卓球王国 2024年1月22日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
Tリーグ

石川、貫禄の2得点! 木下アビエルが快勝発進

木下アビエル神奈川 40 日本ペイントマレッツ
1勝0敗/勝ち点4 0勝1敗/勝ち点0
1 石川佳純 11-6 14-16 11-9 田代早紀
木原美悠 松平志穂
2 袁雪嬌 11-9 11-2 17-15 馮天薇
3 石川佳純 8-11 11-6 11-3 11-4 李皓晴
4 浜本由惟 11-3 11-7 5-11 11-9 松平志穂
5

 

 東京・アリーナ立川立飛に舞台を移して開催された女子開幕戦のもうひと試合、木下アビエル神奈川vs日本ペイントマレッツ。試合前から両チームの応援団による応援合戦が繰り広げられた一戦は木下アビエル神奈川が4-0の快勝で初陣を飾った。

 トップのダブルスは木下アビエル神奈川は石川と木原の11歳差ペアと、ともにラリー戦に強い田代/松平ペアの対戦。1ゲーム目は「ダブルスの練習は試合前の15分くらい」(石川)という即席ペアの石川/木原が思い切りの良い攻めで奪取するも、2ゲーム目は田代/松平がラリーで粘り勝ち、勝負は第3ゲームへ。終盤まで競り合ったが、ここぞの場面で強気のレシーブを見せた石川/木原が勝利。

 続く2番は袁雪嬌がロンドン五輪3位の馮天薇にストレート勝利。1ゲーム目の出足こそミスが目立ったが、徐々にペースをつかみ、重い両ハンドドライブを連発。台上でも巧みに馮天薇の攻めを封じ、2ゲーム目は一気に10-0まで突き放すなど圧倒。チームに大きな勝利をもたらした。昨日の夜に日本入りしたという馮天薇は3ゲーム目にらしさを見せたが調子は万全とはいかず、プレーに精彩を欠いた。

 そして3番には石川が登場。昨年の女子ワールドカップで敗れた李皓晴相手に「気合いが入り過ぎてしまった」と1ゲーム目こそ失ったが、2ゲーム目以降はきっちり修正。高い集中力で「エグい」コースへのフォアドライブを連発して3ゲームを連取してチームの勝利を決めた。木下アビエル神奈川は続く4番の浜本も鉄壁のブロックと広角に放つ両ハンドで松平を振り切ってTリーグ史上初の4-0勝利、勝ち点4獲得となった。

 今日の試合の主役はなんといっても石川佳純。選手入場の際もひときわ大きな声援を受けたが、単複2勝とエースとして申し分ない働き。試合中の鋭さは健在だが、「お客さんとの距離が近いので緊張感もすごく伝わると思いますし、熱気が私たちにも伝わってきた。大人からちっちゃい子まで、たくさんの方が「カスミ頑張れ!」と応援してくれて力になりました。(Tリーグは)卓球界にとっても、私にとっても新しい挑戦。そのスタートを4-0で切れたのは良かった。良いプレーをして、お客さんにまた来たいと思ってもらえるような試合をしたいと思っていました」(石川)とTリーグの舞台でのプレーを心からエンジョイしているように映った。また、勝利チームインタビュー、会見では袁雪嬌や劉燕軍監督の通訳もつとめるなど、コートの内外で存在感を放ち会場のファンを魅了。初代女王の座を目指す木下アビエル神奈川、そしてTリーグを牽引していくのは、やはり彼女だ。

 敗れた日本ペイントマレッツはチームの主軸となる加藤が疲労と右足の違和感で欠場、来日直後の馮天薇が強行出場と苦しい開幕戦となった。三原監督は「ダブルスの結果が大きく勝敗を分けたかなと思います。まだまだ明日から試合が続くので、切り替えて頑張りたい」と食らいつきながらも惜敗したトップのダブルスを悔やんだ。明日27日は日本生命レッドエルフと対戦する日本ペイントマレッツ。初の「大阪ダービー」でTリーグ初勝利を刻めるか。


「石川さんが自信持って思い切ってやろう、と言ってくれて最後まで強気で行けました」と木原(左)
 

ラリー戦で食い下がった田代(右)/松平だがわずかに及ばす
 

高いポテンシャルを見せた袁雪嬌。応援団からは「ユキ(雪?)ちゃん頑張れ!」の声援
 

かつてサンリツにも所属した馮天薇は再び日本の地でプレーすることに
 

3番で勝利を決めた石川、笑顔で声援に応える
 

4番・浜本も堂々のプレーで勝ち点4獲得に貢献
 

加藤(左)は残念ながら欠場も、チームエンブレムのフェイスシールを貼ってベンチ入り
 

両チームのマスコットも会場を盛り上げた。こちらは木下アビエル神奈川の「えるる」
 

日本ペイントマレッツの「マレットちゃん」。けっこうデカくてビビります

関連する記事