●攻撃用ラケット
●木材5枚合板+イザナスカーボン2枚
●グリップ:FL・ST・中国式
実にダーカーらしくない。新特殊素材、インナー仕様、そしてデザイン。すべての要素がダーカーの匂いを消している。年代別のお父さんたちに大人気だったダーカーは、桧単板の工芸品のようなイメージが強いだけに、今回の新作は“らしくない”。この『リベルタ シナジー』は一体どんなラケットなのか。
ブレードには卓球界初の新特殊素材『イザナス』を搭載。『イザナス』とは衝撃を吸収する能力に特化しており、ボールを柔らかくキャッチする。そしてカーボンと織り込むことで、ボールをつかんでから反発してくれる『イザナスカーボン』を完成させた。また、特殊素材を添芯の内側に配置することで、コントロール性能を確保している。
ボールをつかんで弾む。これはいわゆるインナー系で謳われるありがちな表現だが、ダーカーが最も重要視したのは打球感。ラケット名に冠された『リベルタ』とは「解放」という意味を持ち、プラスチックボールへの変更により生じるボールの硬さと打球の重さから解放するという願いが込められている。常に軟らかくボールをとらえて打球感を安定させることを目指した結果、新素材『イザナス』にたどり着いたのだ。p.151の『秋の新製品』では大学生トップ選手からも上々の試打評価。特にスピードは上級者が使っても申し分ないという。
ただ選手にひと言「○○の新作ですか?」と言われた。そう思われても仕方がないほど、某有名用具を連想させるグリップデザイン。なぜこのようなデザインになったのだろうか。「今、店頭にあるすべての製品の中からお客様に手にとっていただくことからスタートしないと性能や品質の認知にたどり着かないと思いました。まずお客様に手にとってほしいので、デザインを一新しました」(ダーカー・岡田和彦さん)。
多くのメーカーのラケットが並ぶ中、従来のダーカーのような昔ながらのデザインでは目に留まらない。特にシェークハンドを使う現代の子どもたちにとって好まれるデザインは何かと模索したのだ。それでもダーカーらしさを失ってほしくないと思う人は多いだろう。筆者もそのひとりだが、開発のコンセプトを聞いて少し安心した。
「コンセプトはダーカーらしい打球感。ペンドライブの代表的な用具『スピード15』の吸い付くような打球感を合板で実現させました」(岡田さん)
数々の名選手が愛した『スピード15』の打球感。このラケットにも見えない部分にダーカーが大事に守ってきたものが引き継がれている。
添芯の内側に特殊素材を配置したインナー系だ
担当:王国編集部
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