琉球アスティーダ |
0-4 |
木下マイスター東京 |
8勝8敗 |
11勝5敗 |
1 |
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村松雄斗 |
8-11 |
11-5 |
8-11 |
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田添健汰 |
◯ |
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朱世赫 |
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宇田幸矢 |
2 |
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李平 |
6-11 |
11-2 |
5-11 |
11-10 |
10-12 |
大島祐哉 |
◯ |
3 |
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朱世赫 |
10-11 |
7-11 |
4-11 |
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宇田幸矢 |
◯ |
4 |
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吉村真晴 |
6-11 |
9-11 |
5-11 |
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侯英超 |
◯ |
5 |
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試合前の勝ち点は
T.T彩たま 32点
木下マイスター東京 31点
琉球アスティーダ 29点
という状況だ。
もしこの試合で琉球アスティーダが3−2勝てば、
T.T彩たま 32点(変わらず)
木下マイスター東京 +1点で32点
琉球アスティーダ +3点で32点
となり、上位3チームの勝ち点が並ぶという大混戦。
ホームの琉球アスティーダが迎え撃つのは木下マイスター東京。木下はドイツオープンに出場しているため主力メンバーである張本、水谷、丹羽が不在だが、それでも大島、宇田、侯英超、田添兄弟という布陣がいる。この分厚い選手層が木下の恐ろしいところだ。
特に全日本チャンピオンの宇田は、ドイツオープンで敗退後、すぐに帰国してすぐに沖縄入りをする強行スケジュールだ。それだけ木下といえど、この終盤での試合を落とすことはできない。
オーダーはがっぷり四つの総力戦。予想が難しい試合となった。
琉球アスティーダのダブルスは1月のT.T彩たま戦で結成した村松/朱世赫のカットペア。対する木下マイスター東京は攻撃力の高い田添/宇田ペアで勝負。
1ゲーム目は木下ペアの攻撃がよく決まっていたが、2ゲーム目から琉球ペアが粘りを見せる。相手のストップに対して、ツッツキで変化をつけて打ちミスを誘い、カットのコースもそれぞれのフォア側に送ることで台の横に体を入れさせず、威力を半減させていく。その甲斐もあり、2ゲーム目から宇田、田添の強打ミスが目立っていった。
試合を決める3ゲーム目、7−7から宇田の2本のレシーブでの判断力が光った。
1本目は台からわずかに出たサービスをフォアドライブで一撃で仕留め、2本目は台に収めようとしたサービスを高速チキータで狙い打ってレシーブエース。この2本で9−7。素晴らしい判断力だった。
「村松が守りで自分が攻撃という役割分担だった。でも宇田の攻撃が鋭くて返すことができなかった。ストレートにあれほど速いボールを打てるのはすごい」と試合後に朱世赫。
まずは木下マイスターがダブルス先勝だ。
フォア側にボールを送られて、やや打たされた感があった田添/宇田だが、それでも攻めきった
2戦目のカットペア。内容は非常に惜しかった
ダブルスでの1勝は大きい
2番は大島が内容的には試合を支配していたが、決めきれずにゲームオールの接戦に突入。大島のサービスがよく効き、バック対バックでも押し負けずに点数を量産していたが、4ゲーム目のマッチポイントで決めることができず、逆に李平を蘇らせてしまったか。李平に強打はなかったが、サービスとツッツキでリズムを変えて、大島のドライブも無理に打ち返さずに、いなしていった。
4ゲーム目を逆転で取り、最終ゲームも6−6スタートから4ポイント連取でマッチポイントを握った李平。
しかし、ここで大島が弱気にならずに攻めきったことが功を奏したか。なんと大島がここから6ポイント連取で大逆転。打たれてもブロックでつなぐのではなく、カウンターで攻め返した大島、ここぞの強さが出た。
「4ゲーム目の10−7で大島がストップばかりで打ちにいかなかった。それが良くない。イージーミスでリードを壊した。最終ゲームは攻めなきゃ終わりですよ」と試合後の邱監督。
バックが好調!バック対バックは負けなかった大島
李平はいぶし銀のプレー
4連続失点からの6連続ポイント。驚異の勝負強さを見せた大島
木下マイスター、ここで勝負を決めたい3番は全日本チャンピオンの宇田。
対する琉球アスティーダはベテランの朱世赫だ。
この試合、宇田が超絶のカット打ちを見せ、朱世赫を粉砕する。フォアの打球点が早く、体を台の横に入れた超前陣のカット打ちで、朱世赫に連続強打を浴びせていく。
朱世赫は粘りたいが、粘れない。攻撃をしても宇田はカウンターで待っており、為す術なしという感じだった。
「1ゲーム目に10−8で取れなかったのが痛かった。そこを取れていたら展開も変わっていたかも知れない」と朱世赫。
それにしても恐ろしいカット打ち。ループに加えて、広角に打てる強打にもほぼミスがない。シュートドライブもうまく、朱世赫のフォアを抜き去る場面もあった。
宇田の速さについていけず、顔をしかめる朱世赫
この打球点でカットを打つ宇田。恐ろしい
ボールの下に潜り込む足があってこそ。最後まで宇田のフォアが炸裂した
琉球アスティーダとしては、ここで1点でも取り、木下の勝ち点を抑えておきたいだろう。
キャプテン吉村がなんとか勝利を応援団に届けたかったが、今日の木下の勢いは止まらない。
前期MVPの侯英超は、この試合絶好調で、カットの安定感、切れ味ともに抜群。攻撃にもミスがない。変化カットにつかまり、吉村のドライブにミスが出てしまう。カットマンに強い吉村だが、侯英超のカットは攻略できなかった。
変化カットとツッツキで翻弄した侯英超
木下マイスターは五輪選手3人を欠いたが、この強さ。
木下としては今期初の4−0で、勝ち点4を積み重ね、1日にして首位を奪還した。
「ドイツオープンの男子ダブルス準々決勝で宇田が負けた瞬間に日本へのチケットを取りました。今日は宇田がいなければ厳しかった。宇田はパワーがあり、足もある。そして戦術をしっかり聞いて実行してくれる。強くなった」と木下マイスター東京の邱建新監督は絶賛。
4−0の余韻にはひたらない。
「まだまだファイナルまでセーフティーではない」と邱監督は引き締めた。
ストレート勝利にこの笑顔!