上写真:中国卓球協会の劉国梁会長。
1月6〜9日、「東洋のハワイ」と称される海南省海口市で、中国卓球協会と海南省旅遊和文化広電体育庁の主催による『李寧・紅双喜杯 2021年全国卓球“業余球王”総決賽』が開催された。
大会名にもあるとおり、この大会に出場できるのは「専業(プロ)」ではなく「業余(アマチュア)」の卓球プレーヤー。全国の25の省・市・自治区から、予選を勝ち抜いた500人余りの選手が出場し、男女団体と公務員選手による混合団体、男女シングルス30〜39歳/40〜49歳/50〜59歳/60〜69歳/70歳以上の各年代で優勝を争った。
ちなみに開催地の海口市は、「中国のハワイ」と言われる中国屈指のリゾート地、海南省(海南島)の省都。1月でも平均気温は20度前後と温暖だ。このコロナ禍で、大会出場者には14日間の健康状況の提出や大会前48時間以内のPCR検査の陰性証明、大会中も定期的なPCR検査や体温測定が義務付けられたが、大会のコンセプトとしては「卓球を楽しみながら、開催地での観光も楽しんでください」ということ。日本でいえば、かつて日本卓球協会が主催していた温泉卓球シリーズと、全日本マスターズが合体したような大会だろうか。
中国卓球協会の「全民健身(スポーツ・フォー・オール)委員会」主任である陸元盛(元中国女子チーム監督)が開会宣言を行い、劉国梁会長も直々に表彰式のプレゼンターとして登場。スペシャルゲストとして東京五輪代表の許シンと劉詩ウェンも来場し、エキシビションマッチを行ったり、選手代表と打ち合うなど、中国卓球協会も並々ならぬ力の入れようだ。
出場選手はアマチュア限定だが、レベルの高さはさすが中国。男子30〜39歳で決勝に進出した楊暁夫は元中国ジュニア代表で、03年アジアジュニア選手権では張継科とペアを組んで男子複3位の強豪。しかし、今大会の決勝ではアマチュアの実力者、広東省卓球協会所属の左ペンドライブ型・沈鵬に敗れて2位となった。女子40〜49歳のチャンピオンで、国家チームのメンバーだった麦楽楽も懐かしい名前。現在は高校で卓球を教えながら、民間のオープン大会にも出場している。
劉国梁会長は大会の開催に際し、「大会や合宿を行うことで、多くのクラブや選手、そして観光客が海南省を訪れる。様々なスポーツの普及をさせることができるし、観光客としての消費も期待できる。『スポーツツーリズム』をさらに推進できるだろう」と述べている。スポーツを見に行くため、あるいは参加するために旅行し、会場周辺で観光も行うのが「スポーツツーリズム」。中国卓球協会も、様々な方面から卓球というスポーツの発展を考えているのだ。
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