●スピン系テンション裏ソフトラバー
●厚さ:MAX・2.0・1.8mm
アディダスが日本の卓球界に本格参戦して、間もなく4年を迎えようとしている。
その日本上陸2年目の2012年に、自社最高峰のシリーズとして発表されたのが、スピン系テンション裏ソフト『テンゾン』だ。12年に『テンゾン』と、そのソフト版『テンゾンSF』(現在は廃番)がリリースされ、翌年にはさらにパワーアップ版である『テンゾン・ウルトラ』が登場した。その『テンゾン・ウルトラ』は〝トップ選手仕様〟のハードなラバー。グリップ感とコントロール性能を向上させる技術「OCT」により、高性能と安定感を両立した一枚という触れ込みだったが、いかんせん中級者からは「硬すぎて扱いきれない」という声も多かった。
そこで昨春登場したのが、『テンゾン・ウルトラSF』(以下『SF』)だ。『テンゾン・ウルトラ』のスポンジ硬度が47.5度なのに対し、『SF』は40度とかなりソフト。また、『SF』ではトップシートも若干改良し、ソフトスポンジとの相性を考慮したうえで、より回転をかけやすくチューニングしたという。
結果的に『SF』は、最高峰の性能ながら、スピン系テンションの中でもかなりソフトで、打球感をダイレクトに手元に感じられるカジュアルなラバーに仕上がった。弊社刊『卓球グッズ2014』の編集部員による試打企画でも、「威力が出るがとても扱いやすい」という感想が集まった。
スピン系テンション全盛の昨今だが、最近は中級者でも扱いやすいソフトタイプがシェアを広げているという。そのような中、『SF』は高性能かつソフトという、市場のニーズにバッチリ応えるラバーであり、やや高価なのがネックとは言え、ヒットの要因は十分に備えた一枚だ。
ラバー市場においてまだ未知数の存在であるアディダスが、既存の卓球ブランドを脅かす存在になっていくか。『テンゾン・ウルトラSF』は、そのための第一歩となるラバーかもしれない。
●トップシートは直径が大きめの、回転重視の粒形状。気泡が大きくソフトなスポンジを組み合わせた
担当:王国編集部
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