●木材5枚+Vカーボン2枚+フリースカーボン2枚
●グリップ:FL・ST
特殊素材4枚を組み込んだ、VICTASの『カルテット』シリーズ。宇宙服にも使用されるスーパー繊維とカーボンを組み合わせた「Vカーボン」を搭載したのがシリーズのトップエンドモデル『カルテット VFC』だ。
「高反発のVカーボンを使用し、シリーズ最高の威力」という謳(うた)い文句を見ると、弾みはあるが少々扱いにくい“じゃじゃ馬”なラケットをイメージするだろう。しかし実際に打ってみると、そのイメージは見事に覆(くつがえ)される。
特殊素材を4枚使用しているだけあって弾みは抜群。しかし、打球感には不思議と特殊素材らしさがないのである。ボールを弾(はじ)いて飛び出す感覚ではなく、ボールをつかむような打球感で、硬めの木材合板ラケットに近い。弾道も直線的にはなりすぎず、しっかり弧線を描く。株式会社VICTAS(※)の商品開発担当・仲村錦治郎さんはこのラケットをこう語る。
「特殊素材を4枚使っていますが、実は板厚を5.3mmに抑(おさ)えて、ボールをつかむ感覚を重視したラリータイプ向けのラケットなんです。ラリータイプと言っても、Vカーボンを使っているので、威力も十分に出せます。
ルール上、ブレードの85%は木材で作らないといけないので、4枚の特殊素材を入れて、板厚をこの薄さに抑えるのは、ギリギリのラインでした。そこをクリアすることで、独自の性能が生まれました。打ち負けることがなく、下がった位置からでも盛り返せる反発力があるので、特に大学生、高校生の男子選手に人気ですね」
ちなみにこのラケット、今年4月にVICTASと契約を結んだ松平賢二(協和発酵キリン)が使用中。松平の武器と言えばフットワークを活(い)かしたラリー戦でのドライブ連打だが、仲村さんの話を聞くと、このチョイスにも納得がいく。さらなる威力を求める木材合板ユーザーにとっても、違和感なく移行できそうなラケットだ。
一見すると異色の合板構成のラケットだが、独自のフィーリングや性能は一度試してみる価値アリ。
特殊素材らしい「剛」の面と木材合板のような「柔」の面を兼ね備えた紫色(ししょく)の破壊王を手に、ラリー戦で暴(あば)れ回ってみてはどうだろうか。
アウターには重量を考慮して軽量のフリースカーボン、インナーにVカーボンを搭載。板厚は5.3mmと薄めに設計
担当:王国編集部
【2019年】
【2018年】
【2017年】
【2016年】
【2015年】
【2014年】
【2013年】
【2012年】
ラバー
ラケット
シューズ