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【アーカイブ】作馬六郎の独創スタイルを作るコーチングvol.1-2

威力が出る100gのラケット

サービスとスマッシュを磨くなら

「薄い」粘着系ラバーを選ぶ

 
ラケット単体でも重さにこだわっていかないといけない。私は選手に重いラケットを使わせるようにしている。
たとえば両ハンドドライブ型の場合、スポンジの厚さが「厚」ならば片面約45g、「特厚」ならば約50gになるので、100gのラケットを合わせれば190〜200gになる。粒高や表ソフトは裏ソフトよりも軽いため、100g以上のラケットでも十分に振れるだろう。
武田明子、岡崎恵、福岡春菜のような卓球スタイルは、サービスと3球目、そしてスマッシュが軸となっているので、薄い粘着系ラバーを貼らせた。サービスは薄いラバーのほうが強い回転が出せて、「重いサービス」が出せる。スマッシュも薄いほうがラケットに響きやすく、重いボールになりやすい。特にプラスチックボールになってからはスマッシュが打ちやすくなっているので、スマッシュ型のチャンスは広がっている。
 
スポンジが厚いと、打球が食い込んでしまうので、相手の回転の影響を受けやすい。そしてスポンジは硬いほうが弾きやすいのでスマッシュが打ちやすい。私がすすめるのは硬くて回転がかかるラバーだ。
『トリプル・パワー』は福岡春菜がずっと「薄」を使い続け、『TーREX』は成本綾海(同志社大/現在は中国電力)がジュニア時代に「中」を使っていた。三條裕紀(四天王寺高/現在は青山学院大)はスマッシュだけではなく、ドライブも使うので、テンション系の『VS>401』の「2.0㎜」(現在はキョウヒョウを使用)を使わせていた。ボールはラバーで飛ばすのではなく、ラケットで飛ばす。ラケットで飛ばすことができれば、ラバーは回転をかけるものに特化させたほうが良い。
 

プラスチックボールになり、粒高での変化が激減している。

粒高を使うならば、攻撃もできるラバーに変えるべき!

逆に表ソフトでのナックルと攻撃力にチャンスが出てきている!

 
今までは粒高の変化で勝てていた選手もプラスチックボールになってからは難しくなると感じている。緩急や長短は今までどおりに出せるが、バウンド後の変化がなく、ボールが揺れなくなってしまった。粒高で守っているだけでは勝てないため、変化重視の粒高よりも攻撃もできる粒高のほうが良いだろう。
また、粒高から表ソフトに変更しても良い。全体的に変化が少なくなってしまったので、ラリー中にスマッシュのチャンスが増えている。プラスチックボールになり、表ソフトが勝てる時代がまたやってきたと感じている。
 
Vol.1-3に続く
卓球王国16年2月号より抜粋