そして、現在のNOAがあるのは株式会社VICTASのサポートがあってこそだと千葉さんは言う。卓球場オープン当初からの付き合いだが、ある縁で一気に距離が縮まった。NOAでコーチを務める千葉貴大さんと、VICTASで営業を担当する尾前龍太郎さんはともに宮城県内の高校出身で、高校時代に対戦したことがあった。それをキッカケにすぐに意気投合。以降もよくNOAへ足を運んでもらうようになり、時には卓球場についての意見をもらうこともあるという。
「VICTASの営業マンはとにかくフレンドリー。スーツじゃなく、ジャージ姿にラケット持参で営業に来てくれて、必ず汗だくになって卓球を教えてくれます。平日に開催している、60歳以上を対象にした仙台市のシニアリーグにも来てくれて、ミニ講習会を開いてくれたこともありました。ちょっとしたお願いでも親身になって対応してもらっています。
ここ最近はコロナ禍で難しいですが、よく講習会も開いてもらっていて、アドバイザリースタッフの方や小野誠治さん、仲村錦治郎さん、あとは松下(浩二)社長にも2回ほど来てもらいました。松下社長は私と同年代で、個人的にファンなのでうれしかったです(笑)。大人数の講習会では難しいかもしれませんが、NOAの場合は10数名の少人数で行うので、参加者全員が講師の方と直接打ったり、ダブルスを組んでもらったり、参加者全員が講師の方とふれ合えるんです。どちらかといえば、一緒に遊ぶような感覚ですね」
もちろん、VICTASの社風や営業マンの人柄だけでなく、製品にも高い信頼を置く。用具もコンセプトがハッキリしているので選びやすく、なおかつ価格以上の性能。特に男子学生にはラケット、ラバーからアパレルまで、圧倒的な人気を誇っているという。これまで幾度もVICTASのオリジナルユニフォームを作成しており、千葉さんも「以前の卓球のイメージを変えるようなブランドですよね。特にユニフォームはオシャレで洗練されている」と太鼓判を押す。
2012年のオープンから今年で9年が経ち、来年には10年の節目を迎えるNOA。着実に仙台の街に根ざした卓球場になりつつあるが、今の千葉さんの目標は、移転した現在の物件での営業を安定させていくこと。それはNOAを愛してくれている人たちの居場所であり続けるためであり、代表として、ともに働くコーチ陣の生活を守っていくためだ。そしてその先には、ひとつの夢がある。
「今のNOAを守ることも大事ですけど、ひとつ夢があるんです。中学生の頃にNOAで卓球をやっていた子たちの中から、『指導者になりたい』っていう子が将来出てきた時に、それをNOAで叶えてあげたい。そのための環境を作っていきたいと思っています。将来、教え子と一緒に働くというのが私の夢ですね」
ただ卓球をするだけ、卓球を教わるだけの場所ではなく、たくさんの人にとってのホームであり、夢を叶える場所。人と人とがつながっていく卓球場が、千葉さんの目指すNOAの姿だ。
VICTASの企業ビジョンには、こんな一文がある。
「卓球を愛するすべての人を、次の世界へ連れていく」
卓球メーカーとして、モノを作るだけが仕事ではない。卓球人に寄り添い、支え、ともに歩む。VICTASはこれからも、千葉さん、そしてNOAの夢を伴走者としてサポートしていく。
【卓球ラウンジNOA】
住所:宮城県仙台市太白区大野田3-13-28
TEL:022・355・9539
ツイート