琉球アスティーダ | 1-3 | T.T彩たま |
10勝9敗 | 10勝9敗 |
1 | 吉村真晴 | 11-8 | 4-11 | 9-11 | 黄鎮廷 | ◯ | |||
李平 | 神巧也 | ||||||||
2 | 木造勇人 | 11-6 | 10-11 | 11-10 | 10-11 | 11-13 | 松平健太 | ◯ | |
3 | 朱世赫 | 9-11 | 11-8 | 6-11 | 8-11 | 神巧也 | ◯ | ||
4 | ◯ | 吉村真晴 | 11-9 | 9-11 | 11-5 | 11-9 | ピッチフォード | ||
2019-2020シーズンも残り3試合。1位から3位の勝ち点差がわずか4という大混戦の中、2位・琉球アスティーダvs.3位・T.T彩たまの試合が茨城県・かみす防災アリーナにて行われた。
プレーオフ進出を占う大事な一戦を見届けようと、祝日らしく会場には多くのファンが訪れた。
第1マッチのダブルス、琉球は吉村真晴/李平。前回の2月1日の彩たま戦で勝利をあげているペアだ。対する彩たまは黃鎮廷/神巧也のペア。出足から吉村が台上フォアフリックを決めて1-0、次のポイントも吉村がフォアドライブを決めるなど攻め手に勝った琉球ペア。彩たまペアを守勢に追い込み1ゲーム目は11-8で琉球ペア。2ゲーム目はダブルス巧者の黃鎮廷が本領発揮。巧みなストップやコース取りで先手を奪うと、苦しくなった琉球ペアが無理をしてミスが目立つ。彩たまペアが7-2と大きく引き離し、そのまま11-4で彩たまペアが奪い返す。
6-6からの第3ゲームは最終ゲームにふさわしいシーソーゲーム。9-7から大きなラリーを落とした流れを切るべく彩たまペアがタイムアウト。タイムアウト明けに失点した彩たまペアだったが、10-9でマッチポイントを奪うと、神のバックハンドクロスで琉球ペアをバックサイドに寄せ、黃鎮廷がバッククロスにフォアハンドドライブを決めて勝利! 彩たまが大事な先取点をあげた。
第2マッチは琉球・木造vs.彩たま・松平。木造のハイスピード卓球に苦しんだ松平が第1ゲームを6-11で落とす。第2ゲームは10-2の大量リードから8連続失点を喫し、あわや大逆転されるところだったがなんとかこのゲームをものに。このゲームを取れたのが大きかった。
第3ゲームは10-11、第4ゲーム11-10と大接戦のゲームを取り合って迎えた最終ゲームも、どちらが一本多く取れるかという白熱のゲーム。10-11で先にマッチポイントを取られた松平だったが、ここで起死回生の後陣からのバックハンドドライブ。なんとか追いついた松平、最後はレシーブをバックで力強く振り抜くと、木造のフォアがネットを越えずに松平渾身のガッツポーズ。彩たまが連勝で王手をかけた。
「サービスを逆横回転系に変えてから良くなった」と振り返った松平。木造の速さに苦しんだが、緩急をつけた返球、それに合わせてきた木造に対してあえてペースを速くするなど、チェンジオブペースの試合運び、坂本監督に「ケンタのバックハンドが見事だった」と言わしめたマッチポイントを握られてから決めたバックハンド。「2ゲーム目目で大量リードされてタイムアウトを使ってしまったので、その後も使いたい場面がいくつもあったが、使えなかった」と試合後に話したが、それでも大事なポイントをしっかり取り切ったのはさすがだった。
勝利を決めたい彩たまはキャプテン神が登場。琉球はカットマンの朱世赫だ。第1ゲーム出足は神のカット打ちにミスがなく、朱に攻撃されてもしっかり止めて神が5-1のリード。5-5に追いつかれてから1ポイント奪い合い、互いに第1ゲームが勝負と見たか緊張感のある展開となったが8-9から神が3ポイント連取で第1ゲームを奪った。
第2ゲームは打点の早いツッツキやバックフリックなど様々な球種を駆使した朱が奪い返す。第3ゲーム、5-2とスタートダッシュに成功した神がリードを守り切り11-6。王手をかけた神、第4ゲームは3-4から6連続ポイントを奪って9-4となり勝負あり。気迫のこもったフォアハンドドライブを打ち抜くと、勝利を噛み締めるように静かなガッツポーズ。その瞬間にはいつもの大きなガッツポーズは出なかったが、ベンチに戻るときに観客席の彩たまサポーターからの大きな声援を浴びると、それに応えるように大きく振りかぶってのガッツポーズ&ジンタクシャウト! 彩たまが勝利を決めた。
勝負が決まったあとの第4マッチは地元・茨城出身の吉村真晴が意地を見せる。ともにバックハンドを得意とするピッチフォードとの戦い。第1ゲームは攻撃力に上回る吉村が先取。2ゲーム目はミドルを攻めてからフォアサイドを狙うなど、クレバーな配球をみせたピッチフォード。第3ゲームは吉村のサービスからの展開が良く、それと同時にバックハンドのピッチでも相手を上回ってきて吉村が11-5。
あとがなくなったピッチフォード。第2ゲームのような展開でミドル~フォアサイドをつき、吉村の待ちをボール一個分外して十分な体勢を作らせずにじわじわ追い込む。7連続ポイントを奪い、勝負は最終ゲームにもつれこむかと思われたが、諦めなかった吉村。3-8から連続ポイントで一気に逆転。吉村のサービスに苦しみ、その後の展開でもバックハンドのミスが目立つようになってきたピッチフォードは万事休す。11-9で吉村が取り、地元出身の吉村が一矢報いた。
今日の勝利で琉球を抜いて2位に浮上したT.T彩たま。坂本監督は「今日の試合に負けるとプレーオフに行ける確率が1%未満になってしまうので、負ける訳にはいかなかった。首の皮一枚つながった」と安心した様子ながら、「最終戦でまた琉球と対戦し、そこでプレーオフ進出が決まる」と気を引き締める。レギュラーシーズン残り2戦となったが「プレーオフに行きたいという強い気持ちを持って、チーム一丸となって全力で卓球を楽しみたい」と語った坂本監督。昨シーズン3位で惜しくもプレーオフ進出がならなかったT.T彩たま。今シーズンはプレーオフ進出なるか。
琉球・張監督は「悔しいです」と一言だけ語り、悔しさがにじみ出ていた。
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