日本ペイントマレッツ | 4–0 | トップおとめピンポンズ名古屋 |
5勝14敗 | 7勝12敗 |
1 | ◯ | 李皓晴 | 11-6 | 11-10 | 森薗美咲 | ||||
黄郁ウェン | 鈴木李茄 | ||||||||
2 | ◯ | 馮天薇 | 8-11 | 11-8 | 11-6 | 8-11 | 13-11 | リン・イエ | |
3 | ◯ | 李皓晴 | 10-11 | 11-1 | 9-11 | 11-8 | 11-9 | 森田彩音 | |
4 | ◯ | 小塩遥菜 | 4-11 | 11-8 | 11-0 | 11-8 | 出澤杏佳 | ||
茨城県・かみす防災アリーナで行われたTリーグ2戦目は女子の日本ペイントマレッツ(4位)vs.トップおとめピンポンズ名古屋(3位)。残り3試合を残して、3位名古屋と2位木下アビエル神奈川との勝点差は12だったが、14時から開始の木下vs.日本生命レッドエルフの試合で木下が勝利。勝点が15に広がり、名古屋は残り3試合に勝利しても木下を上回ることができなくなってしまった。
対する日本ペイントは現在10連敗中。プレーオフ進出がならなかった2チームの対戦だったが、どの試合も見応えのある戦いが繰り広げられた。
第1マッチのダブルス、日本ペイント・李皓晴/黄郁ウェンvs.名古屋・森薗美咲/鈴木李茄。1ゲーム目、台上の攻防で優位に立った日本ペイントペア。名古屋ペアが3球目を打ちあぐねたボールを見逃さずに決めて11-6で先取。2ゲーム目、李皓晴がチャンスを作り、黄郁ウェンが決めるパターンで得点を重ねるが、黄郁ウェンにはミスも出て得点を分けあい、10-8とマッチポイントを奪ったところから追いつかれて10-10の一本勝負に。最終ゲームにもつれたらどうなるかわからないという非常にプレッシャーのかかる場面だったが、ここでは黄郁ウェンが左腕を振り抜き、11-10で勝利。大きな先取点をあげた。
第2マッチは日本ペイントが頼れるベテランの馮天薇、名古屋はリン・イエでシンガポールの先輩後輩対決となった。第1ゲーム、回転量のあるドライブとコース取りの厳しいバックハンドを武器にした馮天薇が8-4とリードするも、連続失点で8-7と追い上げられたところでタイムアウトを取った馮天薇。しかし流れは変えられず、8-11で第1ゲームを落とす。第2ゲーム、序盤はリードする馮天薇だが、5-1から不運なポイントで5-3。徐々にラリーについていけるようになったリン・イエがまたも追い上げ、7-8と逆転される。第1ゲームの悪夢がよみがえったが、慌てなかった馮天薇が11-8で奪い返す。
第3ゲームは馮天薇のペース。サービスを持ったら強気に攻める姿勢を見せ、11-6。一気に決めたい馮天薇だったが、Tリーグ参戦後まだ勝利のないリン・イエも諦めない。粘り強くラリーを続けチャンスを見つけると強打を繰り出す。2度の4連続ポイントでリードを広げたリン・イエの11-8。最終ゲームへと突入した。
第5ゲーム、馮天薇の得意なバックを攻め8-6とリン・イエがリード。長いラリーやロビング打ちを制した馮天薇が逆転で10-9。窮地に立たされたリン・イエがバックハンドを叩き込み10-10。バック対バックを制したリン・イエが10-11でマッチポイント。ネットを味方につけた馮天薇が11-11で追いつく。フォア連打を決めた馮天薇が12-11でマッチポイント。馮天薇はバックサイドを切るサービスで、リン・イエをバックサイドに大きく動かし、3球目バックハンドをミドルに放ちゲームセット。苦しんだ馮天薇だったが、声を出したのは1度だけ。ベテランらしい引き出しの多さで、後輩を退けた。日本ペイントが2-0とした。
日本ペイントの勝利がかかった場面で登場したのは李皓晴。名古屋は森田彩音だ。第1ゲームから競り合いとなり、フォアを積極的に振った森田がわずかに上回り11-10で先制。しかし2ゲーム目はラブオールからサービスエースを2本決めるなど、エンジンがかかった李皓晴の攻撃が冴えて11-1。
第3ゲームは李皓晴のバックサイドを潰した森田が11-9でまたもリード。第4ゲーム、出足で李皓晴にミスが続いて0-2でタイムアウト。その後も0-3、1-5と森田の攻めに劣勢だったが、徐々にボールが合ってきてカウンターが決まり出し、8-6で逆転。タイムアウトをとった森田はラリーをしのぎきって8-7とするが、反撃にはいたらず11-8。第2マッチに続いて第5ゲームへ。
いきなりフォアカウンターを決めた李皓晴が7-6。2本取られたあとサービスエースで李皓晴の8-8。森田が得意のバックドライブを決めて8-9。激しいカウンターの打ち合いを制した李皓晴が9-9。このラリーに打ち勝った李皓晴がマッチポイントを奪い、最後はフォア前に出したサービスを森田が返せず。チームの勝利を決めた李皓晴は目をつぶりながら静かに拳を握りしめた。
10連敗からの脱出を決めた日本ペイントマレッツの勢いは止まらず。第4マッチは小塩遥菜vs.出澤杏佳の若手同士の対戦だったが、一度も勝ったことがないという小塩が出澤に3-1で勝利。4-0での最高の勝利を演出した。
第1ゲームは地元・茨城出身の出澤の異質ラバーからの攻撃に対応できずに4-11で落としたが、「小林コーチと僕とで、カットマンの視点からと攻撃マンからの視点でサポートできた(三原監督)」とそれに応えた小塩。第3ゲームは11-0で奪ったが、第2ゲーム終盤9-8~第4ゲーム5-0まででなんと18連続得点の離れ業。攻撃力もある小塩だが、無理に攻撃はせず。三原監督も「今日の僕の中のヒロインは小塩」と手放しで喜んだ。対する出澤は「学校やクラブの友達も来てくれていたのに残念」と肩を落とし、藤川監督も「経験を積んでもらおうとここのところずっと出てもらっているが、今日は勝負が決まった場面で回ってきてしまって難しかったかな」と気遣った。
勝利した日本ペイント・三原監督は「長いトンネルでしたが、応援してくれる人の温かい声は届いていたので、落ち込むことはなく笑っていられた。選手もいつでも試合に出られる準備はしてくれていた」とまずは感謝の言葉を口にした。今シーズンも残りあと2戦となったが、「このメンバーで最後まで戦うし、みなさんに変わらず温かく応援してもらえるような試合をしたい。引き続き応援をよろしくお願いします」と締めた。
一方、敗れた名古屋・藤川監督は「3戦連続0-4の敗戦となってしまったが、今日は競った試合が多く勝てるチャンスもあった。選手はみんな頑張ってくれたので”勝負どころでのあと1ポイント”を痛感した試合でした」と振り返り、「残り2戦、みんなチャレンジする気持ちを忘れずに1人1点を目指してTリーグを戦っていきたい」と語った。
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