卓球王国 2024年1月22日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
東京五輪

ついに、ついに来たぞ金メダル!! 歴史を変えた水谷隼/伊藤美誠に日本中が沸いた!!

●混合ダブルス決勝

水谷隼/伊藤美誠(日本) −5、−7、8、9、9、−6、6 許昕/劉詩ウェン(中国)

 

この記事は、君が代が流れる表彰式を見つめながら書いている。57年ぶりに日本で開催された東京オリンピック。卓球競技として初となる混合ダブルス。その表彰台の真ん中には、日本の水谷隼と伊藤美誠が立っている。夢のようだが夢ではない。

 

準々決勝ではドイツペアにほぼ負けかけていた。「もうだめだ」と声に出してしまった自分がいた。だが、水谷と伊藤、そしてベンチの田勢邦史コーチは諦めていなかった。驚異的な逆転で勝利を収めると準決勝ではチャイニーズタイペイペアを圧倒。そして、本日21時から行われた決勝では、過去0勝4敗の許昕/劉詩ウェン(中国)を0−2のビハインドから3ゲーム連取し、フルゲームの激戦を制して、日本に初めての金メダルをもたらした。

 

1、2ゲーム目とも中国ペアの気迫あるプレーにスタートダッシュを許し、受け身になっていた。

3ゲーム目はスコアが拮抗する展開になり、ラリー戦になっても日本ペアの得点が増えてくる。スコアが離されなければ、中国ペアの高い打球点の攻めがボール1、2個ほど落ちてくる。このゲームを11−9で日本ペアが取る。

4ゲーム目は、許昕の横入れなどスーパープレーが出て0−3と離されるが、日本ペアはすぐに追いつく。許昕に対して横回転系のサービスを使っていた伊藤が、下回転に切り替えたことで許昕のフリックレシーブを防ぐ。水谷が覚醒し始め、それまでよりも大きな距離で動けるようになると攻撃力が増す日本ペア。11−9で奪い、2−2のタイにする。

 

流れは完全に日本へ。5ゲーム目は伊藤が角度のあるバックミートで得点し、水谷の前陣カウンターも冴える。このゲームも11−9と僅差で日本ペアが取り、金メダルに王手をかける。

しかし、ここで簡単に終わらせないのが中国の底力。必死のラリーでつないで日本ペアのミスを誘う。中国ペアが取り返して、勝負は最終ゲームへ。

7ゲーム目、水谷のストレートへのバックドライブで最初の1点を取ると、日本ペアが質の高い、厳しいプレーで8−0とリード。9−2から9−5と追い上げられ、10−5から10−6。日本ペアは準々決勝ドイツ戦と逆のスコアでマッチポイントを握るが、中国ペアの目は死んでいない。やや嫌な流れになっている中で、 日本ペアが選択したサービスは伊藤のハーフロングの横下回転サービス。ずっと短いサービスを出していた伊藤だったが、ここで勝負に出た。わずかにフォアドライブの準備が遅れた許昕のフォアドライブのレシーブがネットにかかった瞬間、水谷/伊藤が長い戦いに終止符をうった。

 

決勝で、それも地元日本開催の五輪決勝で中国を下し、文句なしの優勝を決めた水谷と伊藤。静岡県磐田市で同じ卓球チーム、幼少からの幼馴染の2人が歴史に残る快挙を達成したことは偶然か必然か。

まだ五輪は始まったばかりだが、この金メダルが日本チームに力を与え、このあとの種目を後押しすることは間違いない。

 

東京五輪速報

関連する記事