日本生命レッドエルフ | 2-3 | 木下アビエル神奈川 |
0勝1敗 | 1勝0敗 |
1 | ◯ | 前田美優 | 11-10 | 9-11 | 11-8 | 長﨑美柚 | |||
赤江夏星 | 木村香純 | ||||||||
2 | ユ・モンユ | 8-11 | 4-11 | 5-11 | 木原美悠 | ◯ | |||
3 | 早田ひな | 7-11 | 8-11 | 10-11 | 木村香純 | ◯ | |||
4 | ◯ | 森さくら | 11-5 | 11-4 | 8-11 | 11-6 | 浜本由惟 | ||
5 | 早田ひな | 7-11 | 木原美悠 | ◯ |
ノジマTリーグ女子開幕戦は、昨シーズン優勝の日本生命レッドエルフと同2位の木下アビエル神奈川の対戦。先に行われた男子開幕戦がオールストレートで終わったのに対し、女子開幕戦はVM(ビクトリーマッチ)までもつれる激戦に。最後は16歳の木原が全日本チャンピオンの早田に勝ち、木下アビエルが2時間の激闘を制した。
日本生命は腰の怪我のため平野美宇が欠場し、木下アビエルは海外試合に参戦中のためエースの石川佳純が不在というチーム状況。ベンチメンバーを見ると、日本生命には昨シーズンにシングルス最多勝の森、エースの早田、そしてシンガポールのユ・モンユがいる。
対する木下アビエルは、客観的に見ると木原と長﨑の「Wみゆう」で3得点を取らなければいけないという厳しい状況だが、長﨑が左足首を捻挫し、回復しつつあるが大事をとってダブルスのみの出場。戦前の予想は「日本生命有利」と見ていた。
1番のダブルスは、前田・赤江と長﨑・木村のカード。高校1年の赤江は、昨シーズンに中学生ながら単複で4勝を上げるなどTリーグで活躍した若手。その赤江は前田のアシストを受けながら要所で豪快なフォアドライブを決めるなどこの試合でも力を発揮。対照的に今シーズンに木下アビエルに加入し、開幕戦の1番でTリーグ初出場となった木村は緊張からか固さが見られた。ゲームオールで日本生命が先取点をあげる。
前田(左)と赤江が貴重な先取点をあげる
長﨑(左)は左足捻挫のため本来のパワーが出せず。初参戦の木村も緊張が見られた
2番はユ・モンユと木原。木原は強烈な巻き込みサービスを武器にユ・モンユを圧倒。サービスエースを量産しながら、レシーブではバック側のロングサービスに対して狙いすまして回り込んでフォアドライブで得点するなど、終始ペースを握った。木下アビエルが1点を取り返す。
速いスイングで振り下ろす木原の巻き込みサービス
3番は早田と木村。大方の見方は早田の勝利を予想していたのではないだろうか。だが、ここで木村が会心のプレーを見せる。木村は良く切れた巻き込みサービスで早田のレシーブミスを誘うと、1ゲーム目を11-7で取った。早田はフォア側にハーフロングで出された巻き込みサービスをうまくレシーブできなかったが、それでも2ゲーム目から早田が巻き返していくと思って見ていた。
木村は効いている巻き込みサービスだけではなく、右横回転サービスも混ぜて早田のチキータを封じ、レシーブから崩していく。ツッツキのレシーブに対してはフォアドライブでしっかりと回転をかけて攻め、ストップに対してはフリックを打つ。ダブルスの時のような緊張はなく、堅実かつ巧みなサービスワークで早田にペースを握らせない。
一方、早田は得点を奪う時は目の覚めるようなドライブを決めるが、台上やカウンターにミスが目立った。3ゲーム目もジュースで木村が取り、初参戦のTリーグで大金星を上げた。エースの石川佳純が不在の中、新加入の木村香純(かすみ)が衝撃的なTリーグデビューを飾った。
回転量の多いフォアドライブで早田を攻めた木村
台上などこの日の早田はミスが目立った
木村が大金星。試合の流れを木下アビエルに引き寄せた
あとがなくなった日本生命だが、森はおくすることなく早い打球点から切れのある両ハンドドライブを連発。浜本はなんとか1ゲームを返したが、攻撃の手を緩めなかった森が快勝。勝負はVMに託された。
VMマッチは早田と木原が登場。1ゲームのみの戦いのためスタートダッシュが鍵になる。木原はユ・モンユ戦と同様に、下回転と上回転の変化がわかりづらい巻き込みサービスで5-2とリード。早田も5-6と追いつきかけたがそこから木原が3連続得点で突き放し、11-7で勝利。昨シーズンもVMで連勝を重ねた強心臓を持つ16歳の木原が、開幕戦でもその強さを発揮した。
頼もしき16歳の木原。VMでも強気で攻めきった
2得点をあげた木原は「正直に言うと(VM)はあまり勝つ自信はなかったですが、勝てて良かったです。(コロナ禍で)試合がない時期にすごく成長しようという気持ちで、毎日課題を必死で練習してきたので、開幕戦で成果を出すことを楽しみにしていた」と笑顔でコメントした。
敗れた日本生命の村上監督は「早田は試合から遠ざかっているので、サービス、レシーブのコンビネーションが良くなかった。相手もよく研究していました。アビエルは石川佳純も外国人選手もいないので、メンバー的には有利かと思ったが……」と語った。
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