●テンション系ラージボール用表ソフト
●厚さ:特厚・厚
今年の全国ラージボール大会取材中に、ある選手から「ラージボールでも、プレーの中での回転の要素が以前よりも大きくなっている」という話を聞いた。
硬式よりも大きなボールを使用し、ラバーも表ソフトのみ使用可というラージボールのルールには、回転によるボールの変化を少なくし、ラリーが続きやすいようにする狙いがある。
しかし、1988年のラージボール誕生から28年が経ち、用具の進化と選手の技術の進歩により、ラージボールでの戦い方も変化しているのである。
そんな現代ラージボールのトレンドを踏まえ、ヤサカが今春発売したのが『ラージクラフト』だ。このラバーの特徴は回転のかけやすさ。回転性能を重視した粒形状と、ボールがしっかり食い込むソフトなスポンジを採用している。さらに弾みも兼ね備え、ラージ用ラバーに求められる性能を満遍なく取り入れた、贅沢なラバーなのである。
硬式では両面にスピン系テンション裏ソフトを使用し、そのグリップ力に依存しまくっている筆者にとって、ラージボールでのプレーはなんとも歯がゆい思いをさせられる。ラリー中に硬式のクセが出て、ボールを擦りネットミスを連発してしまう。
そんな忌まわしい記憶を持ちながら試打をしてみたが、この『ラージクラフト』では違和感を感じなかった。そのワケは、食い込みが良く、ボールを持ってから弾き出す感覚があるためだろう。裏ソフトに近い「回転をかけて飛ばす」という感覚があり、ドライブやミート打ち、サービスなど、技術全般にやりやすい。
私のようなラージ初心者にとってはスキル不足を補ってくれるラバーであると同時に、上級者が使えば、その回転性能を武器に、質の高い多彩なプレーを可能にしてくれるラバーになる。ハイエンドモデルでありながら、どんなレベルの選手にもフィットし、技術をサポートしてくれるラバーであるため、入門モデルとしてもオススメできる。
近年はラージボールに挑戦する若年層の選手が増えているが、そのほとんどは硬式兼業プレーヤー。そうした選手もストレスを感じずにラージボールでプレーできるラバーと言えるだろう。
ラージボールの戦い方は進化し、より回転が重要視されるようになった。そんな時代において、回転性能を軸にした万能型ラバー『ラージクラフト』は、新たなスタンダードになり得るポテンシャルを秘めている。ラージの流行を汲んだこのラバーでひと花咲かせてみてはいかがだろうか?
裾(すそ)が広く、倒れにくい粒を広めの感覚で配置することにより、回転のかけやすさを生み出す
担当:王国編集部
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