今シーズンの第2戦でT.T彩たまを3−2で破り、今シーズンの初勝利を挙げた岡山リベッツ。試合の滑り出しはあまりに厳しいものだった。トップで昨シーズンの最優秀ペア、上田・森薗ペアが黃鎮廷・神ペアにまさかのストレート負け、ダブルス巧者の黃鎮廷が、巧みな台上プレーで神の豪腕フォアハンドにつなげた。
黃鎮廷・神ペアは、岡山の最強ペアに圧巻のストレート勝ち
「対策を立てられているのを感じた」という上田・森薗。ストレートをうまく突かれた
しかし、岡山は2番ですかさず1−1のタイに戻す。「開幕戦で負けてしまったので、早く初勝利を挙げたいと思っていた」という町飛鳥が松平健太に逆転勝ち。1ゲーム目、後陣から神懸かり的なスーパープレーを連発した松平が11−7で奪い、「松平有利か」と思われたが、3ゲーム目に町は2−8のビハインドから大逆転。早いタイミングのツッツキを松平のバック深くに送り、うまくミスを誘いながら、あわてず両ハンドで得点を重ねた。
最少人数の4人でこの試合を戦った岡山。上田、吉田、町、森薗とメンバーはいずれも青森山田高OB。「アオモリベッツ、頑張ろうぜとみんなで話していました、ベンチの雰囲気はすごく良いし、ぼくらのチームワークはどこにも負けない」(町)。
町、うれしいTリーグ初勝利は先輩の松平健太から
気合いが入っていた松平。プレーも冴えていたが、3ゲーム目の逆転負けが悔やまれる
そして3番、吉田がピチフォードに驚きのストレート勝ちを収める。ピチフォードはらしからぬミスが多く、2ゲーム目も終盤で追い上げた9−10の場面で、ミドル攻めに詰まった吉田がやっとあげたボールを打ちミス。観客席からは「ゴー!ピッチ!」の声援も飛んだが、日本男子の「天敵」と言われた強靭な両ハンドドライブはしなやかなさを失っていた。
ピチフォード、本領発揮にはもう少し時間がかかりそう
試合後、「ピチフォードは昨日、日本に来て本当に初めての試合だったんです。ぼくも経験がありますが、どうしても環境が変わるとプレーも変わってしまう」と語ったT.T彩たまの坂本監督。「今日、ビクトリーマッチに使いたい気持ちもあったけど、難しかった。ぼくにビクトリーマッチのオーダーに名前を書かせるようなプレーを、これからしていってほしいですね」(坂本監督)。
4番黃鎮廷対森薗は、森薗が決死の回り込みカウンターを見せれば、黃鎮廷が鮮やかなフォアストレートのパワードライブで打ち抜く好ゲーム。最後は僅差で黃鎮廷が制したが、会場の盛り上がりは最高潮に達した。
黃鎮廷、森薗に競り勝って会心のガッツポーズ
ビクトリーマッチは神巧也対吉田雅己。3−0とスタートダッシュをかけた神が4-1とリードしたが、吉田のプレーは崩れず、バック対バックで確実に得点を重ねて粘る神を振り切った。
サムライ吉田がこの笑顔。シングルス2勝で初勝利の立役者に
「3番でぼくが勝った時点で、監督からビクトリーマッチは吉田だと言われたんですけど、最初は嫌だって言ったんです。3番で勝って気持ちよく終わりたくて(笑)」と笑顔で語った吉田。苦しんだ昨シーズンを払拭するような、会心のプレーだった。キャプテン上田曰く、「昨シーズンから通して、森薗が2点落としてチームが勝ったのは初めて」。岡山にとって、このシーズン初勝利は非常に大きな意味を持つものとなった。
岡山、初勝利の勢いに乗って、ホームの岡山での第3戦に乗り込む