先週のドイツオープンで敗れている荘智淵との対戦となった張本。「ドイツ帰ってきてから毎日の練習は、すべて負けた試合の課題だったので、前半はイメージどおりにプレーできた」という言葉どおり、第１、２ゲームは圧巻のプレーで張本が先制。バック対バックで完全に主導権を握り、スピードで荘智淵を圧倒。第2ゲームが終わって、荘智淵も呆れたような表情を見せるほどに一方的な展開になった。

そして第3ゲームも9－7で張本がリード。勝利まであと2本、というところで張本がまさかの失速。4連続失点を許し、第3ゲームを奪われる。

これで息を吹き返した荘智淵は、打ち合いではスピードよりもコース取りを優先。ミスのない両ハンドで張本を追いつめると、最終第5ゲームも6－7からの5本連取で鮮やかな逆転勝利。

完敗スタートからの奇跡の逆転劇！

第1、2ゲームはまさにパーフェクトだった張本のバックハンド。「今日は負けたけど、総合的には自分のほうが良いパターンが多かったので、自分にとってはドイツから少し良くなったと思う」

これで琉球アスティーダの勝利が決定。最強の布陣で臨んだはずの木下マイスター東京はまさかのストレート負けという結果に。

続く4番も、気持ちが入りきらない丹羽孝希に対して、精神的に有利な琉球の木造勇人が落ち着いたプレー。最終ゲームは丹羽に1点も与えず、木造が勝利した。「木造の台上プレーがうまくなっていて、ストップ対ストップでもこちらが有利に立てなかった」と敗れた丹羽。

カウンタータイプの天才サウスポー対決は、後輩の木造に軍配

前回の対戦では0－4で敗れていた琉球アスティーダだったが、今日はうってかわって4－0の完勝で勝ち点4を獲得。「正直1点は取ろうという気持ちだったので、4−0は誰も思ってなくて、びっくりしました。最初のダブルス勝って良い流れになりました」と張監督も笑顔。

一方の木下マイスター東京はベストメンバーでの敗戦。主力がドイツ帰国直後に加え、チームの取材等もあって十分な練習ができなかったのが響いたようだ。

3位の琉球が勝って、上位3チームによるプレーオフ進出争いはますます目が離せない状況に。残り4試合、どんなドラマが待っているのだろうか。