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Tリーグ

琉球が首位・木下マイスターから4−0の勝利!

木下マイスター東京 04 琉球アスティーダ
12勝7敗 6勝12敗
1 田添健汰 11-13 11-6 8-11 江宏傑
大島祐哉 張一博
2 張本智和 10-12 11-8 9-11 6-11 有延大夢
3 侯英超 10-12 7-11 5-11 荘智淵
4 大島祐哉 11-4 4-11 12-14 9-11 陳建安

木下マイスター東京と琉球アスティーダとの一戦。木下マイスター東京はこの試合に敗れても勝点1を獲得すればプレーオフ進出一番乗りが決定。対する琉球アスティーダは残り4試合すべて4−0で勝利しても現在2位の岡山リベッツを上回ることが出来ないため、すでにプレーオフ進出への望みは絶たれてしまっているという状況。会場には木下のプレーオフ進出決定の瞬間を目の当たりにしようと多くの木下応援団が訪れたが、試合は琉球が4−0で木下を下すという結果になった。

勝利した琉球アスティーダ


第1マッチのダブルス。「4チームの中でもダブルスの勝率が低かったので、チームの勢いがつくダブルスは何としてでも勝ちたかった」という琉球アスティーダ選手兼コーチの張一博。「試合前に話しあって作戦を立てた」という江宏傑/張一博は、大島祐哉/田添健汰の勢いのあるボールに押されて失点する場面もあったが、「台上が柔らかくて丁寧」と外間監督も称する江宏傑がチャンスを作って、張一博が決めるパターン。無理にラリーにはつきあわず、しっかり一球一球質の高いボールを送った。第1ゲームを13−11で奪うと、第2ゲームは失ったもの、6−6からスタートする第3ゲームは7−7から3連続ポイントでマッチポイントを奪い、11−8で若手ペアを振り切った。現在は神戸に住んでいるという張一博は「家族や教室の生徒さんも応援に来てくれていたので嬉しい」と笑顔を見せ、これがTリーグ初勝利となった江宏傑も「奥さん(福原愛さん)には落ち着いたら連絡する」とはにかんだ。

流れを作った琉球の江宏傑/張一博


出鼻をくじかれた首位・木下は第2マッチに張本を投入。失いかけた流れを再び引き寄せるにはうってつけの選手だが、琉球・有延が大きく立ちはだかった。「ダブルスが勝利していい流れで繋いでもらったので、何とか自分が勝利したいという気持ちが強かった」と有延。「張本選手の方が若いが技術も経験も上」と挑戦者として向かった有延は第1ゲームを8−10から逆転で奪う。第2ゲームは奪われたが、「昨年10月に対戦した時のビデオを試合前に見て研究した(有延)」というようにバックにボールを集めすぎないようにしてフォアハンドの勝負に引きずり込んだ。第3ゲームを11−9でものにすると、第4ゲームは1本目から目の覚めるようなカウンタードライブを決めると一気に6−0とリード。7−6まで追い上げられたが、ここから4連続ポイントで11−6。日本のエース、張本から勝利をあげた。「張本は若いので安定していない。今日は状態も良くなかった」と邱建新監督は振り返り、ややミスが目立ちいつもの攻撃的なプレーが影を潜めた張本も「くやしかった」と言葉少なに会場を後にした。

有延が張本を下す!


こうなると流れは完全に琉球。第3マッチは琉球・荘智淵vs.木下・侯英超。ちょうど1週間前の対戦で最終ゲームにまでもつれる激戦を繰り広げた両者。前回はゲームオールの末の決着だったが、今日はなんと3−0であっさりと荘智淵が勝利した。侯英超のブツ切りカットの前にボールがネットを越えなかったり、カウンタードライブを抜かれるなど大味の失点を許してしまうこともあったが、2−0でタスキを受け取った荘智淵は慌てなかった。侯英超のバックミドルを狙ってからラリーを組み立て、チャンスボールだけを狙い打ち、ドライブで反撃されてもしっかり止めた荘智淵。終始集中したプレーを貫いた荘智淵とは対称的に、最後は雑になってしまった侯英超。第3ゲームは11−5、琉球の勝利が決まった。

荘智淵、今日も侯英超を攻略!


3−0で勝利が決まったとしても第4マッチまで行われるTリーグ。木下は大島、琉球は陳建安が登場した。土曜は岡山に0−4で敗れており、2戦連続0−4での敗戦は避けたい木下の大島は気合いを前面に出し、積極的に攻め続けて第1ゲームを11−4で奪取。一気に勝負を決めたい大島だったが、やはり今日の流れは琉球。エンジンがかかり、前陣で攻めの早さを見せた陳建安が第2ゲームを11−4で奪い返す。第3ゲームは7−10で先にゲームポイントを握られたが、粘り強く攻めて14−12で奪い、第4ゲームは倒れこみながらのカウンターフォアドライブを決めるなど、いつも以上に積極的に攻めの姿勢を見せた陳建安が3−1で勝利。プレーオフ進出がなくなった琉球アスティーダが、プレーオフ進出まであと一歩という木下マイスター東京を4−0で下すという誰もが驚く結果になった。

攻め切った陳建安


ボールに必死に食らいついた



連敗を4で止めた琉球の外間監督は「オーダーを見たときに想定していた感じで、みんな準備ができていた。迷いなくプレーしていた」と振り返り、張本を下した有延に対しては「有延選手らしいすごいボールが入っていて、ベンチにいながら強いなぁと思っていた」と満足げな様子。すでにプレーオフ進出への望みは絶たれているが、「Tリーグは多くの人が見に来てくれているし、一戦一戦勝ちに行くプレーを見せたい」と力強くコメント。木下との最終戦を勝利で締めくくった琉球。残り3戦の戦いぶりも楽しみだ。

インタビューに応える琉球・外間監督


一方、水谷不在の2戦を0−4で落としてしまった木下マイスター東京。「次はベストなオーダー(邱建新監督)」と、次戦に勝利してプレーオフ進出を決めたいところだ。
 

長蛇の列を作った高砂市総合体育館

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