ノジマ Tリーグ男子プレーオフファイナルが東京・アリーナ立川立飛で行われ、レギュラーシーズン1位の木下マイスター東京が同2位のT.T彩たまを3-1で下し、2シーズンぶり3度目の優勝を果たした。試合の結果は下記のとおり。
【2021-2022 ノジマ Tリーグ男子プレーオフファイナル】
〈木下マイスター東京 3-1 T.T彩たま〉
○大島祐哉/田添健汰 9、8 上田仁/松平健太
○張本智和 9、9、9 曽根翔
大島祐哉 -4、-10、-6 丹羽孝希○
○及川瑞基 -7、7、9、-1、8 篠塚大登
スタートのダブルス、まずはKM東京のダブルス職人2人がそのテクニックを発揮する。第1、2ゲームとも点数が離れず互角の展開で試合が進むも、大島/田添がストップを有効に使いながらストレートで勝利。勝負を大きく分けるダブルス、まずはKM東京が先制点をあげる。
2番は今日のキーマッチと見られた張本vs.曽根。2人は全日本後のTリーグで4度対戦し、曽根が3勝と勝ち越し。しかし、今日の張本は曽根のバックドライブを無理にカウンターで狙わず、ブロックで待ちを外してミスを誘う。レシーブもチキータは控え、回り込んでのフォアでのレシーブなども織り交ぜて曽根のペースに持ち込ませない。3ゲームともに曽根がリードするも、2ゲーム目は4-8から試合をひっくり返すなど、張本が終始落ち着いたプレーで逆転。「これぞエース」という落ち着いたプレーを見せた張本が大きな1勝をあげ、KM東京が王座奪還に王手をかけた。
追い込まれたT.T彩たまだが、初のプレーオフファイナルで簡単に負けるわけにはいかない。3番では丹羽が会心のプレーを披露。サービスで大島を苦しめ、思い切りの良い速攻を連発。回り込んでのフォアドライブも冴えに冴え、ストレートで大島を圧倒。彩たまの坂本監督は「シーズン通して1番の試合じゃないかと思う」と語るほどの素晴らしいプレーで、丹羽がまずは1勝を奪い返す。
彩たまは4番も篠塚が好調な出足。シーズンMVPの及川を相手に打ち合いで得点を重ねるなど、成長を感じさせるプレーで1ゲームを先行。しかし、2、3ゲーム目はクレバーなプレーを取り戻した及川が奪い返し、KM東京が優勝まであと1ゲームに迫る。だが、4ゲーム目は篠塚が3-1から8点連取で取り返し、勝負は最終ゲームへ。
しかし、最後に底力を見せたのは及川だった。篠塚を11-8で振り切り、両腕を高く広げた及川。今シーズンは開幕からチームを牽引し、Tリーグ新記録の16連勝も記録した男が、その勝負強さでチームに2シーズンぶりの栄冠をもたらした。
開幕直後にKM東京の監督に就任した倉嶋監督。スター軍団を率いて、見事就任1シーズン目で王座奪還を達成した。
「こちらが思う形でオーダーが当たった。あとは日頃の成果を発揮するだけだなと。団体戦の肝であるダブルスを勝ちたかったので、大島/田添で勝てたことが勝負の分かれ目だったと思います。張本はここ最近曽根に負けていたけど、そこで勝ってくれたので、だいぶ勝利に近づいたんじゃないかなと思っています。
シーズン序盤、張本が世界選手権などでいない中で、及川、大島、吉田が中心になって本当によく連勝を伸ばしてくれた。今日の試合もダブルスを勝てないと厳しいかなと思っていたけど、しっかり調整してくれた。Tリーグの監督は楽しいですね。代表監督の頃とは違った楽しさみたいなものを感じています」(倉嶋監督)
4シーズン目で初めてプレーオフへの切符をつかみ、KM東京にも食らいつき、会場を沸かせた彩たま。坂本監督は「このチームでやれて誇りに思う」と試合後の会見で口にした。
「前半0-2で始まってしまい、そこで苦しい展開になってしまった。1-1で前半を折り返せれば少し違ったのかなとは思う。プレーオフだから緊張というのはなかった。レギュラーシーズンのプレーオフ争いのほうが緊張感があったので、今日は楽しみな気持ちが多かった。
プロスポーツはどれだけファン、スポンサーに応援してもらえるかが大事。4シーズン監督をしてきて、簡単なことではなかったし、まだまだのところもあるけど、今日の会場からの拍手が日頃から活動してきたことへの結果。このチームでやれて誇りに思う」(坂本監督)
両チームともに気合いの入った戦いぶりを見せ、それに応えるように、観客からの手拍子も鳴り止まなかった今日の試合。明日も18:30から女子プレーオフファイナルが行われるが、今日の試合にも負けない熱戦に期待したい。
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