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【卓球】神巧也、ブンデス1部の「FC.ザールブリュッケン」と契約。「収入が落ちても強くなるための選択をすることも必要」

1月の全日本選手権の神巧也

 

日本にいると、「もうベテランでしょ、
年上ですね」という空気感があって、
自分もそういう色に染まってしまいそうでした 

1993年3月2日生まれの29歳。かつて卓球王国と言われた青森県の黒石市出身。父の影響で小学2年の時に始めた卓球。全国的には無名の選手だったが、青森山田中に入学してから力をつけた。インターハイ3位の成績を残し、明治大に進み、在学中にスウェーデンリーグの門を叩き、ワルドナー、アペルグレンという世界金メダリストのいる「スポルバーゲン」でプレーした。
一度、海外でのプロ生活を経験した神巧也が、日本での試合が減った時にヨーロッパを目指すのは当然のことだった。

ーー3年前にシチズンという一流企業を辞めて、Tリーグに入って、今度はドイツに行く。ラケット一本のプロ生活、この短い期間を振り返るとどうだろう?
 たぶんシチズンで働いていた時に、「じゃ会社を辞めて、ブンデスリーガに行きます」という選択肢は絶対ないと思う。ハードルが高すぎた。それがTリーグに入った時に、その(海外に行くという)ハードルが低くなったんですね。プロ卓球選手としてラケット一本でやっていくのは日本だけじゃないから。世界が広がった感じがしました。可能性が広がりました。実業団にいたら、ぼくは今年か来年には引退して仕事に入る年齢だけど、ぼくはまだまだ卓球をやりたいんですよ。
日本では実業団だと年功序列で年齢の高い人から引退になる。海外を選択肢に入れたら、ぼくの年齢はまだまだ若い。今まで日本では日本代表で世界選手権、五輪代表になって成功を収めたらスポンサーも集まる状況だったけど、フランスやドイツなら成功収めれば十分にお金を稼ぐことができるので、プロ卓球選手としての幅はまだまだあります。

ーー単身でドイツに向かうモチベーションとは?
 やっぱりまだまだ強くなりたいですね。そして強くなれると思っています。強くなるための環境を選ぶのは人それぞれなので、ぼくは試合をしたいし、いろんな人と練習をしたいので今の選択になりました。

ーー今は楽しみ? 不安?
 正直に言えば不安です(笑)。でも、不安だから頑張れます。いろんな経験をするのは大事だし、近くで(松平)健太さんや(丹羽)孝希を見ていると、彼らは世界選手権にも何度も出て、数え切れないほど国際大会も経験して、1周、2周して、今日本にいます。経験値が全然違うんですよ、彼らは。ぼくはそこまで至っていないし、まだまだだなと。だから旅に出ます。もう29歳ですけど(笑)。頑張ります!

○○○○

来シーズン、多くの日本男子選手がヨーロッパを目指す。

プロ選手として生活のために行く者、あるいは強くなるための選択肢として目指す者もいる。ヨーロッパでの選手生活は日本とは相当に違う。その経験が卓球だけでなく、彼らを人間としてさらに強くしてくれるのは間違いない。
インタビュー:今野昇
<神巧也のインタビュー全文は卓球王国6月号(4月21日発売)に掲載>

 

 

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