●反転式ペンラケット
●木材5枚
●ブレードサイズ:154㎜×153㎜
●厚さ:5.3㎜ 平均重量:60g
ニッチなジャンルを突いてくる、実にジュウイックらしいアイテムが、またひとつ登場した。その名も『TOMETATSU(トメタツ)』。勘の良い人ならおわかりだろうが、「止める達人」の略である。両ハンドパワードライブ全盛のこの時代、ブロックで止めることに特化したという反主流ギアだ。
ネーミングも含め、このラケットの個性は際立っている。最大の特徴は、「限界まで弾まないペンラケット」を目指して設計されている点だろう。プラスチックボールが普及し始め、回転のかけやすさを求めてラケットをやや弾まないものに変えたという選手は少なくないが、このラケットの「弾まなさ加減」はあまりに極端だ。
また、もうひとつの特徴が〝日中反転式〞である点。片面は人差し指をひっかけられる日本式、片面は鷲づかみに向く中国式と、両面でグリップ形状が異なるのが非常にユニークだ。
丸型のブレードと日中反転グリップ、この形状は同社『パチタンII』を完全に引き継いでいる。『パチタンII』はブレードにメッシュ状チタンを組み込んだ、抜群に弾む攻撃的ギアだが、『TOMETATSU』は弾みの性能だけ真逆というのがおもしろい。ちなみに名前の路線(パチンと打つチタン)は同系統だ。
この『TOMETATSU』、弾まない反転式ということで、どうしても粒高攻守スタイルを想定してしまうが、表ソフト+裏ソフトの両面異質プレーで使うのも良さそうだ。硬く薄いスポンジの表ソフトでナックル性のブロック&スマッシュ、裏ソフトはスピンテンションを貼れば、ブレードの球持ちにより回転性能がより高く引き出されて、自在のループドライブが可能。重量が軽いので、両面のラバーの重さを気にする必要はない。「どちらのラバーを日本式グリップ面に貼るか」など、使い方を工夫する過程も楽しい。
正統派のパワープレーだけでは勝てないという卓球の奥深さを、極端な形で象徴する『TOMETATSU』。「邪道」と侮ることなかれ。異形のギアの使い方を極めたその時、あなたは「達人」と呼ばれるはずだ。
●ほぼ等厚の5枚合板。いずれも軟らかい木材で、弾みと重量はかなり抑えられている
担当:王国編集部
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