●2021-2022Tリーグ女子開幕戦 9.10
〈日本生命レッドエルフ 3−1 九州アスティーダ〉
○森さくら/長崎美柚 5、−8、11 佐藤瞳/橋本帆乃香
○早田ひな 9、−6、4、9 横井咲桜
○笹尾明日香 10、10、−9、9 出澤杏佳
長崎美柚 −10、−7、−6 橋本帆乃香○
昨日の3時間に迫る男子開幕戦、木下マイスター東京と琉球アスティーダの大激戦に続き、女子開幕戦もスコアが示す以上に「濃い」戦いだった。Tリーグ女子4連覇を目指す日本生命レッドエルフが、今季から女子に参戦した九州アスティーダを3−1で下し、好スタートを切った。
日本生命の村上恭和監督が勝因に挙げたのは、1番ダブルスと3番笹尾のシングルスだ。1番ダブルスは選手の故障により、予定したペアリングを急遽組み換え、直前で森と長崎のペアにスイッチしたという。しかも相手は19年世界選手権女子ダブルス3位の佐藤/橋本ペア。このペアが今季からTリーグで見られるのはうれしい。
しかし、佐藤/橋本ペアは「緊張して手が震えたり、サービスが思うように出せなかった」と橋本が語るように、初のTリーグの舞台ではやはり緊張が隠せなかった。森の強打と長崎の広角なコース取りに苦しんだ。3ゲーム目に11−10で一度はマッチポイントを取ったものの、最後は森/長崎が13−11で押し切った。
2番早田と横井の対戦も見応え十分。全日本ベスト8、インターハイ3冠王の新鋭・横井のバックドライブからの連続攻撃は迫力があったが、横井と初対戦の早田は台から少しでも出るサービスは見逃さずにレシーブから攻め、プレッシャーをかける。東京五輪後に練習に取り組んだというYGサービスでも、2本のサービスエースを取り、横井の挑戦を退けた。
「初めて対戦する相手や、久々に対戦する選手だと相手は『負けて当たり前』という気持ちでいろいろな技術や戦術を使ってくる。その中で私は今日、エースとして試合に出させてもらって、絶対に負けられない緊張感の中でいかに点が取れるか、相手の嫌がるコースを攻められるか。昨年の開幕戦(木下アビエル神奈川戦)で、木村(香純)さんに敗れた敗戦を生かせたと思います」(早田)
そして3番では、日本生命からのデビュー戦となる笹尾が、「今まで勝ったことがない」という出澤を破る殊勲の星で、チームの勝利を決めた。どのゲームも出足でリードを許しながら、フォアに振られたボールもよく動いて返球し、守備力の高い異質攻守型・出澤を上回るほどの粘り強いプレー。勝利への決意を感じさせるプレーだった。
勝敗は決したとはいえ、九州アスティーダも4番で橋本が長崎を破り、一矢報いた。世界代表選考合宿でゲームオールジュースの激戦を演じたばかりのふたり。「ギリギリ勝ってまたすぐ当たるので、不安もあった」という橋本だが、軽打をコースに打ち分けて相手を追い詰めていく長崎のカット打ちに、低く鋭いカットと積極的な両ハンド攻撃で対抗。3ゲーム目は要所でフォアの鋭い攻撃を仕掛け、ストレートで長崎を下した。
九州アスティーダの新規参入で、5チームに増えた今季のTリーグ女子。早田は試合後、「世界で活躍した橋本選手や佐藤選手、インターハイ3冠の横井選手と試合ができるのはうれしい。5チームが切磋琢磨して勝ちにいくことで、日本のレベルはもっと上がっていく」と歓迎のコメントを残した。実績十分な選手が揃う九州アスティーダ。近年、多くの災害に見舞われている九州を勇気づけるためにも、まずはリーグ初勝利の吉報を届けたい。
Tリーグは明日も大田区立総合体育館を舞台に、11時から男子の岡山リベッツ対T.T彩たま、16時から女子の日本ペイントマレッツ対木下アビエル神奈川の2試合が行われる。今季は有観客で開幕したTリーグ、迷っている方もまず1試合、決して見て損はさせません。
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