●ハイブリットエナジー系裏ソフト
●厚さ:特厚・厚・中厚
ラバーはスピンがかかり、スピードが出るほど良いというわけではない。上級者をターゲットにしたラバーは性能勝負になるが、初中級者が使うとコントロールができずにミスを繰り返して自滅することも多い。そのため初中級者用のラバーは適度なスピードとスピン、そして高いコントロールが重視されている。ほんのひと握りの上級者ではなく、初中級者にターゲットを絞ったラバーの市場は大きく、まさにラバー激戦区だ。中でも低価格・高性能を謳(うた)った『ヴェガ』(エクシオン)のユーザーは多く、今や誰もが一度は使ったことがあるラバーと言ってもいいだろう。
近年、このボリュームゾーンを獲得しようと、各メーカーが「打倒ヴェガ」を掲(かか)げたラバーを投入してきている。
今回紹介する『ライガン』も、まさにその位置のラバーだろう。扱いやすいスピン系テンションラバーの需要は年々高まっているだけに、ヤサカがようやく発売といったところだ。
『ライガン』は食い込みの良いトップシートと42.5度のやや軟らかいスポンジを組み合わせており、コントロール性能は抜群。そしてグリップ力がかなり高いので、自然にボールが弧線を描いてくれる。飛びすぎないので振れば入る感覚があり、初級者にとって回転系の打法が安定するラバーはありがたいだろう。
さらに衝撃的なのは価格だ。3700円(税抜き)という低価格は完全に『ヴェガ』ユーザーをターゲットにしている。初中級者に『ライガン』が浸透すれば、選手のレベルが高くなるにつれてトップラバーの『ラクザ』へユーザーを導くことができるのも狙いだろう。『マークⅤ』や『エクステンド』から『ラクザ』への橋渡しができる『ライガン』の役割は大きい。
安定して誰もが使いやすいラバーであることは間違いない。加えてスピン性能がかなり高いラバーだ。良いラバーであれば価格を高くしたいのは当然の真理だが、あえて安く価格設定したことで市場へのインパクトは大きくなる。これは英断なのか、それとも空振(からぶ)りなのか。『ライガン』は市場の中心勢力に大きな一歩を踏み込んだ。
粒の間隔が広く、食い込みやすさを重視している
担当:王国編集部
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